【小説Re:02】『君を守りたい』⑥Back To The Past!
BGMを聴きながらお楽しみください
2073年3月3日、志朗は無事に生まれた。
両親は極普通の会社員の父と専業主婦の長男として生まれた。
偶然にも志朗と名付けられた。死んだ日から30年経っていた。
志朗は、過去の記憶を持ったまま幼稚園、小学校、中学校、高校、大学を優秀な成績で卒業した。そして、一文字家が経営している企業に就職した。
アスカ狙撃事件から5年後、猛は狙撃犯を殺したが、何者かに殺された。
その後、猛の弟隼太が社長を務めたが、しばらくしてアスカが社長に就任し、隼太が会長になった。
アスカは、志朗の死後、独身を通した。今は、70歳を超えていた。
タイムマシンは一文字家の企業が開発・完成し、実用化の手前だった。
志朗は、アスカに会うためにメールを送った。
内容は、生前の志朗とアスカしか知らないことを書いた。
アスカは驚いたが取り敢えず、志朗と会ってみることにした。
「アスカ、来てくれて、ありがとう」
「貴方、本当に志朗なの?」
「俺は、死んだ後、地獄に落ちた、そこで父に会った」
「父は、神様の依頼で鬼退治をしていたんだ」
「鬼を丁度100体倒したところだった、その成果のおかげで特例で生まれ変われることが出来た」
「父は、タイムマシンが完成することを予測していて、俺に過去に戻れと言った」
「だからどうしても、タイムマシンで過去に戻って、この未来を変えたいんだ」
「頼むアスカ、俺をタイムマシンのテストパイロットにしてくれ」
「わかったわ志朗、パパを救って」
70代のアスカと20代の志朗の対面であった。
数日後、志朗は、タイムマシンのテストパイロットとして、担当者から説明を受けていた。過去から現代へ戻るためには、飲み薬を飲むように1錠手渡され、志朗はタイムマシンのゲートをくぐった。
後日、2023年にタイムスリップした志朗からの手紙と現代に戻る薬が入っている封筒が見つかった。志朗が無事、2023年3月3日に到着した事が証明された。
つづく