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【雑談】力なき正義は〇〇であり、正義なき力は××である
クリスマスセールと正月セールが同時開催中の雑談⛄
2024年最後のアニポケ78話ではリコ達が最後の六英雄であるエンテイと出会い、ラクアへ行くための最後のピースを埋めようとしていた。
#アニポケ 第78話
— アニメ「ポケットモンスター」公式 (@anipoke_PR) December 20, 2024
「激闘エンテイ!炎のおたけび!!」
咆哮と共に現れた伝説のポケモン #エンテイ
六英雄ポケモンと共にラクアを目指す!
そのために、リコ、ロイ、ドット、そして
フリードがバトルを挑みます💥
2024年最後のアニポケ、
この後よる6時55分からの放送をお見逃しなく! pic.twitter.com/uDsSVHL4z8
…が、バトルを終えてもエンテイとパゴゴ(テラパゴス)の共鳴は見られず。端的に言うと人(ポケ)違いだったことが明らかに。エンテイは六英雄ではなく、ライコウ・スイクンらと共にただそこにいる伝説のポケモンだった。
◢◤ #アニポケ ハイライト◢◤
— アニメ「ポケットモンスター」公式 (@anipoke_PR) December 20, 2024
バトルを終え、リコは #エンテイ に
「パゴゴの力になってほしい」と訴えるも共鳴は見られず…
そんな中、海底火山の噴火で生まれた新しい島に、#ライコウ、#スイクン が現れ、伝説のポケモン3体が集結!
リコたちは貴重な光景を目にします pic.twitter.com/T2k9Mbd4xE
しかし、ブライアからパルデアの大穴(エリアゼロ)にエンテイらしきポケモンの姿があったとの連絡が!年明けからはエリアゼロでの探索から話が進んでいきそうだ。
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さて、流れ的にこの「エンテイらしきポケモン」が六英雄の可能性が高いと思われる*がそのまま話を進めるには少々引っ掛かるところがある。それはリコ達が一方的にエンテイのことを勘違いしたままバトルに突入してしまった件についてだ。
【悲報】エンテイさん人違いされる
— こめこめくらぶ@アオハル実装待ち (@komekomeclub_g7) December 20, 2024
エンテイさん人違いで出会い頭に呼ばれて六英雄だのなんだの言われたら「ハァ?」って言いたくもなるわな。リージョンだのパラドックスだのが増えるとこういう事案増えそう#アニポケ pic.twitter.com/zrPvPaUbpT
※ 「エンテイらしきポケモン」ではなく別の個体のエンテイが六英雄である可能性もあるが、本記事ではこちらの立場をとる
伝説といえども人間とポケモンで精密なコミュニケーションを取るのは難しい。だから両者に認識の齟齬が生まれること自体は責められるべきことではない。問題はむしろ"スムーズ"にバトルへ移行した点である。
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フリード:歓迎しちゃくれないか
ドット:聞く耳持たずか…
ロイ:僕らの力を見せれば!
これらの意思決定がスムーズになされたのは、リコ・ロイ・ドット・フリードの間で以下のようなスキームが共有されていたからだと思われる。
問題の発見:自分たちのメッセージがエンテイに届かない
原因の推測:エンテイが自分たちの力を認めていないから
決定された意思:(自分たちの力を)バトルで認めさせればよい
リコ達が置かれている状況は厳しく、円滑な意思決定はその世界で生きるには必須なのは間違いない。ただし、これまでの六英雄を仲間にする過程においては「バトルによって力を認めさせる」という方法は必ずしも自明のものではなかったことを忘れてはならない。
オリーヴァとは傷ついたパルデアウパーを守ろうとして、ガラルファイヤーとは怒りを鎮めるために、ラプラスとは食料を奪いにきたのを追い返すためにそれぞれバトルした。これらの六英雄ともリコ達は交戦したが、バトルする理由をざっくりまとめれば"自己防衛"の為ということになるだろう。
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流れが変わったのは73話でのバサギリとのバトルからだ。バサギリは武人よろしく戦いの中で相手を認めるスタイルだった。同じく六英雄のラプラスとも拳で語り合った仲のようだ。
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六英雄のトレーナーはルシアスであり、血縁があるとはいえ全く異なるトレーナーであるリコに従うには何かしらの「理由」が必要なのは心情的にも物語的にも理解できる。ただし、それは「力」に限定されないはずだ。
フランスの哲学者パスカルが語った有名な言葉がある。
カなき正義は無能であり、正義なき力は圧制である。
これは所謂名言の中でも知名度が高く様々な物語媒体で引用されてきた。手垢にまみれているが、それだけ普遍的なメッセージを含んだ言葉でもある。
リコ達は『テラパゴスのかがやき』編ラストに対峙したレックウザとの戦いにおいて己の「力」のなさを自覚した。そこから先に進むためにオレンジアカデミーで『テラスタルデビュー』し、実際に「力」を手に入れた。
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まだまだ成長途中とはいえ、少しは自信もついてきたころ…だからこそ気を付けなくてはならない。実際、六英雄を仲間にすることで強大な「力」をリコ達は手に入れることになるだろう。そしてEXPとはラクリウムという「力」を巡って対峙することになる。
何のために「力」を用いるべきなのか、「力」にどうやって向き合うべきなのか。難しい問題が今リコ達に問われている。そこで何を考え、何を迷うのかが重要だ。先にも述べたように"スムーズ"な意思決定にこそ警戒しなければならない。
パスカルは先の言葉に続けて次のように綴った。
力なき正義は反抗を受ける。なぜならば、つねに悪人は絶えないから正義なき力は弾劾される。それゆえ正義と力を結合せねばならない。
パスカルの結論としては「正義」と「力」は結合せねばならない。2020年代の令和の物語において果たしてどんな「正義」と「力」が語られるのか、あるいは語られないのか、楽しみにしたい…To Be Continued.