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「月の呼吸」の各型について【ネタバレ注意】

アニメ派の方はネタバレ注意です!

鬼滅の刃で無惨に次ぐ強さを誇る鬼、黒死牟の「月の呼吸」は名前も技も美しいですよね。
何より強いところが最高です。
その強さと、それを求めて己を高め続けた彼の生き様が大好きです。

今回は、そんな彼の集大成である「月の呼吸」について軽く考察してみました!



以下、端的にまとめるため敬語は使用しておりません。

壱の型 『闇月・宵の宮』

仮説1
・闇月: 造語→闇に浮かぶ月(夜の月)か
・宵の宮: 宵宮(よみや)であれば有る
 造語→夜の宮、夜空に浮かぶ御殿か

真夜中に月だけが浮かんでいて、まるで夜空に浮かぶ宮のような様子

*宵宮…大きな祭りの前の前夜祭。準備期間。本来は神霊が本社に還る還御祭だった。

仮説2
・闇月: 闇にひそむ月/闇(のようにひっそりとした)月→新月か
・宵の宮: 夜のこと

新月の浮かぶ夜(宵闇)
技の形も新月っぽいので此方が有力か


弐の型 『珠華ノ弄月』


・珠華: 造語→非常に美しい華のことか
・弄月: 月を眺めて鑑賞すること(嘯風弄月など)

珠華が細かい月を眺めている様子
「ノ」があるので、美しい花が月を眺めて楽しむ様子と推測。
また、珠華は刀を振るった時の軌跡が作る形。その周囲に細かい月が舞っているので、刀を振るった時の軌跡(=珠華)がそれを眺めている様子と推測。

*珠は「丸いもの/至宝/転じて美しいさま」など
(珠衣・珠玉・珠のように愛らしいなど)
*華は「花/美しいもの/真髄/名誉/白い」など
(豪華・栄華・武士道の華など)

*文珠蘭というヒガンバナ科の白い花がある
→型の形も花っぽい


参の型 『厭忌月・銷り』


仮説1
・忌月: 故人の命日がある月、忌日がある月
・銷り: 動詞「つがる(繋がる)」の連用形。名詞としては鎖、つながる部分など

→命日を厭う+繋がる=死を嫌い命を繋ぐ(防御寄りの技?)

*銷…とかす、尽くす(尽きる)、消す、散らす
「消」の異体字

仮説2
・厭忌: いみきらうこと

月が忌み嫌うものを全て散らすこと(もしくは、何かを忌み嫌う月がそれを散らすこと)
純粋に此方が有力か。


伍の型 『月魄災渦』


・月魄: 月の神(月の精)/月
・災禍: 天災/わざわい

→月の神がもたらす災い

シンプルでかっこいい。刀の形状と陸の型の名前から見て恐らく陸の型までが巌勝時代に編み出したと考えられ、つまり刀を振らずに斬撃を生み出すこの技を人間時代に完成させていたことになる。すごい。

陸の型 『常夜孤月・無間』

・常夜:いつも夜であること、常闇
・じょうや:夜にある現象が続くこと、夜の暗さが昼の間も続くこと
・孤月:もの寂しい月、孤独な月
・無間:無間地獄の略、絶え間ないこと

→月は無限の夜を、いつもただ孤独に浮かんでいるだけ

→黒死牟が刀を変形させて放つのは漆の型からなので、巌勝時代に生み出した最後の技だと考えられる。
故に、当時の巌勝の「自分はこのまま何も残せず、剣技を極められずに寿命で死ぬのだ」という寂寥感・虚無感を包含した技名だと推測。


漆の型 『厄鏡・月映』 


厄鏡:造語→厄災を写す鏡、厄災をもたらす鏡か
月映:月の光に照らされて、いっそう美しく見えること/月光が美しいこと/月が映ること

仮説1
月に照らされる厄鏡

仮説2
厄鏡に映える美しい月

仮説3
月がもたらす災いを反射して世に放つ厄鏡
→弧を描くような刀の軌跡と、そこから直線上に放たれる斬撃という技の描写から、仮説3が正しいのではないか。


捌の型 『月龍輪尾』


・月龍:造語か→月の龍/もしくは朧
・朧:はっきりしないさま/月光/ぼんやりとした月光
・輪尾:造語→輪を成す尾か

月龍の尾が輪を成す様子
刀の軌跡が輪を描いていることから、それを龍の尾に例えたものだと推測。
もしくは、大きな斬撃を龍の尾に、細かな月の斬撃を輪に例えたか。


玖の型 『降り月・連面』


・降月:満月が次第に欠けていくこと
・連面:長くつづいて絶えないこと
連綿との違いは不明だが、「面」には辺り/方向という意味があるため、四方八方にという意味か

欠けた月が四方八方に降り注ぐさま


拾の型 『穿面斬・蘿月』


・穿面:造語→面を穿つように斬る、の意か
・蘿月:ツタカズラの葉を照らす月/ツタカズラから漏れる月光/ツタカズラの葉の間から見える月

蔦葛から漏れる月光(のような斬撃)が、大地を抉る様子
斬撃の形状がツタカズラの葉に似ているため、月(黒死牟)が放つ技を蔦葛の葉が反射して穿面する、というような意味と推測。


拾肆の型 『兇変・天満繊月』


・兇変:不吉な異変/凶兆
・天満:天を満たす
もしくは天満(そらみつ)【天満大自在天神】
≠虚空見(そらみつ)【日本書紀】
(天満:道真の怨霊が天に満ちた)
(虚空見:天空を回る→天空に御座し地を慈しむ日月)
・繊月:ほっそりとした月/主に三日月

→無数の三日月が天を満たし、不吉な様子
放たれる細かな斬撃の形状を、三日月に例えたものだと推測。


拾陸の型 『月虹・片割れ月』


・月虹:夜間、月の光により生じる虹
・片割れ:割れたものの一片/対になっているものの一方

→割れた(欠けた)月の、月光によって生じる虹
縦に大きく弧を描いて地面に突き刺さるような形状を虹に例えたものだと推測。
欠けた月とは黒死牟自身のことだろう。双子の片割れである自身と、欠けた月の両方の意を掛けたものと推測。


以上が私の考えたそれぞれの意味と、その他の考察になります。如何だったでしょうか。

皆さんの推し型はありますか?
私は壱の型と、伍の型が好きです!特に伍の型は人間離れしており、これを人間時代に完成させたと思うとその強さに惚れ惚れします。

今回はネット上の辞書のみを使用して調べてしまったため、いずれ改めて複数の辞書を使用して考えてみたいと思っています。

明かされていない他の型もいつか知りたいですね!

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