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【小説】『君らは選ばれし戦士だ!!』⑳現在の元の世界編

【ゆうかの部屋】
ゆうか「ママ、お父さんお疲れ様でした、なんか長い一日だったね」
千夏「うん、ゆうかこっちに来て」
ゆうか「なに?」千夏に近づく
千夏「ギュー」ゆうかに抱き着いた。
ゆうか「おかえりなさい、ママ」
千夏「ゆうかをまた抱けたなんて夢みたい」
勇作「どれどれ、お父さんも」
ゆうか「えーやだー」
勇作「なっ!」
ゆうか「うっそだよー、おいでお父さん」
勇作「ゆうかぁー」
千夏「はっははははは、からかわれたねお父さん」
ゆうか「よしよし」勇作の頭をなでる
勇作「ほんと、お母さんそっくりだ」
   「お腹すいたな」
ゆうか「鍋の材料ならあるよ」
千夏「じゃ、鍋にしましょう」
「お父さんは先にお風呂に入って」
「ゆうかは手伝ってね」
ゆうか「はーい」

皆お風呂に入って、鍋も食べごろになった。
全員「いただきまぁーす」
千夏が鍋をよそった。
ゆうか「これがママの味かぁー、美味しい」
勇作「お腹すいてるからな」
ゆうか「ねえママ、お父さんていつもこうなの?」
千夏「そうなのよー酷いでしょ」
ゆうか「ふーん、でもなんか嫌じゃないのよね」
千夏「そうそうわかるー」
ゆうか「お父さんがなんか言った後、つい言い返したくなっちゃうのよね」
千夏「わかってるねぇー」
勇作「2 対 1 は勘弁してよ」
ゆうか「それはお父さん次第というか、、、」
千夏「ふふ今ママも同じこと言おうと思った」
ゆうか「いいねこうゆうの、家族って感じで」
 「おばあちゃん達も優しくて、大切にされて育ったけど、こうじゃなかった」
勇作がビールを一気に飲んだ。
勇作「ゆうか、実は今日未来人との話し合いで、色々決まったことがあって、そのことを話したいのだけどいいかな」
ゆうか「うん」

勇作は意を決して、深呼吸をした後ゆっくりと話し始めた。
勇作「未来は AI マシンによって核ミサイルが発射され、人類は今では 150 名しか残ってないそうだ」 「明日の夜その 150 名が未来からやってくる」 「そのあとの地球は、マシンだけの世界になってしまう」 「そんな未来にしないために、お父さんとママは、未来に行って地球をリセットしようと思う」
 「リセットって、まずは北極の氷を全部溶かして大津波を発生させる」
 「で、マシンを一掃してしまう」
 「そのあと北極の氷を元に戻して、大地の自然を回復させる」
 「正直、何年かかるかわからない」
 「タイムマシンも流されてしまうだろう、だからもうここには戻れないだろう」
 「せっかくこうしてゆうかとまた会えたのに辛い」 「でも、分かって欲しい、大いなる力を授かった以上、力は全世界の幸せのために使わなくてはならないんだ」
ゆうか「私だけのお父さんとママになって」
勇作「ゆうか、出来れば俺もこのままゆうかと一緒に暮らしたい」
 「でも、そのあと命が尽きるまで後悔すると思うんだ」 「だって、未来には人間が一人もいなくて、マシンだけがうろうろしてる世界なんていやだろ」 「リセットしてまた人間が住める世界にしたいんだ」 「それにね、まだモヤモヤしているけど、いつかまたゆうかと会える気がしてるんだ」
ゆうか「ほんと?」
勇作「あーほんとさ」
ゆうか「わかった、でも明日出発までは、甘えさせてね」 「今日は皆でいっしょに寝たい!」
千夏「いいわよーでも、お父さんのイビキ相当うるさいよぉー」
勇作「そんなことないよー、ママだって」
千夏「あーそんなこと絶対ないもん、レディに向かって何てことを、、、、」
 「バツとして食器洗ってね」
勇作「えー、ゆうかも手伝え」
ゆうか「やーだーよー」
親子は、再会の喜びも束の間、すぐに又別れなければならない寂しさを耐えながら川の字になって眠った。

つづく


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