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多摩川の生き物とヒト その167 水系 川崎市右岸各所護岸工事の下見23/10/17

川崎市右岸、河原町付近のマンション群。

以前、下見に行ったこともある川崎市の旧明治製糖前の緊急用船着き場横と、六郷橋上流、そして、2つの工事に伴うコンクリートブロックの製作場所と、左岸の六郷橋下流のしゅんせつ工事が行われると言う事で、この3か所の工事の下見に行った。
JR川崎駅を降りる。日差しは強いが、心地よくなっている。少し、人が少ない西口から線路沿いに行くと、多摩川に当たる。目の前の道路は往来が激しく、横断歩道もないので、川の上流へと遡っていく。駅前からの道と合わさった所に横断歩道橋があり、渡り切った所が多摩川だった。

対岸の大田区側を見る。樹木の伐採が始まった。少し、高くなっている所は削り取る予定。
このアシ原もしゅんせつ工事により、削り取られる予定。
川崎市旧明治製糖前護岸から上流の場所。このテトラポットを
取り除いて、新しく、護岸の続きを作る。
テトラポット近くの護岸にいたカニ。


クロベンケイガニと思う。
護岸近くにあったオオバアメリカアサガオ。花も葉も大きい。繁殖力が強い。ヤブを覆てしまう。
カンナの群落。誰かが植えた物。

工事予定現場のすぐ近くに来た。以前、作った護岸の続きの工事だった。オオバアメリカアサガオやカンナが咲き、いかにも、都市の中の植物という感じ。テトラポットで護岸を覆ている。このブロックを取り払い、コンクリートで護岸を作るつもりである。テトラポットを渡り、ぐるりと一周すると、カニ(SP)が護岸の土の中にいた。巣穴もかなりある。隣のコンクリート護岸の前には黒く、大きな蛇篭があり、ここにもカニ達がいた。
工事の前に、カニ達の救出を訴えるつもりである。
東海道線をくぐり、高さが低い、京急線の鉄橋を文字通り、くぐる。近くの水門にはラセイタソウがあった。

東海道本線の鉄橋。すでに、採掘に使う船の航行のためか、川の中に印がある。
大きな船も通る。
ラセイタソウ。葉のしわの感じがラセイタ(ごわごわの生地)に似ている事から。
ヤナギの萌芽。流された枝からも新芽が出る。


六郷橋下流の工事予定地。テトラポットを除き、新しく、護岸を作る。
テトラポット付近にいたボラの群れ。


大きな群れを作っていた。


堤防の斜面にはヤハズソウに絡まる、アメリカネナシカズラがあった。
京浜急行大師線、六郷橋付近。急カーブが続く。制限25km/hとなっている。
古い護岸の上から、さらに厚みを増すため、かさ上げ工事を行っている。
この護岸工事に関して、私は既成の土を保存し、この土を活用して欲しい旨を要望した。果たして、どうなったのか。
護岸を重機が通る。当たり前の光景になってしまった。
工事現場近くにあったヒイラギモクセイの花。ヒイラギとギンモクセイの交雑種。冬はヒイラギなどのモクセイ科の花が多く、咲く。
道の分かれ目にあった道祖神。
対岸の大田区のアシ原。
アシ原を切り開き、しゅんせつする工事が始まっている。
アシ原が切り開かれた。ゴイサギなどがえさを取っているので、まだ、しゅんせつはしていない。

次の六郷橋上流の護岸工事も、昨年(2022年)出来た護岸の続きだった。ここも既成のコンクリート護岸をつなぎ、また、川には石が無く、生き物の影響はなさそうだった。ただ、もう少し、下流の六郷橋のたもとに来ると、岩場があり、フジツボなどがいて、大切な生き物の栖になっている。これから、護岸工事は何回か分けて行われるのだろう。この岩場がある場所が工事対象になったら、保全を訴えていきたい。
六郷橋をくぐる。以前、意見書を出した堤防の法面(のりめん)の工事のため、堤防横の道路へと迂回する。港町駅付近のマンション群前で堤防に戻る。目の前では、アシ原が切り開かれた対岸が見える。ゴイサギがえさをついばんでいるので、しゅんせつ工事はまだのようだった。こらから、上流に向けてさらに、アシ原が切り開かれていく。干潟などはどうなるのか。また、洪水が起きた時、堤防までは遮るものは無くなった。どうなってしまうのか。生物の変化の調査を行って欲しいと訴えるつもりである

味の素工場近くの川崎河港水門のコウキヤガラ。
干潟などに生える。
味の素工場の裏の水門近くで。大きなヤナギが生えている。
アキノノゲシ。
美しいノゲシの花。
ブタナが実を着けている。
工場に植えられているマテバシイ。タイサンボクなども植えられている。
河川敷に一面に広がるセイタカアワダチソウ。
味の素第1排水口近くの花壇。誰が、何のために。花の栽培だろうが。
味の素工場近くの作ったコンクリートブロックを置いておく所。

味の素工場裏門近くの川崎河港水門に着く。水門のたもとにウキヤガラみたいのがあった。尺八の音色も聞こえて来る、のどかな様子。
セイバンモロコシがたなびく中、歩く。工場の敷地に植えられているマテバシイのドングリが落ちている。グラウンドの中の花壇は相変わらず。手入れが行き届いているので、スイフヨウなどがよく咲いている。
干潟館前のアシ原に着く。ここは以前にもコンクリートブロックを作った所。ホウキギクが咲いている中、珍しい植物は無いか、捜したがないけれども、良い草原になっている。また工事で、踏みつけられるが、工事終了後は元の植生に戻して欲しいと要請するつもりである。

干潟館の前の草原
セイバンモロコシなどが生える草原になっている。
手前はセイタカアワダチソウなどが生えている。
干潟館前の草原とは反対側の水門近くのブロック製作所。
川辺にはネズミモチなどが生えている。
護岸にはブロックなどがあるが、一部は干潟みたいになっている。
ヒロハホウキギク。
草原を構成している。
オオオイヌタデ。文字通り、背丈が高い。
チカラシバもあり、美しく、咲いていた。
コセンダングサなども生えている草原。キタテハが蜜を吸っていた。
メドハギもあった。


草原の横は船がつける水門になっている。ここで作ったコンクリートブロックは六郷橋上流の工事現場などへ船で運ばれていく。

最後に、大師橋下流のブロック製作現場へ。ここも予定だが、オオイネタデなどが生えていて、ここも工事終了後、植生の回復を図りたいところである。
大師橋の欄干ではイチジクとゴーヤが絡まっていた。面白い組み合わせだと思った。誰が植えたのだろうか。
今回は似たような護岸の続きの計画が多かった。

トノサマバッタ。暖かったので、飛んでいた。




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