プリキュア、気になってるんだよな~という方への『映画プリキュアオールスターズF』のすすめ
映画プリキュアオールスターズF、プリキュアミリしらの人にこそ見てほしい。
2023年9月15日、プリキュア20周年記念映画である『映画プリキュアオールスターズF』が公開された。
この記事を書いている時点で3回映画館に足を運んでいるが、本当に素晴らしい映画であまりの映画の持つ熱量に毎回白昼夢を見ているような感覚に襲われてしまう。それは私が約15年もの間プリキュアというコンテンツを推し続けてきたからこその万感の思いというのもあるが、同時に今までプリキュアを見たことがない人にもおすすめできるのではないか、と考えるようになった。
こんなことを書くと何言ってるんだあれはファン向けの映画だろとか歴代作品全て履修してこそ真価を発揮するとかいろんな声が聞こえてきそうではあるが実際私も鑑賞してかなりファン向けの作品であることは否定できないし、歴代作品を知っていた方が楽しめる部分は多いと感じた。
ただそれでも、1本の映画としての完成度、たった70分という尺に凝縮されたキャラクターの魅力、そして圧巻のバトルシーン、これらは製作陣が愛を持って作品作りに取り組んでくれたからこそ成せる神業であり、だからこそプリキュアを知らない方にも刺さる作品だ、と私は思う。
そうは言っても映画料金も2000円となり、全く知らない70分尺の子供向けアニメを見に行くというのは中々ハードルが高い行為ではあるだろう。
そこで、今回は映画プリキュアオールスターズFが何故プリキュアを知らない人にもおすすめできるのか、そしてより楽しむには何を履修すれば良いのか、この2点を書き記していこうと思う。
なお、物語の核心に触れるネタバレはしないものの大まかな流れやゲストキャラクターについては多少触れることになるのでまっ皿な状態で見たい、という方はブラウザバック推奨です(使い古された表現)
様々なキャラクターの魅力がふんだんに詰め込まれており、好きなキャラクター(気になるシリーズ)を見つけやすい
この作品はまず前半で歴代の選抜キャラ(流石に70分の尺で78人分を掘り下げることは難しいが故の判断と思われる)と映画のゲストキャラクターとの交流を描き、後半から全プリキュアのバトルシーンへと入っていくのだが、キャラクター一人一人が誰一人として解釈違いが発生せず、その上でキャラクターの個性がしっかり描写されているのだ。歴代のシリーズは監督も脚本家もバラバラであり、キャラのことを把握していないと何か違うといったケースに陥りがちなのだがそれをたった一人の脚本家(担当された方は過去のプリキュアシリーズの構成や、近年だとラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、推しの子の構成をしている田中仁氏)が手掛けているのだから本当に凄い。しかし私はただ単に脚本家の手腕が凄い、ということを言いたいわけではない。(実際に凄いのは確かではある)私が言いたいのは、
プリキュア、ほんっと~にいろんなキャラがいるんだよ
と言うことだ。百聞は一見に如かずなので公式アカウントがあげているこちらのショートPVを見てほしい。
・・・ってこれだけ見せられてもわけわかんねーよな。
ただこのPVからもわかるように見た目1つとってもこれだけ多様であり、内面もみんなを引っ張っていく子、大人しいけど優しい子、活発な子、大人っぽいけど子供らしい部分もある子、いろんなパーソナリティーを持ったキャラが、そのキャラらしいやり方でゲストキャラクターと向き合い、状況を打開していく様が余すことなく描かれていくのである。78人ものキャラクターがいるのだから、そこには78通りの人生がある(映画で掘り下げられるのはごく一部だがそれでもキャラ同士のやりとりや映像からも、個性を存分に感じることができる)。きっと映画館を出る頃には、推しや気になるキャラが一人や二人、できていてもおかしくはないだろう。そうなれば是非、シリーズを追ってみてほしいと思う。
ゲストキャラクター、キュアシュプリームの存在
この作品では、キュアシュプリームとプーカという2名がゲストキャラクターとして出てくる。
キュアシュプリームはPVでも初っぱなから凄まじいビームを放っており、強キャラ感とあまりプリキュアっぽくないキャラデザが上映前から話題を呼んでいたが、今作はこの2名が主役の物語と言ってもいいだろう。この2人、今作においてとても複雑な役割を担うキャラであり、下手に説明するとネタバレになってしまいそうではあるのだがこのシュプリームとプーカが「プリキュアとはなんなのか」を知る話なのである。所謂メタ的な立ち位置にいるようなキャラであり、特にシュプリームはプリキュアをあまり知らない人、外野から見ている人としてとることもできる。そう言った意味ではある種シュプリームに感情移入して見ることもできるのではないかと思う。プリキュアと触れ合っていく中で最終的にシュプリームとプーカはどのような結論に至るのか、是非映画館で確かめてみてほしい。(本当にネタバレギリギリで書いているので詳しいことが言えないジレンマ)あと辛うじて言えることがあるとすれば特撮ものとか人外が好きな人はかなり刺さるのではないかと個人的には思う。
