警護依頼 後編
次の日
俺は朝まで蓮加さんのストーカーについて調べていた。結局何も出てこなかった。
プルルル、プルルル
泰平: フアァーもしもし?
情報屋: お前絶対寝起きだろ?
泰平: お、よくわかったね!
情報屋: いや、誰でもわかるだろ。
泰平: で?どうしたの?
情報屋: お前に頼まれてた件だけど、
泰平: あ!どうだった?
情報屋: まぁ簡単には行かなかったよ。
泰平: お前でも無理か、
情報屋: 何勝手に情報掴めなかったみたいな雰囲気出してんだよ!
泰平: え?違うの?
情報屋: 普通にやったら出てこなかっただけな?
泰平: なぁーんだ先言ってよ
情報屋: うぜぇ。まぁいいや。
泰平: で?どんな感じ?
情報屋: 20代半ば、身長165~175、髪型マッシュ、
顔はいつもマスクつけてるから分からないということだ!
泰平: なるほどな!
情報屋: すまねぇここまでしか、
泰平: いや?こんなに特徴を掴んできてくれるなんて思ってなかったからびっくりしてる!
情報屋: てめぇ、情報屋をなんだと思ってんだよ。
泰平: まぁありがとな!今度会った時金は払うよ!
情報屋: 通常の倍な!
泰平: え!?ひど!
情報屋: じゃまたな!
泰平: おう!
そこでたっちゃんとの電話が切れた
泰平: よしっこれで相手のことがだんだん分かってきたぞ!
蓮加: すいません。
泰平: あ。もうそんな時間か
蓮加: いや、まだ8時です。
泰平: じゃあなんで?
蓮加: 泰平さんのこともっと知りたいと思って。
泰平: え?
蓮加: あ、私ってば、何言ってるんだろう?
泰平: ふふっ、面白いですね!夏樹さんって
蓮加: ちょっと笑わないでくださいよ!笑
泰平さんって好きな動物なんですか?
泰平: 僕は、猿ですかね!
蓮加: 猿?
泰平: はい!猿なんて可愛いと思いません?
蓮加: 確かにあの赤いおしりとか?
泰平: そうそう!
こんな他愛もない話をしていると時間というのはあっという間に過ぎるものでとっくに10時になっていた。
泰平: あ、もうこんな時間か。
蓮加: 話していると時間ってあっという間ですね?
泰平: そうですね!笑じゃあ行きましょうか。
蓮加: あの、最後に一つだけ質問いいですか?
泰平: いいですよ?
蓮加: 今好きな人っていますか?
と、いきなり蓮加さんが聞いてきて戸惑いを隠せないでいたが、そこで俺はよく考えてから、
泰平: いたらどうしますか?
蓮加: え?
泰平: 冗談ですよ!笑
蓮加: えー?笑
泰平: ほら!もう時間ですし行きますよー!
蓮加: はーい。
泰平: めっちゃドキドキした!
蓮加: めっちゃドキドキした!
バイクで蓮加さんが乗っている車の後ろを走っていると、怪しい車が見えた。
泰平: 運転手の顔見たいな。
と、そんな感情を持ってしまった。
泰平: まぁ一応何かあった時のために連絡しとくか。
プルルル、プルルル
難刃: あ?なんだよ?こっちは寝てんだよ電話かけてくんじゃねぇよくそ暇な野郎共が!
泰平: あの、難刃さん俺です!泰平です
難刃: ん?泰平か?おう!ひさしぶりだな?どうした?
泰平: 実は今依頼を受けてて、ストーカーらしき人物の顔を見に行くところなんですけど。
難刃: おい、ちょっと待て、今走ってるよな?
泰平: はい!バイク運転中です!
難刃: って事は車か、バイクに乗ってる奴の顔を見るってことか?
泰平: はい
難刃: 馬鹿か?ぶつかってきたらどうすんだよ?
泰平: その時のために難刃さんに連絡したんじゃないですか
難刃: まぁわかったよ。で、どこにいるの?
泰平: 高速です!
難刃: は?今高速乗ってんの?
泰平: ダメですか?
難刃: 高速って事は、それ北野町に向かってるだろ?
泰平: はい!
