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あなたは私の何?

ほっと一息できる場所はありますか?
私にはありません。
親や親戚とは縁を切っているし、夫はラブホの会員カードを3枚も財布に入れているし、子供は子供です。私は子供の居場所ですが、子供は私の存在理由ではありません。


相手が誰であろうと、情と憎悪の感情を併せ呑む付き合い方しか出来ないので、相手を信頼することができず、信頼されると鬱陶しく感じる負の輪廻。

家というものを持ってみて自分の帰る場所にしてみても、片付けても片付けても汚す人間が3人もいて、元に戻すのは私1人。
これなら一人暮らしのボロアパートのほうがホッとしました。
だってこんな家、どんなに広くても誰一人招けないのですから。ヤリ部屋にできるボロアパートのほうがよほど自由度が高く便利です。

何でも話せる相手、というのも難しいものです。
嘘や虚飾で偽った自分が何人もいて、いつでも「言って良いこと」「悪いこと」を意識的に選別しなければいけない人間関係しかない。
誰かと対面するといつも思います。あなたは私の何?

自分なりに友人関係など友好的に築いてきたと思うのですが、滲み出る何かが人を遠ざけるのか、人から利害なしの連絡がくることは皆無です。
私に来る連絡はセフレの性欲発散目的のものか、おじさんの性欲発散目的のものです。

かといって「友達が欲しいのか?」と考えると、そういうことでもありません。
手持ち無沙汰を解消できて、責任がなくて、自由に手放せる暇潰しがほしい。
となると適任なのはおじさん相手の仕事ということになります。
風俗勤務の後遺症はこういうところに出ます。

まれに女友達なんかと2、3時間ワーキャーやると、まるで自分がまともな主婦になったような気がして浄化作用を感じますが、一時的なものです。
どうせすぐにおじさんから連絡がきて「私はこういう人間だ」と思うのです。
自分の多面的な生き方は好きなのですが、まともな名前のない関係性に多種多様に対応していると、なんでこんなに虚しいんだろう?と感じます。

仕事としてのセックスをしている時に一番考えてはいけないことは「私何してんだろう…」です。

全ての人間関係において「今はこういう自分の演技で乗り切ろう!」と精神的に頑張りが必要な時があります。
その気力を根こそぎ奪うのが「私何してんだろう…」です。

おじさんの前でこんなに猫かぶってイったふりして何してんだろう…
セフレと同年代のフリして彼氏なんて言っちゃって何してんだろう…
子供に全然興味ないのに共通の話題がないからって子煩悩アピールして………

こういうスパイラルに陥ったときは精神安定剤を飲むに限ります。
大抵自分の調子が悪く、他人に何かを期待しているせいで起きる無気力だからです。

私は相変わらず鬱っぽくて心療内科に通っていて、それを見守ってくれる人たちがいますが、この人たちに「お世話になってるなあ、ありがとう」という気持ちが一切わきません。
34年生きて、ようやく「私はダメなほうの人」ということを受け入れてきました。
気付いてはいましたがダメならダメなりにダメな人と連んでれば良い!と自棄になったりしていたのが通用しないとわかってきた感じです。

風俗勤務の何が良かったかというと、まともな人が周りにいないことでした。
自分の価値観が世間一般で通用しないことなど可愛く見えるくらい、この人詰んでるなあという男女しかいなくて落ち着きました。
今の環境より、風俗店の待機所のほうがほっと一息つけます。

20代の時は幸せになりたいと漠然と思っていましたが、30代の今は「幸せだけど楽しくないなあ」と思います。

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