SMスクール組 キャラ・手持ち語りシリーズ マオ編
※画像は「ポケットモンスターサン&ムーン」及び「ポケットモンスター」からの引用となります。
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〇はじめに
さて、#SM語り の主力シリーズになって参りましたスクール組・手持ち語り。3回目はアイナ食堂の看板娘マオとアマカジ→アママイコ→アマージョ、シェイミについて語ります。アニポケSMというシリーズにおける屋台骨ともいえるキャラですので気合入れていきましょう!
〇概要
マオはメレメレ島の人気レストラン・アイナ食堂の看板娘です(原作ではスイレンと同じくアーカラ島のキャプテン)。
家族構成は父、兄のウル、マオの三人。ただしウルは料理修行で家を出ているため、基本的にマオと父の二人暮らしです。また後述しますが母はマオが幼いときに死別しています。
・マオのパーソナリティ
アニポケSMにおける表の主人公はサトシですが、裏の主人公、あるいは屋台骨はマオだと考えています。言い換えればSMで表現したかったこと、SMらしさの根本にはマオがいます(憶測を含みます)。 これはアローラという土地のコミュニティを体現したカキとは少し異なる表象です。
ここでマオ回を多く担当していた脚本家の藤咲淳一氏のツイートを引用します。
〇「ふつうの感覚」とはなにか
アニポケにとっての「ふつう」は我々と大きく違います。アニポケはサトシがマサラタウンから旅立ち、ポケモンと冒険をする物語 アニポケSMはその「ふつう」を根本から変えました。一つの場所に定住し、学校に通うのはアニポケにとって「ふつう」ではありませんでした。
マオ、そしてアニポケSMの「ふつう」をもう少しかみ砕いていうと、当たり前の日常を大切にするというのが適当でしょうか。おいしいご飯を食べて喜んでもらう。マオの夢は日常の延長線上にあります。
〇マオと手持ちの関係
というわけでマオと手持ちの関係もまたアニポケ的「ふつう」の枠では捉えられません。マオにとってポケモンは生活をともにする家族 サトシ・カキ・スイレンのように目標をともにするパートナーとはまた違った存在です。
・マオとアマカジ
アマカジはマオの母親(以下マオママ)がゲットした、いわば忘れ形見のポケモンです。マオ曰く「私の妹」でずっと一緒にアイナ食堂を守ってきました。ただし、フォルムがフルーツそのものということもありお手伝いなどは少し難しかったようです。
・マオとアママイコ
アママイコはSMシリーズでは一番長い期間活躍していました。手足が伸びたことでウエイトレスの仕事が手伝えるようになり、よりマオとの仲が深まったようにみえます。また進化したことで甘えん坊になったようです(18話ポケもんだいより)。
・マオとアマージョ
アママイコが踏みつけを覚えたことでアマージョに進化しました。元ネタがアレなので性格もかなり変わった…ように見えてマオに反抗するなどはなく自らも料理を作るなど自立した性格になりました。第130話ではVSアシレーヌで諦めようとしたマオに対してバトルしたいという自らの意志を示しました。
・マオとシェイミ
マオにとって…、いやSMにおける重要回である第108話「カプ・レヒレの霧の中で」にてゲット、もとい一時的保護し生活を共にしました。シェイミは「感謝」を象徴するポケモンであり、マオのシェイミもその例に漏れません。
最終話でスカイフォルムになったときにマオママの目元と似ていると話題になりました。これはシェイミがマオママの 『いつもそばにいるから。目には見えないけど、心はマオやお父さんやお兄ちゃんと、ちゃんと繋がってるからね』 という発言を具体化した存在と示唆したといえるでしょう。
〇マオがSMシリーズで果たしたこと
最初にマオがSMシリーズでの屋台骨だと述べました。その言葉通りマオはスクール組のほとんどのキャラクターとかかわり、アローラの生活を作ってきました。ここからは初期・中期・後期にわけてマオが果たしたことをまとめていきます。
・初期
SM初期におけるマオはサトシと視聴者をアローラの世界に引き込む案内役でした。サトシをポケモンスクールに引き込み、リーリエに卵の世話をしたらと持ち掛けたり、重要なイベントの発起人になっています。逆に自分のメイン回は誰よりも遅く(18話)、まさに屋台骨といえる活躍をしていました。
・中期
中期は初期ほどあまり目立った活躍はしていなかったものの、SMの横軸の日常回の空気感を作っていました。
代表的なのはかがやき様編の最後に「アローラ!」の音頭をとったことです。非日常から日常へと戻す役割はマオにしか果たせなかったといえます。
・後期
何を差し置いても108話について語らねばなりません。108話はさまざまなイベントが同時進行しますが、その中心にマオとマオママの邂逅がありました。
そして最重要ターム「ありがとう」と「ごめんなさい」
SMの根本的なテーマである「日常を大切に生きる」ためのキーワードです。(38話ですでに導線がひかれています)
今、あなたがそこにいること、今私がここにいること、そして生きつづけることに「ありがとう」。「ありがとう」の気持ちを忘れたら「ごめんなさい」。
特別なことじゃない当たり前の「ふつう」。アニポケSMで最も重要なメッセージを伝えるメッセンジャーがマオでした。
しかし、108話が終わりZリング獲得、そしてリーグ戦へと行く過程でマオの物語は着地点を見失います。
マオにとってやりたいこと、それは日常の中にある。
でもそれだけが人生だろうか、どこかで挑戦しなければいけないのでは。迷いを抱えながらスイレンとの闘いを迎え、そして打ちのめされます。
その後スイレンに諭され、最後まで戦い抜き、全力で戦うことの意義を知ることになります。…が正直この展開がベストだったのかは疑問です。最終的にマオは外で戦うことは選ばずアイナ食堂を守り続けることを選びました。
最初にアニポケSMの「ふつう」は今までのアニポケと違うと言いましたが、アニポケSMも究極的にはアニポケの力学が働きます。最終話でサトシとスクール組が次々とメレメレ島から飛び立っていくのがその表れです。
しかし、マオは残りました。マオはSMの「ふつう」の象徴としてそこに残ったのです。
〇総括
マオはアニポケSMの「ふつう」を体現するキャラクターです。あなたがアニポケSMというシリーズが好きならばきっとマオのことも好きでしょう。マオのおかげでアニポケSMを楽しむことができました。皆様とマオの幸せを願います。ここまでご清聴ありがとうございました!
(了)