【新作小説】『君を守りたい』①君には娘はやらない! 8 荒野の高等遊民4号 2024年3月7日 11:05 お父さんの携帯の着信バイブの音、ブーブーブー「おう、アスカか? 久しぶりだな」アスカ「お父さん元気?、、、、あのね、お父さんに会って欲しい人がいるの」なにっ!アスカにそんな男がおるんかぁー言葉に出そうになったが、かろうじて押し殺した。そして「おーっ、連れてきなさい」と言えた。アスカ「うん、じゃぁ、今度の土曜日の12時でいい、ご飯食べながら」父「おー、いいよ。楽しみに待ってるよ」アスカ「じゃぁね、ママには後で電話するよ、おやすみなさい」通話が切れた。「アスカから?」と勘のいいママ父「あー、今度の土曜日12時に彼氏を連れて来るって、、、、」元気が無い母「え~っ、どうしよー、どうしよー」「ねぇー、お昼ごはん何にしよー、お父さ~んっ」父「アスカが後でママに電話するってよ」「昼飯なんて何でもいいよ、カップラーメンでも出しとけ」ちょっと切れ気味である。それにしてもいつの間にアスカのヤツ、、、、、父「なぁママ、アスカから彼氏のこと何か聞いてたか?」母「ぜんぜん聞いてなかったわょー、私もビックリしたわよぉ」あっという間にアスカが彼氏を連れて来る日になった。ピンポーン ベルが鳴った。父「わぁっ!」 バサッソファーに座って新聞を読むふりをしていた俺は焦って新聞を落とした。和服のママが玄関に向かった。ママは本番に強い。料亭の女将のオーラが出ている。アスカがドアの鍵を開けて彼氏と玄関で待っていた。母「いらっしゃい」アスカ「ただいまぁーママ」志朗「初めまして、風見志朗(カザミシロウ)と申します」「本日は宜しくお願い致します」母「まぁーっ、イケメン!」「ついうっかり、心の声が出てしまったわぁ」「あっ、どうぞ遠慮しないで上がって、志朗くん」志朗「はい、お邪魔します」父「お父さん、お待ちかねのアスカと志朗さんが来ましたよ」父「おーっ、君が」ちょっと怒ってる。「初めまして、風見志朗と申します」「本日は、宜しくお願い致します」「そうかそうか、これがママの映見(エミ)で、私が一文字猛(イチモンジタケシ)だ!よろしく」「この家には、あと私の弟の隼太(ハヤタ)と家政婦の美田(ミタ)さんがおる」猛『あーごめん、疲れたろう和室で落ち着こう」4人は和室へ向かった。「いらっしゃいませ」和服の美田が三つ指をついて挨拶をする。「初めまして、風見志朗と申します」「宜しくお願い致します」料亭のような和室のテーブルに猛の向いは志朗、隣は映見、その向いはアスカが座った。全員が落ち着いたところに美田がビールを運んでお父さんの前に置いた。コップは既に配られていた。猛「それでは風見君、今日はよく来てくれた」と言ってビール瓶を差し出した。志朗「恐縮です、いただきます」猛「それでは、風見君との新たな出会いに乾杯!」猛は、ビールを一気に飲み干した。猛「あぁー美味い」「どうだ風見君もう一杯」志朗「はぁ、でも僕はもう少しゆっくりとしたいと思いまして」「あっそうだ、これお土産です」「お口に会えばよいのですが、、、、」と言って袋から羊羹の箱を出して猛に差し出した。猛「おお、わざわざすまないねぇ、とら屋の羊羹かぁ、頂くよありがとう」刺身、天ぷら、一人用鍋、ステーキ、お吸い物など次々と運ばれてテーブルが賑やかになった。猛「さぁ風見君、遠慮しないで食べ給え」「ところで風見君、君はハーフなのかな?」志朗「はい、母は日本人、父がイタリア人です」「父は僕が幼いころ何者かに誘拐されて、それっきり行方が分からないのです」「なので、僕は母に育ててもらいました」猛「そうか、色々ご苦労があったのだね」「お父さんの仕事は何だったのかな?」