さらに楽しむためには何を見ておけば良いのか
さて、ここで今まで読んでくださった読者の皆さまにお詫びがあります。今まで散々ミリしらでも楽しめる理由の述べてきましたが、
やっぱり知ってる作品多い方が楽しいです
ごめんなさい。1プリキュアオタクとして本当に知らない人にも楽しんでほしいという思いで記事を書いてきましたがこれどう足掻いても20周年記念映画なんです。だからこそ古のオタクほど刺さる部分は多いしファンサービス的な演出も山ほどある。特に後半とかもうわかってるよな?と言わんばかりの演出の数々で・・・
って言ったらブラウザバックされそうなのでここから先はミリしらだけどちょっとぐらい履修してやるかという方向けに最低限これだけ見ればもっと楽しめる、というシリーズをいくつかピックアップして紹介していこうと思う。ちなみにこれからあげていく見方はいかに効率良く見るかというものであり、直感で気になったシリーズを見たり面白ければ最終回まで見たり様々な見方があると思うのであくまで一例であるということを承知いただきたい。
①ひろがるスカイ!プリキュア 1~5話
視聴にかかる時間:約2時間
忙しい人や見るのがめんどくさい~って人は最低限これだけは見てほしい。というのもプリキュアというのは毎年秋映画があり(今回の映画プリキュアオールスターズFは実際はひろがるスカイ!プリキュア(以下ひろプリと称する)の秋映画にあたる)、オールスターズではあるものの、ひろプリのキャラクターがメインとなって動いていく場面が多い。そしてひろプリの人数は現状5人だが、特に初期メンバーのキュアスカイとキュアプリズムが中心となっているのでこの2人が揃う5話までは視聴してみても良いかもしれない(視聴にかかる時間も1本の映画ぐらいの時間しかないので)。
②ひろがるスカイ!プリキュア 1~5話
デリシャスパーティ♡プリキュア 1~18話
トロピカル〜ジュ!プリキュア 1~17話
視聴にかかる時間:約16時間
少し時間にゆとりがある方ならこの3作品をおすすめしたい。理由としてはまず主人公チーム(先ほど紹介したPVの一番最初のチーム)の選抜メンバーが全員この3作品から選ばれているからというのと、他チームの選抜メンバーもこの3作品出身のキャラが多いからである。あと何故こんな中途半端な話数なのかと言うとちょうどその期間中に追加戦士が登場し、劇中でもそのキャラクターにまつわるエピソードが出てくる場面もあるからだ。話数については私個人としてはここまで見たんならもう最終回まで突っ走ってほしいという気持ちも山々なのだが正直ここまで見ていれば問題ない、というギリギリの話数を提示しているのでなるべく早く見に行きたい方は上記の回まで見終われば映画館へと向かってほしい。
③(②であげた作品プラス)
ヒーリングっど♥プリキュア!1~42話or45話
スター☆トゥインクルプリキュア1~40話
視聴にかかる時間:約50時間(約2~3日)
さらに時間にゆとりがある方は②であげた作品にプラスしてこちらの2作品をおすすめしたい。こちらもやはりこの作品出身の選抜メンバーが多いからである。あと何故急に話数が増えたかと言うとこの2作品を見るなら最低ここまで経てから見に行ってほしいという思いがあるからである。具体的なことは言えないのだが劇中でのやりとりは上記の回を見ているのといないのとでは感じ方が違うと思われるからである(だんだんネタバレしないように話すのが苦しくなってきている)。あと今気が付いたのだがスター☆トゥインクルプリキュアからは1人しか選抜メンバーに選ばれていなかった。一応ショートPVの最後の緑髪のキャラクター(羽衣ララ)が気になれば見てみても良いと思う。
④初代(ふたりはプリキュア)~ハピネスチャージプリキュア!まで
視聴にかかる時間:約200時間(約1週間)
変化球として敢えてこの見方もおすすめしたい。今までのおすすめの見方を否定するようだが正直ここ10年の作品は見ていなくてもさほど問題はない(前半パートがほぼキャラ紹介的な役割も担っているから)。むしろ、初代からハピネスチャージプリキュア!までの10年間を知っているからこその感動もある。とはいえめちゃくちゃ時間がかかるので(時間的には1週間だけどたぶん2週間ぐらいかかると思う)直感的にこの10年間の作品の中から気になった作品を見ていくのもありだと思う。個人的に私がおすすめしたい作品は初代(ふたりはプリキュア)、フレッシュプリキュア!、ハートキャッチプリキュア!、ドキドキ!プリキュアの4作品である。
まとめ
映画プリキュアオールスターズFが何故プリキュアを知らない人にもおすすめできるのかという理由、そしてより楽しむには何を見ておけば良いのか、今回は大きくこの2点を紹介したのだがもうプリキュアという作品が気になっているのなら公開しているうちに早く見に行ってほしい、という気持ちでいっぱいだ。大人用のミラクルライト(毎年映画ではミラクルライトというお子様が貰える特典がある)もほぼ完売してしまったし物販も人気キャラのものは殆どなくなってしまったところも多いがそれだけこの作品が長い年月をかけて多くのファンを生み出してきた証でもあるし、この映画がきっかけでさらにプリキュアファンが増えてくれたら、それほど嬉しいことはない。
週末、4回目行こうかな・・・