メンヘラ女子を僕は馬鹿にできない
メンヘラという言葉がある。これはメンタルがヘラヘラな人という言葉を略したものである。つまり、ちょっとやそっとのことでいちいちしょげて、心を病み、病みツイートをしたり、ヒステリックを起こしたり、しまいにはリストカットという、手首の脈をハサミで切って快感を感じようとしてしまうような人のことだ。そういった女の子を馬鹿にする俗語のような位置でメンヘラという言葉が使われている。男友達同士で誰か1人の女の子を話題にして話をする時、そいつはメンヘラらしいよみたいな事をよく聞く。すると、へぇーそうなんだとなったり、その子のメンヘラ性が意外だったりすると盛り上がったりもする。しかし、僕はそういう話を聞いた時、全然笑えないのだ。なぜか、そう、それは自分もそうだからだ。自分もメンヘラだからだ。リストカットって、どんなに気持ちいいんだろうかなんて思った事は何度かある。その度に、リストカットがメンヘラの代名詞である事、それを見られると間違いなく男友達に馬鹿にされる事などを思い浮かべては、その思いを抑えて、別のものに発散させていた。どんなものに発散させてたかは日によってマチマチだけども。しかしながら、ちょっとズレるけれど、マカロニ鉛筆のヤングアダルトのサビの歌詞は良いよなぁ。〜夜を超えるための歌が死なないように、手首からもう涙がこぼれないように〜。若者ならおそらく誰もがこの手首からの涙はリストカットで流した血を表しているんだろうなって事くらい分かるだろうが、にしてもこの表現は良い。このリストカットは、当然何か辛い事があるからやっている事であるが、あまりにもメンヘラの代名詞として使われたため、メンヘラと聞くとネタっぽい印象を受けてしまい、辛い事という認識が薄まっていたからだ。あーあれって手首からの涙だよなぁーって小さな事だけど思い直した男も多いはず。そういえば、筋トレがこういう理由でいいですよぉ〜という言葉をTwitterで発信してたら、バズって本にまでしたマッチョの社長の名言にこんなものがある。精神を病んだ時は、手首を切るのではなくて、筋肉の繊維を切りなさいというもの。つまり、辛い時こそ筋トレをしようという事。普通辛い時にはさらに辛い筋トレをしようだなんて発想には中々ならないのだか。しかしその名言は単なるうざったらしい啓発文句ではなく、実際にアカデミックな場所で支持されたものらしい。どうやら筋トレとメンタルヘルスは繋がっていて、筋トレをした人はえてして皆メンタルが安定し、些細な事で思い詰めるほど悩まなくなったと、明るく前を向いて生きれるようになったと答えたらしい。この名言はまぁ、本当にムキムキで、社長で、本もパン!と出して、全メッセージが自分を信じ切っているという、メンヘラ女の気持ちなんて一ミリもわからなさそうな人だから言える言葉なだけだとも思う。ちゃんと立証されちゃっているとはいえ、辛い時の対処法は普通逆だからだ。体に悪いジャンクフードや、酒、タバコや、金や脳に悪いパチンコ、目や脳に悪いゲーム、エンタメの長時間の見過ぎで寝不足などなどに行くのが俺の場合そうなんだけれど。しかし、実際筋トレをちょくちょくやり出すと確かにメンタルは調子いいのがなんとなく分かる。話は元に戻って、男友達の間で、メンヘラ女の話題が上がる度に、いやぁーおれもそのメンヘラ女の要素持ってるんだけどなぁとか思っていた。そうすると、いやその子の事は俺は馬鹿にできないなぁとも思いつつ、けどその場では一応ヘラヘラしておいたりもした。メンヘラじゃない男は思う存分そういう女を馬鹿にすれば良いと思う。それは単純にそっちの方が人間として自然だからだ。笑いというのは人の上に立つ事で相手をけなしてとるもんである。だから芸人の舞台はお客さんよりも高い位置に設定されてある。客席と同じ高さの舞台に立った事があるという芸人さんは、こんなにもウケが違うものか!と驚いたそうだ。そのくらい笑いにとっては人の上に立つという事は大事である。そして、漫才が唯一、人の上に立ち馬鹿にして笑いにしても許される場所だから、漫才の舞台をサンクチュアリーだと、聖域だという芸人さんは多い。普段生活していて、人の上に立ちいじって笑いにするのは、うわこいつ嫌な人だと思われるリスクがあってなかなか出来ないからだろう。でも芸事として、showとして金を払って観に来てるお客さんの前なら、許される。だから、芸人さんにとって、舞台は聖域なのだろうなと思う。
気づいたらお笑いの話になっていたが、やはり私はメンヘラな人を馬鹿にできない。自分も思い悩んでメンヘラになった事が度々あるからだ。だから、メンヘラの気持ちが痛いほど分かる。そういう男ってモテるのかね?結局メンタルカウンセラーみたいに扱われて、でも結局そいつには彼氏がいて、僕はただただ善意の人助けをしちゃってるだけになることが多いので、叶わない恋が多い。いつになったら普通の恋愛が出来るようになるのだろうか、まだまだ遠い未来に期待するしかないのかな。