鬼のパンツはいいパンツ
私の兄が幼少の頃、夜中に目が覚めてトイレに行って戻ってきたら、外が妙に明るく賑やかな事に気が付いたらしい。
なんだ?とベランダに面したガラス戸にかかるカーテンをそっとめくってみると、そこには色とりどりの鬼が視界一杯にひしめく光景が広がっていたそうな。
「鬼は本当に虎柄のパンツを履いてた」
と兄は可笑しそうに話を締めくくった。
正直それは夢と混同してるのでは?と現実的には思うが、鬼が押し合い圧し合いひしめく光景というのは想像するだに面白く、例え本当に夢だったとしてもそんな景色を観られた兄が羨ましい。