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【新作小説】『君を守りたい』⑧あれから5年後

 志朗が死んだ日、2023年3月18日 土曜日 PM2:31から5年後の2028年3月。志朗は、妻の父猛の弟一文字隼太が必死に家族に説明してくれたお陰で、転生してタイムスリップした志朗のことを始めは半信半疑だったが、3日ほど一緒に暮らすうち、すっかり志朗だと信じて貰え、何事もなかったように5年が過ぎようとしていた。

2028年3月17日 PM13:00 ズシンという縦揺れの後、約1分横揺れが起きた。タワマン最上階にいた志朗と家族は、建物の免震機能のお陰でそれほど大きな揺れは感じなかった。それでも揺れを感じたということは、外はかなり大きな揺れだったと思われた。

窓から外を見ると、あちこちの住宅が燃えており、TVでのニュースでは、津波警報を叫んでいた。

義父の猛がやって来て、屋上にヘリコプターが到着したので集まるように言われ屋上に向かった。

屋上では、家族用ヘリと従業員の避難希望者用ヘリ、2機が待機が待機していた。

志朗は、この災害のことを知っており、真っ先に様々な対策に向けて準備していた。

この震災は、全日本大震災と呼ばれ、南海トラフで西日本全体、次の日に静岡県から宮城県までの東日本、更に富士山、阿蘇山、桜島が噴火して麓まで溶岩が流れ、火山弾、火山灰の被害が地震、津波が同時に発生し、日本の人口の約半分が死亡した。特に60代以上の高齢者が、死を覚悟して、自宅から逃げなかったので、津波、火災などで死亡した。

志朗と家族は、北海道の富良野に避難していた。

北海道札幌でも震度7の地震が発生して、日本は殆ど機能を失い、自衛隊などの救助も到底手が回らず、ほぼ救助も何も出来ない状態となって、避難所で1か月が経つと更に死者が急増し、日本の人口が1/3になろうとしていた。

アスカの父、猛と弟隼太は、5年前から北海道にAIアンドロイドを生産する工場を作り、既に3万体のAIアンドロイトとガンダムのような大型の人型ロボットを1万台、その他建設用重機を大手の自動車/重機メーカー、家電、食料品メーカーが共同で生産して、日本の復興を目指そうと準備していた。

つづく







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