難刃: おまえなぁ
泰平: え?
難刃: ダメだ
泰平: すいません切ります
難刃: おい!ったく
泰平: 見るしかない。
そして俺はちょっとスピードをあげて怪しい車の隣の車線に着いた。
泰平: よしっこれで顔を、
と、見ようとしたその時だった
ドーン!バーン!
前の車が横の車と衝突していた
泰平: あの車ってまさか、
そう俺の前を走っていた車は蓮加さんが乗っている車だった。
泰平: 蓮加さん!大丈夫ですか!誰か救急車!
まさかの蓮加さん本人を狙って来るとは思わなかった。
それからしばらくして救急車が到着した。
救急隊: では下がってください!
難刃: おい!泰平何があった?
泰平: 難刃さん、
俺はそこで泣いてしまった
俺は難刃さんに全て話した。
難刃: そんな事が、わかった。とりあえず病院に向かおう!
泰平: はい。
こうして難刃さんの車で病院に向かった。
難刃: 着いたぞ!
泰平: 行きましょう
難刃: ここか?
泰平: すいませんあの、蓮加さんは大丈夫なんですか?
看護師: 大丈夫ですから座っててください。
難刃: とりあえず落ち着け。
泰平: 難刃さん、ここ任せてもいいですか?
難刃: おい!何するつもりだ?
泰平: 犯人を捕まえるんです!
難刃: なんの手がかりもないだろ!
泰平: 行ってきます。
難刃: おい!
手がかりはたっちゃんが掴んでくれたこの情報だけ
とりあえず俺は聞き込みを始めた。
泰平: あの!この特徴の人見たことないですか?
ランニング中の人: ごめん、見たことないわ
泰平: ありがとうございます。あ、すいません!この人、
と、こんなふうに聞き込みをしても全然見つからなかった。諦めかけていたその時
泰平: すいません、この特徴の人見たことないですか?
おばさん: あ!見たことあるかも、いや?あるわね。
泰平: ほんとですか?
おばさん: うん
泰平: 今ってどこにいるとか分かります?
おばさん: 私と同じマンションに住んでるわよ?
泰平: え?
おばさん: ここの、5階に住んでるわよ
泰平: ここか。
おばさん: じゃあ私は戻るわね。
泰平: あ、ありがとうございました!
ピーンポーン
??: はーい!
泰平: どうも!お届け物でーす
??: え?やっべぇ
泰平: 逃がさねぇぞ!
逃げようとしたので俺の飛び蹴りを食らわせた。
??: 痛ってー!
泰平: 逃げようとすっからだよ!お前名前は?
下須: 下須友広。
泰平: てめぇのせいで蓮加さんは今も死の淵に立たされてんだよ!
下須: 知るか!あいつが、男といるから行けないんだ!あんな目にあって当然なんだ!
泰平: じゃあお前も同じ目に合わせてやるよ。
下須: は?や、やめろ!
難刃: おい。やめとけ泰平!
泰平: 難刃さん?蓮加さんは?
難刃: 無事だ!
泰平: 良かったー!
難刃: こいつは俺が引き継ぐから、早く蓮加さんの所行ってこい
泰平: はい!
下須: 嘘だ!
難刃: お前黙ってろ。
俺は急いでバイクに乗り病院に向かった。
ガラガラガラガラ
泰平: 蓮加さん?
蓮加: 泰平さん?
泰平: 良かった!
蓮加: もしかして私が死ぬと思ってました?
泰平: 思ってないですよ!
蓮加: 冗談ですよ!笑
泰平: 本当にすいませんでした!
蓮加: 何が?
泰平: 探偵として依頼者を危険に晒してしまいました
蓮加: 依頼者としてか、(ボソッ)
泰平: 男としても女性を危険に晒してしまいました
蓮加: え?
泰平: 本当にすいませんでした!
蓮加: もう大丈夫ですよ!笑
泰平: いや、でも、
蓮加: もっと楽しい話題にしません?
泰平: 確かにそうですね!笑
まぁ今回の依頼の依頼者が有名なアイドルグループのメンバー岩本蓮加さんだったけど、その人が俺と同じ高校に入学してくるのはまた次の話。