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NO34 修平とあかね 結婚
9月10日 火曜日
9月10日、今日はあかねの誕生日である。
春樹たちは玲香の誕生日に籍を入れていたので、
それにあやかって、あかねも誕生日に籍を入れる事にしていたのだ。
あかねは、昨夜、午前1時に帰宅して寝付いたのは
3時近くだったにもかかわらず、朝、6時には起きていた。
「おはよう、まだ、早いだろう、眠ったんか」
「だって、眠れないの、どうしよう、何を着て行けばいいかしら」
「別に、春日井市役所へ行くのに、ふだん着でいいんじゃないのか」
「良くないわよ、一生に一度の事なのよ、何を着ていこうかしら」
「パーティードレス、持っていただろう」
「昨夜、見てみたけど、ピンクのレースが派手すぎて恥ずかしいわ
ねぇ、修平さん、市役所へ行く前にアルコットって
婦人服店に寄っていいかしら」
「いいよ、市役所は5時までやっているから、
それまでに婚姻届を出せばいい」
「徳川園は午後6時に予約をしてあるから、
春樹も玲香も楽しみにしているからな
智ちゃんと香奈ちゃんは場所、分かっているのかな、
そうだ、智ちゃんたちに2人でタクシーで来いって言っといてくれ」
「そうだわね、あとで連絡をしておくわ、
徳川園って日本庭園の徳川園の事?」
「その徳川園だ、行った事がないかな」
「ないわよ、その中にあるレストランなの?
さすがタクシー運転手、素晴らしい処を知ってるわ
そこって、日本庭園も見る事ができるのかしら」
「四季の花が植えてあるから、今だと曼珠沙華って別名、彼岸花や何だろう
ホトトギスかな、鳥のホトトギスじゃ無くて、
花にもホトトギスってあるんだ。
花言葉は永遠にあなたのものって云うから、
今日の日には、うってつけだね」
「修平さん、よくそんな事まで知っているわね、調べてくれたの」
「いや、私はカメラが好きだから、ここにも何度か来ているし、
色々な所へ行って鳥や花の写真を撮ってきたから、
家のPCにもホトトギスの写真はたくさんあるはずだよ
徳川園は、紅葉が素晴らしいのだが、まだ、早いな~」
あかねはお父さんと3人で朝食を済ますと、
修平とあかねはお父さんも連れて出かけた。
婦人服店に立ち寄った後、婚姻届を出しに春日井市役所に来たのだ。
「市役所に来て、修平君の住所変更か」お父さんが問う
「お父さん、私たち、婚姻届を出しに来たの」
「えぇえ、そんな大事な事、なんで言わん」
「ごめんなさい、お父さん 修平さんが結婚は
まだ、早いって言っていたんだけど、
私が強引に結婚してってせがんだの・・・・・。
だって、そうしないと、お父さんを見てもらえないし・・・
この前みたいにお父さんが徘徊をしても、
私じゃ、どうにもならないもの・・・・・
お父さん あの時、修平さんがいなかったら、
川で溺れて死んでいたかもしれないわ」
「わしは徘徊などしておらん」
「じゃ、あの時、どこにいたか覚えているの」
「あの時って・・・・どの時じゃ」
「ほら、思い出せないんでしょう、お父さんも年なのよ、
少しボケがはじまってきているの、だから、修平さんが必要なの、
修平さんと結婚してもいいでしょう お父さん」
あかねはお父さんに甘えるようにしてせがんだ
「そうか、じゃ、お祝いをしなきゃな、どこかでご飯でも食べに行くか」
「だから 今日はね、私たちの披露宴をするの、お父さんも一緒よ、
春樹と玲香は知っているわよね、あと、お店の子が二人来るけれど、
あんまり、ああだ、こうだ、云わないでね、
私たちの披露宴なんだから、祝ってね」
「わしはそんなに物分りの悪い方じゃ無いぞ、
分かっているよ 何処でするんだ、
キャッスルホテルか、観光ホテルか」
「キャッスルホテルは今、建て替え中~です。
前よりもっと大きいホテルができそう、披露宴は徳川園でするのよ」
「徳川園か、あそこは、お母さんの弟、孝君が結婚式を挙げた所だ、
そうか、あそこはいいな」
「孝おじさんは徳川園で結婚式を挙げたの?
今は、東京に住んでいるのかしら
知らなかったわ、偶然というか、
名古屋はせまいと云うか、なんだか、不思議」
「だから、おまえが幼い時、結婚式に出ているはずだから
徳川園には来てると思うがな、アルバムを調べれば写真があると思うがな」
「そうなのね、お母さんとお父さんと私は徳川園に行った事があるのね、
なんだか、本当に不思議、お母さんも祝ってくれるかも、
なんか、嬉しくなってきちゃった」
夕方、3人は徳川園に着くと、もう、みんなは来ていた。
個室に案内されると、
智ちゃんと香奈ちゃんがおめでとうございますと言って花束を渡す。
玲香はティファニーのペアグラスをあかねに手渡した。
「おめでとうございます、ママ、やっとだね、良かったね」春樹が祝う
「おめでとうございます、私たちも呼んで頂いて光栄です」
香奈子も祝う
「じゃぁ、ママ、お父さんに乾杯の音頭をお願いしたら」
「そうね、お父さん お願い・・・・・」
「ええぇえ、わしか、では、ショウヘイ君、あかね、結婚 おめでとう」
お父さんは、急な事で、言いたい事が何も言えなかったようだ。
「修平さんがまた、ショウヘイさんになっちゃったね」
「この際、修平をやめて昇平になるか」みんな、大笑いだ。
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身も心も過去もすべて受け止めて
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![泉 春樹](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/150768803/profile_ad01dc3ed9385c1a244651cf2e49228c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)