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多摩川の生き物とヒト その193 水系 臨時カワラノギクプロジェクト23/12/23

予定していなかった臨時のカワラノギクプロジェクトが多摩川永田地区で行われた。参加者11名。内容は種積み。

暖冬の中、珍しく冷え込んだ。カキドオシに霜が降りている。
ヨモギに霜が降りている。
ハルジョオンにも、降りたが、日が当たれば、融ける。waiwaiさんの指摘により、ハルジョオンではなく、ハルジオン。紫苑から名が来ている。
永田地区にはカワラノギクの競争相手が多くいる。競争相手の一つ、ビロードモウズイカのロゼット。

永田橋を福生側から渡り、たもとから少し丈夫な板をかけ、渡りやすくなった小川を渡り、保護区へ。小道では霜が降り、カキドオシなどが白く輝ている。
保護区ではすでにカワラノギクの花は終わり、茶色の綿帽子みたいな実を着けている。奥のC工区に入り、一人1株5個の花を取り、これを2株、行う。つまり、10個、種子を採集する事になる。種子を取るだけなのだが、熟していない種子はなかなか、すっぽりと種子を結びつけている花庄から抜けてくれない。また、11人がいろいろな株から採取するので、多様性も保たれるのだろう。事実、種子の中で、赤っぽいのやら白いものもある

花が終わり、種子を着けたカワラノギク。
綿帽子みたいな種子を着け、風が吹いたりすると、飛んでいく。

単純な作業ながら3時間かかって、種子を採集した。1つの頭花に種子が250個ぐらい着くらしいとの事。10個集めたので、1人250×10=2500粒、さらに、11人居るので、2500×11=27500粒ぐらい集まったと推定。
2019年の台風19号の時、永田地区などで、個体が流されてしまった時、このように採取し、保存してあった種子をまいて、個体を回復させたそうである。この群落が無くなった時に使った種子は2016年に採ったもの。種子は3年以上の寿命がある事になる。
さらに、羽村で人工的に増やそうとするグループでは保存した種子を使い、畑に播種し、大きくなった株を川原に移植したが、うまくいかなかったそうである。
播種以外にも、小作取水堰下流の中洲では、老人会の方が種子毎、枝を刺し、中洲一面に増やした。増やすならば、ノギクの枝を挿した方が良いだろうとの声もあった。長年、研究している方から、「地味だが、この種子を積む作業が一番大切。」との声があった。 「洪水などで、株が流された場合、種子を保存していくのは保険として大切。」という研究者の声が響いた。

みんなで種子を採取する。

イギリスのキュ―植物園ではノアの箱舟のように、ミレニアム・シード・バンクという種子の保存施設があり、7万5千種も種子を保存している。
日本ではそこまで手が回っていないだろう。これから、研究者や大学などが利用しやすい保存設備を作っていくことが大切だろう。
このような地味な設備や研究にお金を使わない日本では、保存施設は難しいし、できないだろう。

明治大学が高校生のための研究を行っている。どんな種が着くのかを調べている。
永田橋のたもとで。どんど焼きの準備をしている。

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