見出し画像

建築学生休学日記|素材への旅【ガラス編】

こんばんは。

はじめてnoteというものを書きます。化生です。拙い文章ですがよろしくお願い致します。


今年度の4月から、今通っている大学を休学しています。研究や一級建築士の勉強に励む同期、もう就職している友達を見ながら、「このままのんびり休学していては、社会に戻れなくなる…!」と思い、noteを始めてみました。


今回は、素材への旅【ガラス編】と題しまして、休学のきっかけとなったガラスとの出会いや現在やっていることを少し、書いてみます。

去年の夏、【空間デザインコンペティションー野生のガラスー】という設計コンペを見つけ、「野生のガラス?これは面白そうだ…!」と思い、同期と挑戦してみました。

クマ財団 そのた3 [復元]-05

シーグラスを空に吊るして小道をつくるという作品です。育った海、出会った人、触れた雪、温かい日差しを身にまとって揺れるガラスの小道。こんな「その土地の生態系の中で生きているような」空間をつくりたかったのです…結果は振るいませんでしたが、「こんな小道ができたら、ほんとに綺麗なのになぁ」とグズグズ諦めきれずにいました。笑


そんな時、研究室の後輩が、神戸の長田区にある【旭屋硝子店】という硝子屋さんを紹介してくれました。そしてアルバイトまでさせていただけることになりました。感謝…

画像4

この硝子屋さんは、建具に使われている型板ガラスを回収して、お皿やランプを制作しています。古い建具に使われていた昭和の型板硝子には、細かい模様が彫り込まれていて、光を通すとやわらかく広がります。

また、アルバイトで作った卓上ランプをみて「昔どこかで見た模様がとても温かく感じる」と話してくれる方がいました。

思い出や愛着と結びついたガラスがつくるあたたかな灯り。型板ガラスのような「家や街並みを構成する素材が、人と場所が時間をかけて築いてきた関係性を伝えてくれる」ということを学んだ経験でした。その後は、同期といろんな建築を訪れても、どうしても素材に目が行くようになりました。


そして去年の冬、ステンドガラスだけを見て回る旅にでました。ガラスを見に人を連れまわすのもなあ…と思い、スケッチブックと好きな本を相棒に、一人で旅に出てみました。写真は【旧渋沢庭園】の建具にはめ込まれているガラスです。

画像4

ドアを開けるたびに色合いが変わり、色ガラスを通して差し込む光が、壁をつたっていく姿にうっとりとしました。ずっとドアを開け閉めしながら、「こんな綺麗なものがあるのか…わたしもこんな綺麗なものをつくれるようになりたい…」と悶々と考えていました。

旅から帰った後、「どうしてもやりたいことがある」と家族にお願いして、休学することになりました。


休学を機に、【大阪クラフトパーク】の吹きガラス教室に通い始めました。近畿大学出身で、作家をしながらスタッフをしている方(とても美人!)との出会いもあり、ものづくりを志す同年代の方との会話は、刺激的でした。

画像1

いつも見ていた冷たいガラスが、赤く熱されてドロっとしている姿をみて、「これが野生のガラス…!」と胸が高鳴りました。

建築家 吉阪隆正の

ものをつくるとはそのものに生命を移すことだ

という言葉を思い出しました。

「人間の肉体は、平均して6,70年間、生命として燃焼し続けるエネルギーを持っていて、そのエネルギーを、モノを作るときには惜しげもなく注ぎ込むから、そのモノ自体に生命を移している」という意味を、ガラスを創りながら(まだガラス玉しかつくれないけれど)、少しわかったような気がします。


これで、素材への旅【ガラス編】は終了です。

思い浮かんだことをつらつらと書いてしまった…相手に伝わるように話すのが本当に下手なので、noteを通して練習していこうと思います。

今やっていることが建築に結びつくのかも、将来どうしていこうかもまだみえず、「どうしようもないやつだなぁ」と自分でよく思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。




いいなと思ったら応援しよう!