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多摩川の生き物とヒト その229 水系 カワラノギクプロジェクトと     府中市工事の下見      ‘24/6/22

晴れてしまった。国交省10名、福生市3名、明大5名、市民約10名の参加者。内容は除草。東京都福生市柳山公園に集合後、永田橋を渡り、橋のたもとから川へ降り、オギ原の中を進む。事前に自然環境アカデミーの方が道沿いの草を刈ってあるので、楽だった。しかも、道を横切る小川も途中までしっかりとした梯子上の鉄製の橋になり、渡り易かった。
集合地点のD工区まで歩く。保護区よりも下流に生えているカワラノギクもある。ニュキ、ニュキと何やらヒマラヤの麓みたい風景がある。よく見たら、ビロードモウズイカの群落だった。保護区の手前で今日の作業の流れや注意などのレクチャー。鎌で前回、けがをした人がいたそうだ。事務作業が中心などのため、鎌などの扱いには慣れていないと思う。
目の前のD工区は草がさほど生えていなくて、洪水の時に草などが流れてしまうと思われる。そこで、除草せず、草が繁茂しているE工区や上流のC工区で除草を行う。

D工区の近くなどで繁茂するビロードモウズイカ。毛触りは良いが、ナガミヒナゲシみたいな小さな種を着ける。
C工区への入り口。出ているのは誰かのお尻。
C工区付近に繁茂しているビロードモウズイカ。ゴマノハグサ科。
永田橋から下流を見る。橋は多摩橋。カワラノギクが広がっていかないかと思う。

休憩後、草がさらに生い茂っているB工区へヒトを投入する。ヨモギツルヨシクズなどの間にノギクが生えている状態。オギを刈る時、一緒に刈られたノギクがあった。もう少し、細かく行っていきたいと思う。
D工区近辺に生えているモウズイカはまだまだ。種子の散布量が半端ではないので、除草しないとはびこる。草刈りの対象を明確にした方が良いだろう。
昔は市民の方が多かったが、今回は行政の方が多く、行政主体の感もある。環境を大切にする名目で行政が様変わりしたのだろうか。期待したほど、暑くならなかったが、良い汗をかいた。
午前中にカワラノギクの除草は終わり、次の稲城市の現場を目指す。明治大学の倉本さんが「調査は体力を使う、体育会みたいだ。」と言っていたが、その通りだと思う。冬の最上川で雪を掘り、ムシを探し続け、膝が凍傷になったもの、交通費などを節約するために近くの駅までを10km以上も歩いたもの、高尾で発電機に使うガソリンが無い事に気付き、また、下山し、買って登ったもの、などなど、調査者達の武勇伝には事欠かない

是政橋から上流を見る。橋は南武線。広大なオギ原が広がる。
河川敷と中洲の間に伏流水などが流れる。
南武線の間には河原が広がる。ゆっくりと見てみたい。
南多摩近くの崖はコンクリートで被われた。
テントウムシと。稲城市のベンチで。

是政橋で右岸に転線。ノカンゾウなどが咲きだし、初夏の装い。現場近くの木の下で昼食。オレンジ色のテントウムシも一緒だった。多摩河原橋へ向かう。途中の小段はガガイモなどが多く生えている素敵な場所。
橋から工事現場までの進入路には特に目立つ植物は無し。工事予定地に着くが、目の前にはオギ原が広がっている。川辺に入れる所を探す。護岸が切れている所があり、ここから川辺を目指す。踏み跡があり、くぼ地にはヒメジョオンなどが見えた。ヤナギなどが点在するオギ原を越えたら、川原だった。この辺が工事予定地。カワラニガナなどが生えていないか、予定地を探し歩く。ビロードモウズイカの群落があるだけで貴重種は無かった。戻る時、端にカワラケツメイが発芽していた。この個体の保存を訴えていきたい。

小段を彩るハルシャギク。北アメリカ原産。
コスモスを黄色くしたような花。ジャノメソウとも言う。
ヤブカンゾウ。やっと、なじみ始めたワスレグサ科。中国のホンカンゾウが渡来したと考えられる。いわゆる史前帰化植物。
ガガイモ。種が待ち遠しい。キョウチクトウ科。
この付近が工事予定地。
ハリエンジュやヤナギなどが点在している。ここが工事予定地。
川辺への入り口。オオキンケイギクなどが生える砂地になっている。
工事予定地。川原になっている。
オオキンケイギクやメドハギなどが生えている。
福生みたいにビロードモウズイカが群生している。モウズイカは道路の端や川原などの荒れ地を好む。
カワラケツメイもあった。

他に目立つ植物がないので、稲城大橋から続く林に出て、大橋から転線し、左岸へ。
大丸用水堰の右岸側では撤去工事はすでに終了していて、流れが右岸へ偏っている。中央の中洲では府中市側の一部が干上がっている。このため、中洲への立ち入りなどの影響が出ているが、さらに入らなければと危惧する。
家まで68,78kmを走り、少々疲れた。
生物の調査は体力勝負という事を実感した一日だった。

稲城市のハリエンジュ林。イボタノキなども茂り、心地よい林になっている。
稲城大橋から上流を見る。
川は緩やかに蛇行している。
左岸の府中市を見る。黄色いのはオオキンケイギクの跡。河口から30㎞。
大丸用水堰。対岸の多摩市側はすでに撤去。流れが右岸に偏っているので、府中市側は流れが少ない。河口から32㎞。
大丸用水堰上の中洲。水量が少なくなったので、府中市側から歩いて渡れるようになった。


レンリソウの保護区。今はノカンゾウが咲いている。河口から33㎞。
ヤブカンゾウに対し、こちらは一重。
対岸の多摩市関戸付近を見る。35㎞。
日野市日野橋。橋架け替え中。40㎞。
これから、堤防を閉め切る。
昭和用水堰。水しぶきが上がっている。46㎞。羽村まであと7kmある。まわりに丘陵などが見えてくる。

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