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2024年10月16日(水)《GB》

《オリエンテーションと能力解放を完全に忘れてました。祝日ですが14日に行われたことにします》
【魔術師鍛錬場:夕陽 茜・滝口 信乃・桑山 晴恵・熊野 典恵・静 高広・木暮 有加利・富田 水無・高村 莉糸】
「茜ちゃんお疲れー」
「あ、水無さんお疲れ様です」
 空間の歪み発生の鍛錬中に富田 水無に声をかけられた夕陽 茜は丁寧に返事を返した。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行っている。昨日から既存の魔術師鍛錬場に合流した71期の魔術師達は、探索序盤の必須呪文である催眠の呪文習得に向けて鍛錬を行っている。もちろん鍛錬場には亜獣は存在しないし、誰かを眠らせることは出来ない。ここでの催眠の効果は、この鍛錬場の特殊物質に歪みが発生するのである。催眠の呪文習得は実際の探索開始までには必須であり、そのことは長官の木暮 有加利からもきちんと説明を受けているのだ。
「有加利さんお疲れ様です。調子はどうですか?」
「まだわからないけど悪くはないと思うわよ」
 次に富田は木暮に声をかけ、それを聞いて、木暮は軽く返事を返す。今日になって先輩魔術士たちがちょこちょこ71期の様子を見にきており、同じ質問を何度となくされるので、基本的には同じ返事をすることにしている。
「相変わらず静くんはハーレム状態だな」
「まあ男の子1人なので仕方ないですね」
 集中して鍛錬を継続している71期生を見つめながら富田が言葉を漏らし、高村 莉糸もこの状況について考えを口にした。71期の魔術師は4名が女性で男性は静 高広1名である。長官の木暮も女性なので、現状の鍛錬中は女性が5人いるのに対して、男性が静1名だけなのである。これをハーレムと捉えてやる気を出すか、ちょっとやりにくいと感じるのかは性格によるであろう。
「あ、富田さん、高村さんお疲れ様です」
 2人が見に来ていることに今更気づいた滝口 信乃、桑山 晴恵、熊野 典恵、静の4人が挨拶をし、富田と高村は軽く手を振ってそれに答えた。この後、少しだけ休憩することになり、71期生から聞かれた質問に対して富田と高村が答える。そして休憩時間が終わったタイミングで富田と高村は自分の鍛錬場所へと帰っていったのである。
「やっぱり、かわいいなあ」
 去っていく後ろ姿を眺めながら静が思わず言葉を漏らす。その言葉が聞こえた熊野であったが、聞こえなかったことにして何も言わずに鍛錬を再開したのであった。

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