バツイチ子持ち男との結婚
あらすじ
バツイチ子持ちとの結婚は意外に多い。特にバツイチ男性となると、1度失敗しているという学習があるからか、その後の交際においてはかなり慎重になる。更に子どもが居るとなると、男性側の“DV”や“浮気”とは安易に考えられないし、結婚に対する理想もなくなり異性に対してガツガツしない。それが“大人の余裕”に見えて魅力的な存在として映ってしまう(以上全て私の個人的見解)そんなバツイチ子持ち男との結婚とはどんなものなのか。幸せ?それとも不幸せ?
私がバツイチ子持ちである今の夫と出会ったのは26年前、当時バイトで勤めていた会社だった。年に1回やって来る笑顔が素敵な宅配のお兄さんで、好きだったスポーツ選手に似ていたため、若くて無知な19歳の私は簡単に心を射抜かれてしまった。そしてなんと、出会った半年後に彼は従業員として我が社へ入社し、それを私は勝手に運命と思い込む。
彼が事務所に来るたびドキドキし、笑顔やポジティブな話題に癒やされていたが、色々話す中で離婚した事、子ども2人を育てるために実家の近くに引っ越して、我が社へ転職をしたことを知った。本人と話をする度に、人柄の良さが伝わり、どんどん好きになっていく私はどうにか関係を前進させたくなり、1年かかり気持ちを伝えることを決意した。結果はOK。『楽しくやっていきましょう』という返事に天にも登る気持ちだった。彼の口癖は『子ども2人を含めて俺という人間だから』会うときは常に子どもも一緒。いわゆるデートと言うものはした事がなかった。
そこから8年が経ち、私の妊娠をきっかけに、家族としてスタートすることとなった。彼の子は長男17歳♂と長女14歳♀になり、扱いも大変になった。
一緒に暮らすようになり現実が見え始める。誰もが靴を揃えない、戸は閉めない、電気・テレビは消さない…今まで見えなかったモノが、小さな事がまるで双眼鏡で覗いているかのように私の眼にはフォーカスされて映し出される。
2人目を出産する頃にはマンションに引っ越しており、長女は19歳になっていた。ギャル真っ盛り。2人目の子は、特に神経質でちょっとした事で目覚めてしまっていた。長女はまるでタイミングを見たかのように、夜中子どもを寝かしつけた時間帯に帰宅。『ガチャガチャ バタン ドタドタドタ』自身のモロー反射で泣く子。抱っこして揺らして眠らせる。そのうち部屋から大声で笑い声が聞こえる。もちろん子は起きて泣く。長女が起こす生活音全てに反応し、夜から朝までは子ども理由でなく大変だった。
長男は高校卒業後県外の大学へ進学、週1帰宅していたが、毎週洗濯物(下着)をどっさり持って帰ってきて、物干し竿がトランクスとTシャツで埋まることも多々あった。翌日には帰るため、誰のものより優先して洗濯をした…
よくよく考えると、付き合っている時から私は彼ら『3人でオレという人間』の為に“我慢”ばかりしていた。結婚してからも、自分や自分の娘を後回しにして我慢我慢我慢…
愚痴を言い始めるとキリがないし、覚悟したんだろうと言われればそれまでの事。だから、自分が選んだ道なのだと言い聞かせてきた。何よりも、私が産んだ2人の娘は兄姉が大好きだった。
そもそも、人と人が結婚し生活を共にすると、価値観の違いで必ずストレスは生じる。子持ちと結婚するとそのストレスも比例して大きくなる。あまりの厚顔無恥な振る舞いにキレた事も何度かある。しかし、夫を始めとする姻族3人には私は神経質なヒステリー婆婆にしか見えず、呆れられ笑われていた。長男長女が私の言うことを聞くことはなかった。
その長男、長女とも今は結婚し独立している…はずだが、同じ市内に家を建て暮らす長男は、何かしら理由を付け家族5人夕飯を食べ、入浴し帰宅する。最初は泊まって昼食までご馳走していた。が、小さなマンション暮らし、共働きで小学生と中学生も育てている。どうにか遠慮してもらえないか。旦那にそのことを伝えると罵詈雑言の嵐。言い返すと人格否定。正直、長男を理由に離婚を切り出そうかと今も悩んでいる。その度言葉を飲み込んではいるが…
私は数年前に仕事関係で適応障害になり、1年間休職し復帰したものの、半年で再発(が正しい言い方なのかはわからない)、最終的に退職して今現在無職となってしまった。再発していると気づき始めた時からも、何とか気持ちを切り替えようと頑張ってきたが、仕事に対しても家事に対しても、そもそも生きることに自信が無くなってしまった。今は廃人のような状態でこれを記している現状。再発の原因が仕事なのか家庭(長男事件があった時期)なのか。今の自分にはわからない。あの時捨てるべきだったのは、仕事ではなく夫とその姻族だったのではないだろうか…と思う日もある。
では、結果としてバツイチ子持ちとの結婚とはどういうものなのだろう。
ケースにもよるにだろうが、私の場合は長男、長女が絡めば不幸せ、絡まなければ幸せ。夫が私を庇う人であったならもっと幸せを感じただろう。まるで夫の両親との同居を嫌う嫁の心境だ。
出来る事なら、これから結婚する方には2人の生活から始められる人を選んで欲しい…というところが本音の部分だ…