植松死刑囚は問題だが、暴力は仕方ないと考える人たち

中井やまゆり園という神奈川県の知的障害者入所施設で、多数の職員が虐待に加担していることが判明した。

「人間扱いしていない」植松死刑囚と同じ体質だった、もう一つのやまゆり園 虐待疑いや不適切な対応が横行、職員76人が関与

結局、植松死刑囚はたまたまそうなっただけの話しであって、予備軍は少なからず居るのに違いないし、社会は止める気もないのだろう。

下記は、ヤフコメのコメントだ。

「自分の大便を天井に投げつける癖がある人」ってだけで、家族が自宅で一緒に生活するのには無理があることがわかる。
それを施設に入れたからって、施設の人はどう対応するんだろう?という素朴な疑問が。
そりゃ力ずくでってなりそうな気が。
家族から家でみるのは厳しいとされた人たちの受け皿になってきた訳ですから。
施設の対応云々よりも、こういう人達にどう対処するのか知っている専門家を置いたりするなど根本的な問題があると思う。施設の問題ではなく、家族もどうしていいか分からない、施設もどうしていいか分からない。日本社会の問題だと思う。
「人間扱いしていない」植松死刑囚と同じ体質だった、もう一つのやまゆり園 虐待疑いや不適切な対応が横行、職員76人が関与

このコメントに限らず、一定の条件が満たされると暴力は肯定されると考える人は少なからずいるようだ。しかも場合によっては死んでも問題ないと。

このような事例は、入管施設、精神科や警察施設でもしばしば見られる。

私には、プロとして働いてるにも関わらず殴られたら殴り返すという発想が理解できない。たしかに、大変だとは思うが、大変だから殴ってもいいし、死なせても良いことにはならない。

一方で、このような傾向を支えているのは、社会の風潮も挙げられる。

例えば、最近話題になった底辺の仕事ランキングなるランキングがそうだ。

底辺職の特徴について、(1)肉体労働である(2)誰でもできる仕事である(3)同じことの繰り返しであることが多い ---- と解説しており、デメリットについては、(1)平均年収が低い(2)結婚の時に苦労する(3)体力を消耗する ---- を挙げた。
就活情報サイト「底辺の職業ランキング」に批判殺到 12の職を羅列...運営会社は削除し「事実関係を確認する」
12種類の職業を平均年収とともに紹介しており、各職業が底辺職扱いされる理由について述べつつ、「社会にとって必要な仕事」「必須の職業」などと擁護した。ランキングは上から「土木・建設作業員」「警備スタッフ」「工場作業員」「倉庫作業員」「コンビニ店員」「清掃スタッフ」「トラック運転手」「ゴミ収集スタッフ」「飲食店スタッフ」「介護士」「保育士」「コールセンタースタッフ」だった。
同上

この中に、介護士や保育士が入っている。

さらに、前置きとして

記事の冒頭では「何を底辺職だと思うのかは人それぞれ」だとし、「一般的に底辺職と呼ばれている仕事は、社会を下から支えている仕事です。そのような方がいるからこそ、今の自分があるのだということには気づきましょう」
同上

と述べており、少なくとも、このランキングの作成者は、保育士や介護士を底辺だと思っているわけだ。

社会のためにやっているのに、差別されるのは心外だろう。施設で働く職員だけでなく、施設の入所者への差別にもつながることは想像に難くない。

現状の日本には、外部からも内部からもこのような問題を止める要素がないように思う。

一度、施設内でこのような問題が起きるとエスカレートしてしまうのに違いない。

つまり、植松死刑囚の予備軍はたくさんいると言わざるを得ないのではないか。

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