多摩川の生き物とヒト その264 水系 慰霊の登山 ‘24/11/13
OSさんが秩父で亡くられてから早3年。今日は命日。今年も秩父の奥、三峰神社入り口の秩父湖よりも先の入川方面へ慰霊の登山をする。
寒いだろうと思い、手袋やニット帽子などを用意したが、意外に暖かい。でも、遭難現場へ向かう林道わきのイロハカエデなどは紅葉し、水面に映っている。寒さは草木には届いている。
小さな川にかかる林道の橋の欄干には森林鉄道のレールが使われていた。毎年、通っているが、気づかなかった。
林道を歩いていると、下って来た方と出会う。赤沢のつり橋まで行こうとしたが、たどり着けなかったようだ。私達と同じ、年配の方で自由人だった。
林道と別れ、森林軌道跡を進む。途中にはシオジやカツラの巨木がある。カツラはすでに葉を落とし、しょうゆみたいな匂いを漂わせている。シオジは道に葉を落としている最中だった。
崖があり、水が岩の間から流れている。ここの荒川源流域は水が多い。こんな山奥にも堰を作り、水を下流の発電所へと導水管で流し込む取水口を過ぎ、一部が崩れた所を越えたら遭難場所に近い赤沢の出会いだった。
カツラと思っていたシオジの祠にカワラノギクと似たOSさんからいただいたホソバコンギクを手向ける。好きなコーヒーを出し、線香が燃え尽きるまでと思ったが、山の夕暮れは早いので、失礼してから火を消す。
戻る途中、水が出ている沢を見たら、イワタバコがあり、根元には丸まったロゼットもあった。春や夏に来たらどんなに美しいのだろうか。「また来年も来るよ」と約束し、林道の出発点にある釣り場へと戻った。
帰りは秩父に写真を撮りに来た、またしても私達と同じような人を途中まで載せた。