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【政治】自民党の変容と暴走の末に誕生した石破政権に期待したい...
安保法制の強行採決という暴挙
安保法制が強行採決された2015年は、私は地方議員になって4年目でした。市議会の第2回定例会発で発議案「平和安全法制の慎重な審議を求める意見書の提出について」に対する賛成討論行いましたが、その中で次のようなことを言っていました。
最後に、敢えて、これまで自民党を支えてきた皆さんに一言申し上げたいと思います。かつても、そして、今でも、自民党だから無条件に支持するという方が多いのではないでしょうか。そういう方の多くは、自民党の具体的な政策まできちんとは理解していないのではないでしょうか。それで良かった思います、かつては。お任せ民主主義でも良かったと思います、かつては。
自民党は、政策ではなく、地盤や血縁やお友達関係などで支えられてきたのです。こうした自民党の基盤が強固だった時代は、自民党は世論と乖離した政策は強行できなかったのです。だから、任せて安心だったのです。自民党の中にも宏池会のようなリベラルな派閥が保守本流として存在していたのです。
実は、自民党を政党として束ねていたのは、イデオロギーではなく、金の繋がりでした。だから、金権政治で批判されることはあってっも、憲法違反の戦争法案を強行採決するような暴挙はしなかったのです。
自民党を支持する皆さんは、そういう暴走はしないという暗黙の信頼を前提にしていたのです。確かに、自民党はそういう政党でした、かつては。
第二次安倍政権が誕生した2012年12月の衆院選で、自民党は大勝し、改選前の119議席から294議席となり、単独で絶対安定多数(269議席)を確保しました。しかし、自民党議員の過半数は当選2回以下、2/3は4回以下になりました。民主党政権の約3年の間に自民党の基盤が衰弱し、連続当選が難しくなっていたのです。
自民党の変容と暴走
彼らは基盤が脆弱なため、党の公認を取り消されると当選が覚束なくなるので、官邸の意向には逆らえないのです。派閥間の緊張関係も希薄になり、官邸に異を唱えるのは地盤が強固な非主流派の石破茂や村上誠一郎のような一握りの議員だけになりました。
かつての自民党のハト派保守本流の議員の多くは、自民党の外に出て行ったり、引退してしまい、タカ派保守傍流議員が自民党の主流派になってしまったのです。
こうして、自民党は、民意と極端に乖離した政策でも強行することができるように変容してしまったのです。驚くほど劣化してしまったのです。もはや、自民党に「お任せ」することはできなくなってしまったことを自民党を支持してきた皆さんには理解して頂きたいと思います。
戦後の自民党を支えてきたのは、有権者の暗黙の「信頼」でした。それを「白紙委任状」と誤解すれば、「王様は裸」であることが誰の目にも明らかになる日が、必ずや訪れるはずです。
今こそ、皆さんも変わらなければならないのです。
安倍首相が凶弾に倒れるという思いもよらない事件で「その日」は意外と早く訪れました。そして、石破茂が総理大臣になり、村上誠一郎も総務大臣になりました。なかなか苦しい船出のようですが、心ある国民が新しい自民党を本当の意味で支えていく必要があると思います。