丸坊主になった話

23歳くらいの時、出家するという嘘をエイプリルフールのネタにするべく実際に頭を剃り上げた。

私は女ですが、人生で一回くらいやってみたかったんだ。

当時背中に腕を回せば指先が触れるくらいには伸ばしていた髪。
それを自分でハサミでザクザク切り、引いてる母を尻目に、こちらは乗り気の姉に剃刀を持たせて剃髪の儀・執行。

少し出血しましたが、見事な坊主が完成。
さっそく作務衣っぽい服に着替え、ウキウキと写真を撮り、友人に「出家します」と添えてメールを送信。

結果、友人家では「あいつに何があったんだ」と物議を醸したらしく、ネタのはずが盛大にスベりました。

さすがに会社に坊主出勤するわけにはいかないよな…とウィッグを買った店でも、話題のつもりで気軽に「今度坊主にするんですよ」と言ったら「ご病気ですか…？」とマジトーンで返されたので、元々そういうキャラだと認識されていない女がいきなり丸坊主にするというネタは結構ハードルが高いと理解しました。

あと手入れが楽だと安易に思った坊主でしたが、頭の皮脂が枕カバーなどにダイレクトに付着し大変なことになるとか、ウィッグで生活するって結構めんどい…なども学習する事になり、結果的には残念な感じのチャレンジに終わってしまいました。
人を笑わせるって簡単じゃない。

唯一、兄だけは大爆笑してくれたのが救い。
そんな若気の至りのお話でした。