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2000年1月17日(月)
【熊大第3迷宮:だんごだんごだんご三兄弟部隊】
「ウーキー鳥海氏の意見に賛成でーす」
「私もー」
そんなに感情を込めることもなく、寺川 紗矢佳と稲嶺 泰葉が意見を述べた。ここは熊大第3迷宮。だんごだんごだんご三兄弟部隊は本日も地下2階を訪れている。まずは恒例のボス部屋扉の罠解除を大和田 廣が実施し、まだ無理かなとメンバー全員が思っていたが、今日は和田の勘が冴え渡っていたようであり、罠解除に成功したのである。そこでとりあえず鳥海 新一が扉を蹴破って全員で中に侵入。本日ボス戦を行うかどうかを話し合っていたのである。
「後衛3人もそれでいいですよ」
後衛を代表して山木 可奈絵がこう述べたので、これからボス戦を行うことになった。地下2階のボスはコウモリであり、戦士3人で戦うタイプである。そこでじっくりと準備をしたあと、鳥海が壁のオブジェまで進んで、口の中に右手を差し込んだ。
「予告通り来てやったぜ」
コウモリと名付けられた人型で背中に羽が生えているボスが目の前に現れてこう口にする。それを聞いた戦士3人は両手剣を構え、大きく息を吐いた。
「行くぞ」
「ん?了解!」
なぜかいつものトーンではなく、まるでサムライスピリッツの柳生十兵衛が必殺技を出した時の声に似せた掛け声を鳥海が発した。これを聞いた寺川と稲嶺は多少の違和感を感じたが、すぐに気を取り直してコウモリ戦に集中する。コウモリはその名前の通り、空を飛ぶことが出来るので、ヒットアンドアウェイで攻撃される非常に面倒な相手である。降りてきては数回攻撃し、反撃されそうになるとすぐ上空へと戻っていく。この様な戦いに戦士3人はだんだんイラついてくる。
「落ち着けー」
「イラついたらコウモリの思うがままだよー」
後方から戦闘を眺めている大宮 弘典と山木が声援を送る。この声援を聞いて、戦士3人は少し気持ちを落ち着けることにした。
「集中」
こう言って鳥海は少し腰を落とした姿勢で両手剣を構える。そしてそれを見たコウモリは理由はわからないが攻撃に来た。
「絶、水月刀!」
向かってくるコウモリに対してしたから切り上げるように鳥海の剣が舞い、それがコウモリに直撃し、コウモリは地面に激突した。これでかなり弱ったコウモリはこの後はなすすべもなく戦士3人のタコ殴りにあう。
「やられたぜ。リングアウトだ」
何がリングアウトなのかはわからないが、この言葉を残してコウモリは消滅した。この後は大和田が物質回収に向かい、戦士3人は山木に回復を依頼する。そしてそれが終わると探索の継続について話し合い、今日はボスを倒したことに満足した隊員たちはこれにて探索を終了することにしたのであった。ちなみに絶、水月刀とは柳生十兵衛の超必殺技の名称であり、十兵衛好きの鳥海が単に気合を入れるために叫んだだけのものである。