「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」公開日が発表になり、毎日ワクワクして過ごしている方も多いかと思います。
そんななか、相変わらず日々英語版 HAIKYU!! で内容を復習しています。
というか、私にとっては予習に入りました。アニメから「ハイキュー!!」に入ったからです。いまちょうど音駒戦です。
それはさておき。
本日は「コートチェンジ」「チェンジコート」について考えてみたいと思います。
「チェンジコート」「コートチェンジ」
これ、よく聞きますよね。先ごろのバレーボールワールドカップをテレビ観戦されていたみなさんも、おそらく耳にしていたことでしょう。
コトバンクには下記の2つの辞典からの定義が掲載されています。
JTサンダーズ広島のウェブサイトから
日本バレーボール協会はルールブックをウェブ上に公開していないので、JTサンダーズ広島のサイト内の「バレーボールの基礎知識 1.試合進行編 Q. コートチェンジって何?」から解説文をお借りします。
Haikyu!!におけるコートチェンジ
稲荷崎戦3セット目のことです。
COURT SIDE SWITCH と四角で囲んだ文字で示され、実況のセリフが入ります。
英語版はすべて大文字で書かれているのですが、読みやすいように普通に書きます。
ここを読んだとき「なるほどね」と思いました。
court を change するのではなく、ネットをはさんでコートのそれぞれのチームがいるサイドを交換すると。たしかにね。
court を change するとしたら、コートの材質を変えるとか、なにかコート自身に変化をもたらすことになる。そんなこと試合中にしませんね。
でも court を複数形にして change courts ならありえると思いました。
つまりプレイしているコートから別のコートに移動するならば。
たとえば使用中のコートになにか問題が出てきて(雨漏りしてきたとか)、隣のコートに移動して試合を続けるというように。
列車の乗り換えも change trains というように trains は複数ですよね。
そして私は例によって、ルールブックを確認したのです。
FIVB Official Volleyball Rules
国際バレーボール連盟(FIVB)のサイトでルールブックをダウンロードして確認したのが上記の記述です。
change courts を使っているではありませんか。
そう、courts と複数形になっていますよ。
ただし、私が想像した事情から複数形 courts を使用しているわけではありません。
USA Volleyball Indoor Rules Book
国際バレーボール連盟の名称はなぜかフランス語のようなので(Fédération Internationale de Volleyball)、もしかしてフランス語に引きずられてこうなっているのかと疑問に思い、アメリカのバレーボール連盟のサイトも確認しました。
内容は基本的にFIVBのルールブックと同じで、ところどころアメリカの連盟(USAV)による補足のような文章が入っているのです。
小見出しは国際連盟の公式ルールブックと同じで '18.2 Change Of Courts' 、つまり court の複数形 courts が使用されています。
ただし、文章の中に court を単数形で使用した 'their respective side of the court' とか 'only one side of the court' といった表現も見えます。「コートのそれぞれの側」「コートの片側のみ」ということでしょう。
a court の指す範囲
こんなに書いて何を言いたいかというと、 a court が指す範囲はどこですかという疑問なのです。
ネットをはさんだ両チームの陣地を含めた、試合に使う面全体なのか(ルールブックに a/the playing court という表現が出てきます)、
それともネットの片側のみを指すのか、
どっちなの? という疑問が出てきます。
USA Volleyball の表現なら、ネットをはさんだコートの片側をさすのは a side of the courtです。そうなると a court はプレーする面全体でしょう。
これに対して change courts という表現を使うのなら、その単数形 a court がコートの片側を指すことになります。
そうです。前回の「ゲームセット」「マッチポイント」と同様、いろいろ調べた挙げ句、モヤモヤが残ることになったのです。
ふたたびFIVBのルールブックから
ルールブックの冒頭にバレーという競技の特徴が下記のように記述されています。(太字は筆者によるものです。)
コート全体も指していますし( a/the playing court)、ネットを挟んだコートの片側も指しています( the opponent's court)。
Oxford English Dictionary による court の定義
Web版のOxford English Dictionary で court の項目を見ても、ネットを挟んだコートの片側のみを指して a court とする定義はありませんでした。
ただし特定の部分を指す frontcourt のような使い方はあるとあります。この用法が opponent's court にあたるでしょうか。
疲れました…
まあ、日本語だって、たとえば「洗濯もの」は洗濯する前のものも洗濯した後のものも指すというように、似ているけど厳密には別のことに同じ言葉を使っているものってありますよね。
「もう一回がない試合だ 研磨!!」
最後に、劇場版予告映像での日向のセリフ
「もう一回がない試合だ 研磨!!」
の箇所だと思われる Haikyu!! Volume 33 から下記のセリフを引用してこの記事を締めたいと思います。ここも読みやすいように、大文字ではなく普通に書きます。劇場版公式サイトのURLをはりますので、ぜひ映像もご確認ください。
Here it is! We get our "Instant Game Over" game . . . KENMA!!