小学物語13
チビという名前のポインターだった
白黒の大きなブチ模様で
とにかく体つきがしなやかで
美しい犬だった
それと クロ
なぜか雑種の赤犬(輝く茶色の毛)
毛並みがきれいでなでるとすべすべ
オラの家は 包装資材の小売りをしている
大きな発泡スチロールの皿が2000枚入った箱
角材を薄く削った木の皮(おにぎりを包む)
運ぶときは緑色の台車を使っていた
おらは空になった段ボール箱に
おがくずを敷いてチビとクロを乗せて運ぶ
ゆっくり運ぶと黙って乗っている
道行く人がおもしろそうに見ている
チビとクロはきれいな姿勢で前を見て
なんでもないことだよ
よそいきのツンと澄ました顔をしている
坂道にきた
一気に押して上ろうとしたら
台車の滑車が
急に変な方向に曲がって
段ボール箱が倒れてしまった
うわー
チビとクロはキレイにジャンプして
箱の外に逃げ出し そのまま走って行った
待てえー
オラは横になった段ボールから
こぼれたおがくずが道路に大量に
散らばっているのを見て青くなった
んっ
カユイ
細かいおがくずがシャツの中に
入ってしまった
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人生 踏んだり蹴ったりって日もある
そんなときは笑い話にしてしまおう
娘へ
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