千羽黒乃師匠から「お見事なのじゃ」精神を学ぶ
こちらの続きになります。
6月・全然アガれない問題
雀魂の持ち時間を300秒にしてCPUと打ち始めた私ですが、ここで最初の壁にぶち当たります。
全然アガれない!!
父によって「マンガン」という概念を刻み込まれたはいいものの、満貫はおろか1000点すらあがれない。なんなら聴牌も難しい。
そもそも自分が次に何を持ってくるのかも分からない。他の人が何の役を作っているかも分からない。
そんな状態で役ができてさらにあがるなんて、奇跡なんじゃないか!?
ということで目標を大幅に下方修正し、とりあえず「立直」までいければオッケー、と思うことにしました。「マンガン作れ」の概念は泣く泣く封印し、2か月くらい忘れたふりをしました。
雀魂には牌譜を見返すことができる素晴らしい機能があるので、「何切ればいいんじゃい」と思ったところを父に聞きつつ、私はこっそりYouTube の麻雀解説動画に手を出しました。
そして出会ったのが初心者の救世主、平澤元気麻雀chです。
この方、とにかく言語化が上手すぎる。形に慣れるうえで本当にお世話になりました。
このチャンネルに出会って圧倒的に変わったのが、「浮き牌選択」と「2シャンテン→1シャンテンになるときの選択」だと思っています。せっかくなのでそれぞれ関連動画をピックアップします。
もしも私が知り合いに麻雀を教える機会があったら、「マンガン」の重要性より先にこの二つの動画を紹介しようと思います。
(もちろん今はマンガンの概念もとても大事にしています!!)
このままではわが師、父がさすがに浮かばれなさすぎなので、すこーし捕捉します。
父からは最初のうちは面前進行をベースにすること、それと守備意識を教わりました。麻雀にはいい放銃と悪い放銃とがありますが、主に悪い放銃とはどんなものかを説明してくれた覚えがあります。
YouTubeから攻撃を学び、父から守備を学ぶ。これで完璧ですね。
何でも質問できる人が身内にいるというのは有難いものです。
8月・「お見事なのじゃ」精神との出会い
初めて2か月、晴れて雀豪に昇段した私は本格的に東南戦を打ち始めます。しかし、ここから雀豪2にあがるまでが長~い戦いでした…。
突然ですが私、元々は運が介入しないゲームとかパズルが好きなんです。
「川渡りゲーム」をご存じでしょうか?
基本的には船で何往復かして対岸にすべての人を運ぶ思考ゲームですが、いくつか条件がつきます。
例えば父、母、子、犬を運ぶとして、「船には二人までしか乗れない」「父か母しか船を漕げない」「犬は父を噛むので、父と二人きりにしてはいけない」といったものです。

中には「犬はメイドがいないと家族皆〇しにする」とか「父は母がいないと娘を〇す」とかいうとんでもない条件付きの問題もあります。
しかしどんなにとんでもない条件でも、絶対的な正解が用意されていて、順序を踏めば必ず辿り着けるので安心です。
私は中学か高校の一時期これにはまり、問題をノートにメモしては授業中に解いたりしていました。やる気の使い方が間違っているというやつです。
脱線してしまいましたが、かたや麻雀は運に振り回されるゲーム。時にはとんでもない理不尽で負けることもあります。
私は初心者の例に漏れず「玉の間」で苦戦し、俗にいう「金玉ループ」も経験しました。
多くの麻雀打ちが思ったことがあるでしょう。「なんだよこの運だけゲーム!」私も思いました。
ですが、ある日私の麻雀観をガラッと変えてくれる人と出会います。
VTuberの千羽黒乃師匠です。
“麻雀歴1000年の鴉天狗”でお馴染みの彼女はとっても麻雀が強くて、雀魂では三麻、四麻のW魂天を達成している超・実力者です。
強い人の麻雀を見て勉強しようと千羽師匠の配信を見た私は衝撃を受けます。
千羽師匠は、自分の潰されたのがどんなに勝負手でも、必ずアガった相手を「お見事なのじゃ」と称えるのです。どんなに悔しくてもです。
想像してみてください。
自分が一段目、「678m 678p 3456777s」の23568s待ちの先制親リーをかけていたとします。是非とも8sをツモりたいやつです。
そこに副露で対抗してくる子方。「ツモ」といって開かれた手が、間7s待ち。
それ私3枚持ってるやつ!!
リア麻だったら手牌の右3枚を見せびらかすという暴挙もギリ許されるでしょう。なんなら全部見せたい。
しかしそれをグッと抑えて心の中で呟きます。
「まーそんなときもあるよね。」
…これでは到底この悔しさは収まりません。心の中の日吉プロが「じゅぅー5対1ですよッッ!!15対1はふつうどっちが勝つんですか石橋さんッ!??」と叫ぶのも止められません。
そこで今度は千羽師匠を心に召喚します。
「う~んラス1ツモられたか~。これは強い!お見事なアガりなのじゃ!」
もちろんこれで悔しさがすべて拭えるとは思いません。しかし言い終わったあと、少し晴れやかな気持ちになるはずです。
このコメントの素晴らしいのは、自分の悔しさを、相手を称える気持ちに変換しているところです。(今年2月4日のMリーグでも、竹内元太プロの素晴らしすぎるインタビューがありましたね!)
そしてミソは「なのじゃ」とかいう可愛すぎる語尾です。このおとぼけ感が丁度良すぎるのです。(もちろん千羽師匠は麻雀歴1000年なのでとぼけてるわけじゃありません。すみません。)
「なのじゃ」の鎮静効果は絶大で、一牌の後先を引きずるより、区切りをつけて次を見ようという気持ちにさせてくれます。心の中の荒ぶる日吉プロも静まるはずです。
私は千羽師匠を見習い、悔しい場面で「くそ~!」と心の中で叫んだあと、必ず「お見事なのじゃ」を添えるようにしました。最初はめちゃしょんぼりトーンの「お見事なのじゃ…」でもいいです。小さいことですがこれだけでかなりクリーンな心を保てます。
最近は「東1局0本場。わしは親で、ドラは北なのじゃ」まで再現したりします。これも第一打で間違えてドラを打つみたいなミスを防げるのでおすすめです。
何はともあれ「お見事なのじゃ」精神を身に着けた私は、これまでよりもポジティブな気持ちで麻雀が打てるようになります。この頃にはすっかりハマっていたので研究室の仲間と比べてもモチベーションはぶっちぎりでした。
そして遂に9月、Mリーグ2023-24シーズンが開幕します。
「お見事なのじゃ」について語りすぎたのでここまでにします。次はプチ目標だった3本目!おそらくMリーグ関連の話になると思います。