志朗「実はよくわからないのですが、どうもイタリア政府からの仕事を請けていたことだけしか、詳しくは分かりませんでした」猛「なるほど、何か組織がらみのようだね」「君自身は、金髪イケメンで細いようだが筋肉質の体で、格闘技をやってそうだな」すかさずアスカが説明する「お父さん、彼は仮面ライダー俳優なのよ」「今放送中の仮面ライダー、えーと、何て名前だっけ?」「Z、仮面ライダーゼットだよ」志朗が答えた。猛「ほぉー、これから人気者間違いなしだな」「格闘技は何をしてるんだい?」「幼いころから柔道、空手、剣道、カンフー、軍隊直伝の護身術を少しずつかじっただけです」志朗の目から少しだけ警戒心が放出された。「ほぉー、面白い」猛の目から少しだけ殺気が放出された。「こちらから、よろしいでしょうか?」志朗が猛への質問の突破口を開いた。「このタワーマンション最上階の部屋は、賃貸ですか?」猛「いや、オーナーだ」「ここ東京港区だけではない他にも東京に3件、大阪3件、名古屋2件、広島、福岡、沖縄、北海道に合計20件のタワーマンションを持っている」「資産運用は、弟隼太の担当で色々事業もしているんだ」志朗「正直驚きました」「アスカさんは、何も教えてくれなかったので、、、、」志朗がしばらく困った様子で下を向いていた。だが、突然覚悟決め、「お嬢さんとの結婚をお許し下さい」「お嬢さんを必ず幸せにします、どうか、お願いします」猛「君には娘はやらない、今の気持ちは、だが、、、、」「ただし、俺と戦って勝てたら考えてもいい」「考えてみてくれ、風見君はアスカと付き合いがあるようだが、私と風見君は今日会ったばかりだ、何もわからないからなぁ」「どうだろう、来週の土曜日10時このマンション2階のジムに道場があるからそこで戦おう」「柔道、空手、剣道、カンフー、護身術全部だ!簡単に言えばタイマンだ、気絶した方が負けだ」アスカ「お父さん、無茶だよぉ~」「志朗くんがかわいそぉ~だよぉ~」猛「風見君には、戦いに集中してもらうために、ここに住んでもらう」「えっ!」志朗は驚きを隠し切れなかった。アスカ「えぇぇぇお父さん、無茶だよぉ~」猛「ここには部屋がいっぱいあるし、1日3食の食事、洗濯、掃除は任せてもらおう」「何なら時給も支払うぞ」「どーうする~志朗くーん」「お父さん!ぜひ、お願いします。お世話になります」志朗が少し興奮気味で言った「よしっ!決まった、面白くなってきた~、なぁママ」映見「はい~、とっても楽しみですわぁ~」本気で嬉しそうだ。アスカ「それじゃぁ、私もここに住むわ」きっぱりと宣言した。猛「よぉ~しっ!明日からトレーニング開始だぁ~」「今日はたっぷり食ってくれよー」志朗「はい」アスカと志朗は一旦それぞれのアパートへ帰る。アスカ「ごめんねぇ、志朗くん、大変なことになっちゃったねぇー」志朗「うんん、良かったよ、君のご家族と会えて」「でも、めっちゃ緊張したでぇ~、もうぉ脇汗びしょびしゃやぁ~」志朗は、アスカと2人だと関西弁になる。アスカ「でも志朗くん、本当に大変なのはこれからよ」「お父さんって、ああ見えて格闘技とかメッチャ強いのよ」「若いころチベットのお寺で修業をしたことがあると自慢してたわ」「今でも毎日トレーニングを欠かさないらしいよ」アスカのアパートの前。アスカ「じゃぁ、また明日、ここに8時でいい?」志朗「うん、分かった、おやすみ」アスカ「おやすみなさい」アスカが自分の部屋に向かうのを見届け、志朗が自分のアパートへ帰った。そして翌日、志朗とアスカは、アスカの父親と再び会った。猛「おはよう、風見君、アスカ待ってたよ、よく眠れたかい?」つづく ダウンロード copy #小説 #短編 #仮面ライダー #ハーフ #イタリア人 #両親挨拶 #タワマンオーナー 8