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杜牧 贈別二首之一

娉娉嫋嫋十三餘  美人でかわいいお前は、未だ13ちょっと
豆蔲梢頭二月初  二月の始めに咲き始めたずくの花のようだ。
春風十里揚州路  春風がこの繁華な揚州の街に吹き、
卷上珠簾總不如  家々のすだれをみんな巻き上げても
            お前のような美人はどこにもいない。

杜牧 贈別二首之一

中島棕隠の詩で若い娘が出てくる話をしたが、中国の詩の中でも一番有名なのは、やはり杜牧の贈別二首でしょう。
改めて見ましたが、この詩でも女の子の年齢は十三才、詩に使うのに口調が良いのかもしれません。

杜牧は太和元年(827)に25才で進士に及第し、地方に出ました。杜牧が揚州に赴いたのはこの頃からで、太和九年に洛陽に帰るまでずーっとこの地方に居ました。

この詩を送られた相手が、張好好という当時の有名な歌妓であると比定した論文があるとのことです(未見)。その論文が根拠としているのが、杜牧の五言古詩『張好好』の序文や詩の冒頭の句のようです。

この詩は、普通には、新しい任地(洛陽)に旅立つ杜牧が、現地の愛人に贈った詩と考えられていますが、もしこの説が正しいとしますと、この杜牧の贈別詩は、洛陽に行くことになった張好好に、揚州に残る杜牧が送った詩と考えられます。

「娉娉」は美しき貌
「嫋嫋」たおやか、しなやか(原義は風にそよぐ貌)
「豆蔲」木の名前、和名ずく。netで見てくれ。

参考資料
塩谷温著『唐詩三〇〇首新釈」書籍文物流通会
松浦友久編『校注唐詩解釈辞典』大修館書店
   (杜牧「贈別之二」で張好好について触れている。)
絵は Stable Diffusion で作成。



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