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【雑談】頂点に立つ者の矜持
寒すぎて大寒かと思いきや、まだ大寒の一週間前だった雑談⛄
2025年一発目のアニポケHZ79話はリコロイドットとパルデアトップチャンピオンのオモダカとのバトルからスタート。パルデアの大穴≒エリアゼロへの立ち入り許可を貰うため、主人公組が圧倒的な実力者に挑む熱い展開となった。
本日は2025年最初の #アニポケ
— アニメ「ポケットモンスター」公式 (@anipoke_PR) January 10, 2025
第79話「オーバー・ザ・トップ」
圧倒的な実力を誇るオモダカに挑む
リコ、ロイ、ドット
これまでのバトルの経験を活かした
3人の連携プレーが光ります!
よる6時55分からのアニポケをお見逃しなく! pic.twitter.com/hy62DO9YCy
エリアゼロへの立ち入り許可は子ども達の身の安全に関わる事案の為、オモダカとしても本当の意味で「一切妥協ができない」バトルだったと推測される。これは免許を与えるのが目的のテラスタル研修のバトルとは明確に異なる点だ。
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明らかに格上相手のバトルということもあり、リコ達は様々な策を打ってどうにかオモダカのキラーメ&キラフロルの布陣を崩そうとする。特にリコがロイのアチゲータに向かってニャローテに"ふいうち"の指示を出す場面では、勝利の為に手段を選ばないリコの必死さが表れていた。
一筋縄ではいかない相手とはいえ「敵を欺くにはまず味方から」を実践するリコさんパネェ…
— こめこめくらぶ@レジェアド開催待ち (@komekomeclub_g7) January 10, 2025
でもそれ以上に普通にそれを受け入れて"じだんだ"のパワーアップに喜んでるロイも別ベクトルでぶっ飛んでるな。逆は成り立たなさそうよね#アニポケ pic.twitter.com/l7DoxOA6Zx
だが、リコの策によりパワーアップしたアチゲータの"じだんだ"をもってしてもオモダカのキラフロルは倒しきれない。キラフロルの特性"どくげしょう*"の効果によってニャローテ・アチゲータ・ウェルカモは毒状態になっており、後はキラフロル側が守るだけで自滅してしまう…というところまで追い込まれた。
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※どくげしょう…キラフロルの専用特性。「物理技でダメージを受けると 相手の足下にどくびしがちらばる。」(「ポケモン図鑑」より)
しかし、オモダカはここで守りに入らず、次の口上を述べて攻めのテラスタルを切る選択をする。
オモダカ:あなたたちとの戦い、大いに楽しみました。そしてここで自滅を待つことは本意ではありません。
リコ:オモダカさん…。
オモダカ:ポケモンリーグ委員長としてあなた達の頑張りには全力で報いたい。トレーナーを導く光あれ、キラフロル!
オモダカがこのような選択をすることを四天王のチリは見抜いていたようだ。ここより少し前の場面から引用する。
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ハッサク:よくぞここまで戦いました
アオキ:このままキラフロルが守りながらバトルを長引かせれば、毒状態の三匹は自滅してしまう…
ポピー:もうお終いなの?チリちゃん
チリ:いいや、そうせんところがトップのトップたるところやな
オモダカがテラスタルを切る前からチリはオモダカが守る選択をしないことを予見していた。これはオモダカの思想信条が予め部下であるチリに共有されていたことを示唆している。
しかしながら、ここでオモダカの思想信条に矛盾の疑義が生まれる。戦う前の「ポケモン勝負に一切妥協ができない」という宣言と、確実に勝利する為に守りに徹しない姿勢は相反しているのではないか。実際、オモダカを欺くために味方をも欺いたリコの方が「勝負に妥協していない」ように見える。
オモダカの最初の宣言はハッタリでチャレンジャーを鼓舞する為のものだったのか…もちろんそういう考え方もできる。ただし、ここで忘れてはならないのはオモダカが「トップチャンピオン」としてバトルをしているということだ。
オモダカがトップチャンピオンとして何を大事にしているのか。原作・アニポケ・ポケマスと登場媒体によって微妙な違いはあれど、そこでのセリフから彼女の矜持が垣間見える。
原作のSVではチャンピオン戦で主人公がオモダカに勝利した後、次のような言葉が贈られる。
オモダカ:貴方たちポケモントレーナーはこのパルデア地方の宝物…… チャンピオンはその中でもひときわかがやく存在です。チャンピオン (主人公の名前) パルデアのトレーナーたちをその背中で導いてくださいね。
文言は「ポケモンWiki」より引用
キーワードとなるのは「宝物」「かがやく」「導いて」あたりか。オモダカにとってチャンピオンとはただ上位に君臨しているだけではなく、その「かがやき」によって他のトレーナーを「導く」存在であるらしい。
次にポケマスでのセリフを追ってみよう。ポケマスにおいてオモダカはネオチャンピオンの審査員長としてパシオに招聘された。そこで同じくセキエイリーグのチャンピオン・ワタルと語らう場面がある。
ワタル:資質が試されるのは挑戦者だけではない…ということですか?
オモダカ:チャンピオンという存在は挑戦者を優しく導ける者…その使命、強さに陰りがあるべきではないと、私個人としては考えています
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違う地方のチャンピオンが集まるこそ生まれる会話、これぞまさにポケマスの真骨頂というべきところだが、ここでオモダカの矜持が読み取れる。
オモダカがチャンピオンに必要な資質は、挑戦者を「導く【強さ】」。チャンピオンは強くある必要があるが、それは「導く【使命】」に殉じる為である。
純粋に勝ちを求めて鍛錬を重ねるというのも立派なトレーナーの在り方だが、それだけでは誰かを「導く」には十分ではない。陰りのない「かがやき」になることによってはじめて道標となりうる。
卑近な言葉を使えば「憧れられる」存在であることがチャンピオンの条件だとオモダカは考えている。中でもチャンピオンを束ねるトップチャンピオンとして仕事をする上で、チャンピオンを評価するという視線が他者にも自分にも厳しく注がれているのだ。
多くの原作プレイヤー・主人公が旧チャンピオンを打ち破って新しいチャンピオンとして名乗りをあげてきた。しかし、本当の意味で誰かを導く憧れの存在になるのは殊更に難しい。だからこそ、頂点に立つ者の矜持を知ることにはきっと意味がある…と一般モブが独り言ちるのであった…To Be continued.