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NO45 玲香の元へ 

    10月9日 水曜日

春樹は午前中、JKプラネットから連絡があり結婚指輪を取りに行った。
それをもって、東部医療センター 玲香の元に向かった。

春樹はJKプラネットへ取りに行った事を伝えると
「玲香、やっとできあがった、結婚指輪 美女と野獣、見るか」

「遅かったね、2ヶ月過ぎているよ!
このリングケースもすてき、
ダイヤモンドとゴールドラインがすごく優雅!」

「だね、何でも、十月の花嫁は富よりも愛を大切にするとかで、
忙しいみたい」
春樹は、玲香の指に指輪を入れながら言った。

「身も・・からだも・・心も・・どんな過去でも・・すべて受け止めたから
これからは、永遠に幸せになるんだから、な」

「うん、永遠に幸せになれるよね」

「そう、二人で永遠の幸せを作るんだ」


身も心も過去もすべて受け止めての挿絵はすべてkeiさんから借りています。

相乗り


春樹は10月7日、月曜日から勤務に復帰していた。

ジャパンタクシーに車両が変わったが、
以前のクラウンの方がよっぽど運転しやすい
今までは、車を運転している感覚だったが、
最近のシエンタやジャパンタクシーはコンピューターに運転させられているという感じなのだ。

春樹が驚いたのは、止まれの標識場所で止まらないとチェックされる、
信号無視をしてもチェックされる、交差点で止まっていて前の車が発進すると、おまえも早く発進しろってブザーが鳴る。
車線変更の際、黄色の車線をまたぐとピーピーうるさい。
高速道路でお客さんがシートベルトをしていないと
ピーピーピーピー鳴りっぱなしになる。
まぁ、こんな感じで、お客を探すどころではない。
運転するだけで疲れると思ったのだ。

姉貴からメールが届く、村井、一人と書いてある。
春樹は今池辺りにいたので
10分と入れた 。すると、姉貴から電話が入った。
「春樹、今日、車3台必要だけれど、高木さんと連絡がついたけれど
辻さんと連絡が取れない、もう一台、頼める」
「すぐ、あたってみるけど、もう一台って誰?」
「秋田さん」
「秋田さんて、藤が丘のスケベな人だよね」
「スケベは余分だけど、その秋田さん」
「じゃぁさ~村井さん、時折、一人の時もあるからさ、
秋田さんと相乗りどうかな、知らない中じゃないし、
秋田さんのタクシー代は藤が丘まで約六千円だけど、
三千円にして村井さんに渡す、
村井さんはチケットで瀬戸まで帰る人だから三千円は丸儲け、
話してみる価値はあると思うよ、
上手くいけば姉貴の株も上がるし、ちょっと聞いてみてよ」

「そうね、ちょっと聞いてみる、待ってて」 姉貴から連絡メール(OK)

いつもの場所に車を寄せると、高木さんがすでに来ていた。

「泉ちゃん、久しぶり~、れいちゃん、大変だったね、まだ入院してるの?
今度見舞いに行きたいんだけど、外科の何号室?」

「ありがとう、だけど、東部医療センターはコロナ以来、
面会も厳しくて、家族以外、面会できないんだ」

「あ、そうだよね、どこの病院でも厳しくなっているね」

と、言っていると桑名の吉田さんが来た。

「やぁ、れいちゃんの旦那さん、れいちゃん、事故にあったんだって?
大丈夫なのか、」
その話に村井さんも加わってきた。

「れいちゃんが事故に遭ったって聞いて、茜でみんな、その話だ、
今度、見舞いに行こうかと話していたんだ」

「ありがとうございます。
東部医療センターは家族以外の面会はできないので、
気持ちだけで十分です。玲香に伝えておきます。
あばらが2本折れたのですが、
別に手術もなく肋骨バンドで治すようですので
今月中には退院できると医者が言っていました」

「そうか、肋骨骨折なら、命に別状はないから、大事にしろよ」
村井さんが言う
「いやぁ、結婚したばかりなのに、とんでもない災難だったね、
相手はしっかり対応してくれているのか」 吉田さんが聞く

「はい、本当にありがとうございます、
治ったら、一度、茜に退院祝いの挨拶に来ますので、
その時はよろしくお願いします」

「村井さんも秋田さんも立ち話は通りのじゃまだから、
タクシーに乗って乗って」
ママが村井さんたちををタクシー車両に押し込んだ。
ママと智ちゃんと香奈ちゃんが三人を見送る。

「村井さんと秋田さんは茜でよく会われるんですか?」春樹が聞いた

「そうだね、秋田さんとは茜の十五周年記念の時に、
一緒にわいわいやっていたね~」

「そうです、今でもしっかり覚えていますよ、
村井さんがママに抱きついていたの、本当にうらやましかったですよ」
秋田さんが村井さんの肩を軽くたたいた。

「そうか、秋田さんもママ派か、そりゃあライバルが増えた」

「でも、あの時は本当に楽しかったですね。最高でした。
ほら、お尻フリフリ♪お尻フリフリ♪お尻フリフリ♪プイプイ」
二人で歌い出すと、お尻を揺らしはじめた。

「お尻フリフリ♪お尻フリフリ♪お尻フリフリ♪プイプイ♪」

車が揺れる、車は揺れながら、春樹は黙って運転をした。
意気投合しているようだ。秋田さんを藤が丘に送ると、
村井さんに本当に三千円でいいのかと確認してお金を手渡した。
秋田さんは深く頭を下げると村井さんを見送った。

春樹は村井さんを瀬戸に送り届けると、
料金はいつものようにチケットでもらう、
村井さんは現金三千円を貰って気分良さそうだ。
村井さんもお尻フリフリ♪お尻フリフリ♪を歌いながら降りていった。



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泉 春樹
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