小学物語17

チビという名前のポインターだった
白黒の大きなブチ模様で
とにかく体つきがしなやかで
美しい犬だった

それと クロ
なぜか雑種の赤犬(輝く茶色の毛)
毛並みがきれいでなでるとすべすべ

今日はおらの誕生日

でもケーキを買うでもない

プレゼントもない

いつもと変わらない



友達がプラモデル買ってもらったと

言っていた




250円の水中モータを買った

風呂場で板の下にモーターを付けて

浮かばせる

木の風呂桶の中 はじっこからはじっこへ

ぶつかったら また反対へ向けて

いったりきたり

とうさんがクロを風呂場に連れてきた

泥沼に

入ったらしい


小さな桶にお湯を入れ、水でぬるくして洗ってやる

とっても
良い顔をしてこちらを見る

丁寧に丁寧に
手で洗ってあげる

体をブルブルと振るわせて脱水してる

おらにもかかるがお構いなしだ

最後には、おらの肩に前足を置いて

もういいよ と言っているようだ


クロは先に上がっていった

くっしゃんっ


もう一回風呂に入りなおす

ちょっと気になる

風呂から上がって母さんに言う

なぜ、ふろおけの縁のところは黒いの

またがこすれるからなの


おかあさんは笑っていた

なんか変なことを言っただろうか


チビとクロが工場(こうば)のドアの隙間から

尻尾を振ってこちらを見ていた

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人は人

自分は自分だけど

自分の気持ちは周りのやさしさで変えてもらえることもある

優しい気持ちを大切にしよう


娘へ






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