8月4日 華厳の滝と中禅寺湖
龍王峡の翌日、華厳の滝と中禅寺湖を訪ねた。
日光も日光。代表的な場所。小学校の修学旅行以来。ずいぶんと久しぶりだ。
華厳の滝、中禅寺湖といえば、あのいろは坂。
小学生の時の私は車酔いがひどく、バスがぐるぐる回り、酔いまくって、地獄めぐりをしているような記憶であった。
ハンドルを握る手も緊張した。しかも、まだ調子が悪かったので、これでは対向車とぶつかるのではないかと恐れた。
が、対向車はなかった。いつの間にか一方通行になっていた(2019.10)。ほっとした。(小学生のときの修学旅行では、下手くそな対向車がバスにぶつかった。)けれども、カーブの連続には違いはない。
車には家族の他に、犬も乗せている。かわいい子犬だ。彼が酔うのもかわいそうだ。
学生の頃、車の運転技術を誇る先輩がいた。豆腐屋でバイトをしていて、形を崩さず豆腐を運ぶために気を使って運転したのだと話していた。そんなことを思い出しながら、カーブを曲がることを繰り返した。
やっとの思いで、上り切った。なかなかの達成感であった。記憶を今で書き換えたような、不思議な充実感であった。
駐車場に停めるのに少し時間がかかった。降りると、下界と違ってひんやりと涼しい。
華厳の滝までは、すぐであった。
滝の音がした。
97メートルの高さは、あらためて見て、迫力があった。
エレベーターで、観爆台に。
圧倒的であった。
滝の元である中禅寺湖に。
弓を持つ人を何人も見かけた。
扇の的を湖の上に浮かべて那須与一のように射る大会でもやっているんじゃないのか?と笑って言うと、弓道部だった息子がいや、そうかもしれないと言い出した。扇の的弓道大会をまさにその日やっていたようで、日光の伝統行事であったようだ。
中禅寺湖は曇り空であった。
遠くで雷がなり、時折、雨がぱらついた。
扇の的弓道大会もすでに終わっていて、湖畔は実に静かである。
しばらく、腰を下ろして、ぼんやりとした。色んなとりとめもないことを考える。いや、考えてなんかなかったかもしれない。
子どもらが、湖に石を投げている。水切りを競ってたわむれていた。
帰り、日光たまり漬本舗つるやにて、雨の降る中、チーズケーキとチーズたまごを食べる。どちらも美味しくいただいた。
少し雨足が弱くなったところを見計らい、車に乗る。
第一いろは坂を降りる。メロディー道路でゴダイゴのモンキーマジックが聴けると言うので期待したが、運転がうまくいかなかったのだろう、まったく聞こえなかった。
雨のせいかもしれない。
けれども、聞けなかったことも、思い出だともなれば、楽しくもあった。
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