藤田奈々子騎手の引退について
JRAの女性騎手・藤田菜七子(27)が、10月11日、8年半の騎手人生に幕を下ろしました。
16年ぶりに誕生したJRA女性ジョッキーとして注目を集め、2019年のフェブラリーSではJRA女性騎手として初めてG1に騎乗するなど、競馬界の広告塔として活躍してきましたが、自ら引退の道を選択しました。
事の発端は9日付の「文春オンライン」の報道で、調整ルーム内で複数回、藤田のスマートフォンの不適切利用があったと報じられると、翌10日にはJRAが調整ルーム居室内への通信機器持ち込みによる騎乗停止処分を発表され、11日から裁定委員会の議定があるまで藤田騎手は騎乗停止となりました。
藤田騎手の師匠である根本康弘師は、「菜七子は泣きながら引退届を書いていた」と明かし、「(昨年5月の)若手騎手6人のスマホの件の時、菜七子は以前に、そういう通信機器を使っていたことをJRAに自ら報告をしている。そして、その際に口頭で厳重注意を受けている。それが週刊誌の報道で、また処分を受ける形となってしまった」と語っていましたが、当時は若手騎手の中で規律を守った事で藤田騎手の株が上がりましたが、今回の報道で大きなイメージダウンとなりました。
当時、藤田騎手は自らスマホを使用したことを報告し、非公表で厳重注意を受けていましたが、今回も処分されるのは二重処罰になると主張していましたが、JRAが9日夕方に藤田本人と連絡を取り、文春の報道を受けた聞き取り調査で通信機器の使用の有無について事情聴取をしたところ、「他者との通信」を認めたため、当時の報告内容『ツイッターとYouTubeの閲覧』と内容が異なったためにJRAは虚偽申告と判断し、処分対象となりました。
藤田騎手は今年7月にJRA職員との結婚を発表したばかりで、「結婚の時に“引退”は全く頭をよぎりませんでした。ジョッキーとして成し遂げていないことがたくさんあります。結婚を機に一層、競馬に精進したい」と話しており、結婚後も「藤田」の登録名で現役を続行して根本師と二人三脚でG1制覇を目指していましたが、わずか3カ月後の電撃引退となりました。