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【小説Re:02】『君を守りたい』④ハワイ家族旅行

アスカの母、映見と志朗の母、はるかが京都旅行から帰って来た。さっそくハワイ旅行の話を聞き、ギャルのように喜んだ。

3日後、3世帯家族は、タワマン屋上のヘリポートに待機しているヘリコプターに乗り込んだ。そこから、ある空港に待機している自家用ジェット機でハワイに行けるように手配が済んでいる。

「えーっ、ナニコレぇ~大統領になったみたい、映見ちゃん凄いわぁー」

はるかは驚きではしゃぎっぱなしだった。

「はるちゃん、驚くのはまだ早くてよ、次は自家用ジェット機でハワイへひとっ飛びよ、おーっほほほほほ」

そんな二人の様子を猛、志朗、アスカの3人が楽しそうに見ている。

「何か、ママとお母さまが結婚したみたいね、ちょっと羨ましいわ」

「あーら、アスカには志朗くんというカッコいい旦那様がいるじゃないのぉ~」

「それなのよ問題は、パパと志朗君が仲良すぎで、私といるよりパパといる方が多いのよ、何かおかしいわぁ」

「そんなことないよな、志朗?」

「そうだよ、ジム以外はずっとアスカと一緒じゃないか」

「そうだけどぉ、何か変なんだよねぇ」

オンナの感は鋭い。

そうこうしている間にヘリが空港に着いた。5人は自家用ジェット機に乗り込んだ。

「皆様お疲れ様でした」

家政婦の美田がCAの姿で機内で待機していた。

「美田さん、いないと思ってたら先に来てたのね、ずるいわよ、あなたも眠れなかったのね」

「はい、奥様失礼しました」

「いいのよ、ハワイで貴方もいっしょに遊びましょうね」

全員座席に座った。CA美田が、安全ベルトの着用アナウンスをした。

「皆様、間もなく当機は離陸致します、安全ベルトの着用をお願い致します」

自家用ジェット機は離陸した。離陸したら全員眠りについた。目が覚めたころ、ハワイ上空だった。ジェット機は、いつの間にか滑走路に着陸していた。

現在、2023年3月3日金曜日 PM17:00 気温30℃ 暑い。

タラップを降りると、黒塗りで長いボディのリムジンが待機していた。一同速やかにリムジンに乗り込んだ。

マンションの部屋から、ハワイのマンションの部屋までの歩数、800歩に満たない。

滞在先のマンションもタワマンの最上階すべてが一部屋だった。

「どうーだ、この景色、東京と違って海はいいなぁ~」

と猛がどうだとばかり誇らしげに言う。

「あーら、この景色は貴方のものではないのよ!」

すかさず、映見がツッコむ。

「でも凄いですよ、この景色は、普通の人じゃとても見れませんよ」

志朗が猛をフォローする。

「だめよ志朗さん、パパなんかの味方しちゃぁ、ママを敵に回すと怖いのよ」

とアスカが志朗をけん制する。

「私はいつも映見ちゃんの味方だからね」

と志朗の母、はるかが参加する。3対2で女性陣の勝ちである。

「あー、腹減ったなぁ、下のレストランで食事しようか?」と猛。

「そーねぇ、おなかペコペコ、何食べようかしらぁ、何食べる?はるちゃん?」

「そーねぇ、何かまだ外国に来た感じがないのよね、だから、これぞハワイを食べたいわぁ」

とはるか。

アスカ「それじゃぁ、ロコモコにしませんかー、ハンバーガーのパテとか目玉焼きとかご飯の上に乗ってるの」

「いいわねぇ、ガッツり行きたいわね、食後はソフトクリームもいいわねぇ」

と映見。

「あっ、ずるい、私もパフェ食べたい!」とはるかもすっかり一員である。

「それじゃ、各自の部屋に行って着替えて、またここに集合だ」

「美田さんがクローゼットに服を用意してくれてるはずだ、それじゃ解散」

映見とはるかが同じ部屋である。

後日、母たちの部屋にアスカも加わることとなる。

食事を終えて、女性陣3名は部屋に戻って来た。家政婦の美田さんがお酒とおつまみを用意していた。男性陣は、マンションのバーに行った。

「志朗、お疲れ様~」「こちらこそ、母ともどもお世話になり、ありがとうございます、お疲れ様です」

二人は、マティーニで乾杯した。

「はるかさんが来てくれてホントに良かったよ、映見が毎日イキイキしてて、親友に出会った感じだろうな」

「うちの母があんなにハシャイでいたの初めて見ました」

「父が行方不明になってから、生活が苦しいけど、僕を育てることで父のことも考えてる暇がないまま、今まで生きてきたのではないかと思います、だから僕もうれしいです」

「そうか、じゃWinWinだな」

「これからのハワイでの予定だが、日中は女性陣の奴隷に徹しよう」

「訓練は、深夜から明け方にやる」

「しんどいと思うけど頑張って欲しい、実際の生活でも日中防犯活動するのは無くて、深夜になるんだ」

「はい、覚悟してます、大丈夫です」

「よし、訓練してくれるトレーナー達も楽しみにしてくれているので頑張ってくれ」

「ハワイから帰ったら、デビュー戦するぞ、そのつもりで気を引き締めてくれ」

「押忍!」

翌日から男性陣は日中は、女性陣の奴隷として、観光、買い物、マリンスポーツを楽しんだ。

猛と志朗は、女性陣が寝静まると、マンションを抜け出し、FBIおよび海兵隊特殊部隊の訓練に参加した。

毎日その繰り返しの2週間が過ぎたころ、その事件は起きた。

志朗とアスカがショッピングモールで買い物中、志朗は向かいのビルの屋上でキラッと光るレンズの反射に気が付いた。

一瞬で、狙撃銃がアスカを狙っていることが分かり、志朗はアスカに覆ういかぶさった。だが、銃弾は志朗に命中した。

アスカは何が起きたのか分からなかったが、志朗の背中から大量の流血で叫んでいた。名前を呼ぼうとしたがもう声が出なかった。周りの人が、救急車を呼んだ。

病院で集中治療室に運ばれ医師達の賢明な努力も空しく志朗は死亡した。

2023年3月18日 土曜日 PM2:31 だった。

つづく







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