旧約聖書と新約聖書
動機
なぜ旧約聖書と新約聖書を調べたかというと、旧約聖書と新約聖書の2つに分かれているが、2つに分ける意味はなんなのか?1つにまとめても良くないか?という理由で調べていきました。
①聖書とは何か?
聖書とは旧約聖書39巻、新約聖書27巻からなる66巻の書物の集合体。
旧約聖書はヘブライ語、新約聖書はギリシア語で書かれている。
②旧約聖書&新約聖書の概要
旧約聖書は紀元90年頃に成立、ヤムニアの地にイスラエル人学者が集いヘブライ語で書かれた39書を集めて定められた。
新約聖書は紀元50年頃に成立、教会における伝道活動を支援する目的でまとめられた。
旧約聖書の主なストーリー
天地創造
アブラハムの旅
モーセの十戒
ダビデ、ソロモンの王国
旧約聖書→ユダヤ教の聖典として誕生する。
*ユダヤ人によって信仰される民族宗教。キリスト&イスラム教にも影響を与える。(歴史書的)
新約聖書の主なストーリー
イエスの伝道
イエスの処刑
弟子たちの活躍
ヨハネの黙示録
新約聖書→キリスト教のみの聖典、(宗教的)
約→神様との契約を意味している。
つまり聖書には神様との古い契約と新しい契約の2つがある。
③旧約聖書と新約聖書の特徴
旧約聖書
①イスラエルの民のみを救済の対象にする。
②神に忠実な者には恩恵を与え、忠実でない者には罰を与える。
契約の背景
①神はエジプトで奴隷として苦しんでいたイスラエルの民を、約束の地カナンに導いた。
②その途中にシナイ山で指導者であるモーセを通し、民に律法を授けた。
③イスラエルの民は、神によって選ばれた恵みをうける代わりに、唯一絶対の神を敬い、律法を守る義務を持つという契約を結んだ。
*ここで過越祭が生まれる
過越祭の起源
出エジプトの際、王のファラオはイスラエルの民の出国を認めず重労働を課した。そこで神はエジプトを10の災いによって襲わせる。
10番目の災いは夜中にエジプト中全ての初子を殺すというものだったが、モーセの命で目印として戸口に子羊の血を塗っていたイスラエルの体の家にはそのうずが及ばなかった。
そして死の使いがイスラエル人の家を過越していったのが過越祭の由来
祭の内容
ヘブライ語でペサンと呼ばれるユダヤ教三大祭の1つ
ユダヤ歴の3〜4月に始まり1週間続く。
過越祭の最初の日はセデルと呼ばれる聖餐が催されます。
食卓には、昔にエルサレム神殿で犠牲として捧げられたとされる子羊、エジプトでの苦難の象徴である西洋わさびやレタスなどの苦苗、イスラエル人の流浪の象徴である酵母なしのパンなどが並んでいる。
セデルの際にはハガダーと呼ばれるイスラエルの民の出エジプトに関する物語を朗誦して先祖が奴隷の身分から解放されたことを記念している。
セデルは過越祭の最も重要な儀式であり、夜半まで続く。
新約聖書
①キリスト教を信じる全ての人々を救いの対象にする。
②忠実でないものにも愛と許しを与える。
契約の背景
④民は何度もその律法を破り、契約が損なわれてしまった。
⑤そこで神は、自身の子であるイエスをメシアとして地上に遣わした。
⑥しかしイスラエルの民はイエスをメシアとして認めない→十字架につけて処刑してしまった。
⑦イエスが十字架で流した血によって、人々の罪が贖われ、全人類を救いの対象とする新しい契約が結ばれた。
⑧この契約を(新約)とよび、ユダヤ教が信じる契約と区別した。
番外編 悪魔の起源
天使と悪魔
天使は神と人間の橋渡し役として聖書に登場している。
人間よりも上位の存在として創造された天使は、神に代わって人々の犠牲や祈りに応える重要な役割を果たしている。
これに対し絶対的な悪として捉えているのがヘブライ語に由来するサタン。
初期のユダヤ人にとっては神の力が全てであり、悪魔の概念は存在しなかった。
なぜ悪魔の概念が生まれた?
ユダヤ人をバビロンから救い出したペルシア人の宗教には二元論が存在していた。
二元論は世界を善と悪の2つの価値対立で捉えていく思想。
ユダヤ人はこの考えに影響を受けた。ユダヤ人は神に叛逆した天使を悪魔とした。
④旧約聖書と新約聖書の関係性
旧約聖書と新約聖書の関係性を象徴する出来事が2つあります。
1つ目 山上の説教
山上の説教とは? ガリラヤ湖畔の丘の上で教えを解いていたイエスは集まってきた群衆を前に山上の説教という教えを述べた。
イエスに祝福されるものを示した幸いの教えと神の国の福音にふさわしい生き方を示した教え。
幸いの教えは(心の貧しき人々は幸いである、神の国はあなた方のものであるから始まる。
悲しむ者
柔和な者
正義を求める者
憐れみ深い者
心の清い者
平和を求める者
正義のために迫害される者
特徴的なのは貧しい人々への共感
旧約聖書の預言を発展させた革命的な教え
この教えの後にイエスは神の国の福音にふさわしい生き方とは何かを述べた。
これらの教えは従来のユダヤ教の教えを徹底化し、それをイエス独自のメッセージに転換させたもの。
具体例
①殺すなかれ→他人を恨んだり蔑んだりするものも心の中で殺人を犯している。
②目には目を→右の頬を打たれたら左の頬を撃たれる。
③隣人を愛し、敵を憎め→敵を愛し迫害するものために祈るよう教えます。
2つ目 ヘブライ人への手紙9章
ここでは信仰の大切さを説いている
信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認すること。
信仰ゆえに神に認められる。
具体例
①アベルはカインより優れた生贄を神に捧げ、その信仰によって正しいものであると証明された。
②エノクは死を経験しないように、天に移された。
なぜなら移される前に神に喜ばれていたことが証明されていたから。
信仰がなければ神に喜ばれることはできない。
神に近づくものは、神が存在しておられること、また、神はご自分を求めるものたちに報いてくださる方であることを信じていなければならない。
③信仰によってノアはまだ見ていない事柄について神のお告げを受けたとき、恐れかしこみながら、自分の家族を救うために箱舟を作り、その信仰によって世界に罪を定め、また信仰に基づく義を受け継ぐものとなった。
④アブラハムは信仰によって、自分が受け継ぐ土地を出て行くように召された時、これに従い、行く先を知らずに出ていきました。信仰によってアブラハムは他国人として約束の地に寄留し、同じ約束を共に受け継ぐイサク、ヤコブと共に幕屋に住んだ。
これらの人たちは信仰を抱いて死んだ。
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