多摩川の生き物とヒト その244 水系 迷走台風10号の影響と 府中工事の下見 ‘24/09/02
府中市側大丸用水堰撤去工事について下見に行く。以前にも別の工事で下見に行った所なので、あえて行く必要もないが、現場が変化としているかと、また台風10号の影響も見たくて出かける。
羽村市の間坂を下る。根がらみ前の田んぼではヒマワリはすでに終わり、稲穂が垂れている。
羽村取水堰上流では中洲が見えなくなっていた。堰も投げ渡し堰の名の通り、真ん中を残し左右二つの堰が払われていた。
玉川上水を渡ると水かさが増え、多摩川へ逃がす水門からは勢いよく多摩川へ水が戻っている。多摩川の水はなぜか、白く濁っている。流れは魚道下から大きく右岸へ回りこみカワラノギクの生育地を削っている。水が引いたら見てみたい。
下流の羽村堰へ行くと、ここも水は勢い良く堰を越えている。上流にある中洲は完全に水没していた。羽村大橋より下流では水辺が岸辺近くまで来て、さらに一部が中洲を越え、ワンドが出来ていた。
永田橋上流ではカワラノギク保護区近くにあるポプラの手前まで水が来ていた。多摩橋上流でも大きく流れが二又に分かれ、右岸へ向かっていた。堤防工事により新しくできた川原には浸水していなかった。 多摩川中央公園に入り、堤防に上がると白い大きなキノコが大量に発生中。サクラ並木など、公園のあちらこちらにこの白いキノコが出ていた。 秋川と合流する昭和用水堰でも水がザッと流れ、白い霧が出来ていた。立川の八王子水再生センター排水口前では増水により、ヤナギなどの樹々がなぎ倒され、フトイなどの水辺の草達が完全に水の中だった。 残堀川でも中洲に生えていたオギなどの草が倒れていた。立日橋下流では堤内洪水を恐れて水門を開けていたが、洪水の可能性が無くなったのか、水門を閉めている途中だった。
迂回して甲州街道を渡っていたサイクリングロードが日野橋の下をくぐるようになった。ただ、途中でくの字になっている。なぜ、まっすぐにしなかったのか。日野橋上流の川原に生えていた樹や草は流され、石ころだらけの川原になり、さらに上流では根が洗い流され、根が出ていた。
石田大橋で小休止ののち、移動。土手では草刈りが始まっていた。せっかく出てきたツルボなども刈り払われていく。強い向かい風の中、京王線陸橋をくぐると、右岸へ瀬替えした中洲は増水して石が積もり、わからなくなっていた。この左岸側をとうとうと水が流れている。
レンリソウ保護区手前から小段へと降りる。小段ではススキなどが茂り、歩いている人がいないのか、春先歩いた道がない。例により、ヤブをかき分け、ブロック製作ヤード脇を通る。新しくできた護岸とその河川敷にケイヌビエ、セイバンモロコシなどが群落を作っていた。セイバンモロコシが終わると、ケイヌビエの群落となっていた。植生が戻りつつある河川敷からバーベキュ場に出る。大丸用水堰近くの中洲では流れが右岸に流れ、府中市側には流れが無くなっていた。
大丸用水堰撤去に伴う伐採されるエノキなどを見る。已むを得ないのか。排水口を回り、きれいな人工芝のサッカー場脇の小道を進む。段差がある所に生えているオニグルミも伐採の対象。川原に作ったままの白く目立つ工事用道路を進む。途中にはカワラケツメイなどは無かったが、メドハギなどが生えている良好な草原。この草原に図面では重機仮置き場を作る計画だが、他に出来ないか要望するつもり。
南武線橋梁をくぐり、工事用道路を進む。道を直角に曲がり、カワラケツメイなどはないかと捜すも無し。府中市の公園予定地にはオオブタクサなどに覆われている。排水口と是政橋にはさまれたオギ原は広く、ここを残し、府中市側を大きく削るように要望した。
帰りは追い風になっていたが、さほどスピードが乗らない。帰りに寄ったスーパーで車止めに乗り上げたが、うまく腰を浮かし、自転車、ヒトともども難を逃れた。例により、牛乳やヨーグルトなどが入ったバックを抱えて帰った。