【初級編・学部生向け】奨学金を取ろう!①

お金に困っているが、大学に入ったばかりでどうしたら奨学金の申請ができるのかわからない。勉強は頑張っているが、申請書に何をどうやって書いていいのかわからない、という方に向けて、奨学金の取り方をまとめました。【番外編】として、「奨学寮」をまとめています。

※ ②以降は、特に人文系で、一見「社会の役に立つこと」とすぐには関係しないかもしれない、または「どうしたら社会の役に立つのか」にちょっと説明を要するような勉強や研究を頑張っていて、お金に困っている方の助けになればと思って書いています。


奨学金を探そう!

初級編なので、奨学金の探し方から始めます。「ガクシー」や「奨学金. net」などの民間のサイト・大学のHPの両方から探すことができますが、今回は大学のHPからの探し方を紹介します。

探し方

大学による奨学金の案内は、「通っている大学名 奨学金」で見つけることができます。まずはこれをブックマークして、気づいた時には確認する習慣をつけましょう。

奨学金には、①大学の推薦により応募するもの(応募書類を大学に提出するもの)と、②大学独自のもの③大学が紹介しているもの(個人で直接応募するもの)、があります。個人的な経験から、①・②は③と比べて手続が楽な傾向にあります。
大学によって手続きや募集期間は異なりますので、以下はあくまでも一般論として、流れを頭に入れておく、くらいで参考にしてもらえればと思います。

時期と応募のコツ

①は、大体2〜3月(新入生は4月)頃に、大学に所定の「願書」や「登録票」を提出しておきます。学部で在籍していた神戸大学の場合は、当時は紙一枚でよかったのですが、大学院で進学した東京大学は、親の源泉徴収まで含む書類一式の提出が必要になり驚きました。手続きの煩雑さは大学でまちまちのようです。
また、これも大学次第ですが、神戸大学のように、一度出せば1年間を通してどこかに推薦してくれるかもしれない、という大学と、東京大学のように提出時に希望する奨学金をリストアップして、提出後募集が更新されれば再び希望する奨学金をリストアップして提出するという(大変負担のかかる)方式の大学もあります。
どちらにせよ、(③の奨学金は随時更新されるものでもあるので)ブックマークをして確認する習慣をつけるのが一番です。

②は、大学が独自の財源で設定している奨学金です。熱意のある学内の学生を支援することが主旨の奨学金であるのと、③の奨学金と比べると知名度が低いので、HPで確認し、応募時期を確認しておくと良いでしょう。

奨学金応募の準備をしよう!

奨学金応募に必要となる書類は大体以下の通りです。当然応募先によって異なり、不備があれば受け付けてもらえないこともあるので、募集要項はプリントアウトし、マーカーなどを引きながら確認して、締め切りに余裕を持って揃えるようにしましょう。(私はこれをやらず、よく締め切り2~3日前にやや準備に時間のかかる書類が手元にないことに気づいて絶望していました)

  1. 成績証明書・在学証明書

  2. 推薦書

  3. 健康診断書

  4. 親の収入を証明する書類

1. 成績証明書・在学証明書

自動発行機ですぐにプリントできる大学がほとんどだと思います。証明書発行機の場所と利用できる時間を確認しておきましょう。ほとんどの奨学金では最新のものが要求されますが、とくに成績証明書に関しては成績発表を挟まない限りは、1ヶ月程度は許されると思っているので、いざとなった時すぐに使えるよう、1枚ずつ手元に置いておくと安心です。また、PDFでスキャンしてパソコンにも保存しておきましょう
大学院進学を考えている人・控えている人に向けた余談ですが、大学卒業時に卒業証明書・成績証明書を無料で好きな枚数請求することができます。院進後の奨学金申請に必ず必要になりますので、5枚ずつくらいもらっておくことをお勧めします。卒業後は有料(一通500円ほど+送料)になります。私はバタバタしていて完全にこの作業を失念していて、泣く泣くお金を払って取り寄せました。

2. 推薦書

大学入学前・入学したばかりで知っている先生がいない…という人も安心してください。(大学によって名称が異なると思いますが)いわゆる「初年次ゼミ」と呼ばれるような授業の先生は、初年次の学生の推薦書を書く担当の先生となっている場合が多いです。私も、大学入学前に応募した奨学金では、この初年次ゼミの先生が推薦書を書いてくださっていたようです。このような先生がいない場合も、諦めず大学の教務課に相談してみましょう。2学年次以降も、この先生に頼んでも良いですが、現在力を入れて取り組んでいる授業、過去に履修していて成績評価がよくレポートを頑張って書いた授業、ゼミ形式などで先生と積極的にコミュニケーションが取れている授業などの先生に頼んでみるのも良いでしょう。
先生に依頼するときのメールの例は、調べたらたくさんででくると思いますのでそちらを参考にしてください。
大学の先生たちは忙しいですが、学生の推薦書を書くことは大学の重要な業務の一つです。感謝の気持ちを忘れずに、しかし遠慮せず頼みましょう。

3. 健康診断書

大学で義務付けられている健康診断を受けていれば、その結果を診断書として受け取ることができるはずです(受け取り方は、大学のHPで調べてみてください)。私はどうも苦手で、本当は絶対受けなければいけないのですが、一度も受けたことがありません。ただ、その場合提出するために民間の医療機関にかかり、1~2万円払って診断書を書いてもらうことになるので、痛い出費です。年度はじめの検診は必ず受けておくようにしましょう。

4. 親の収入を証明する書類

親と同居していない場合、発行・取り寄せに時間がかかりますので奨学金を申請することにしたら一番初めに必要かどうか確認したい書類です。

余談ですが、郵送で提出の奨学金は多くあります。
私の場合、封筒のストックを切らしてはコンビニで高い封筒を買ったり、レターパックを買いにわざわざ外出した記憶があるので、百均などで安い封筒を三つ折りサイズ・A4書類が入るサイズ両方買ってストックしておくこと・レターパックの予備を持っておくことは慌てないためにおすすめです。

【番外編】奨学寮を探そう!

あまり知られていませんが、生活費を抑えるのに、育英会や奨学会の運営する「奨学寮」を探す方法があります。私も、学部時代に3年間マンションタイプの寮の一室に家賃無料で住んでいました。学部の初めの1年間は、大学の学生寮に住んでいたのですが、学生寮と違って良い点は、(もちろん寮によって異なることが大前提ですが)部屋が広く心の余裕が生まれることだと思います。家具を揃える必要がないので、初期費用がほとんどかからないのも良い点です。
デメリットしては、これも寮により異なりますが、門限などのルールが厳格に設定されているなど、「学生」として管理・規律化されることをある程度受け入れなければならないことです。ある程度の自由と引き換えに安価かつ快適に住むことができている「住むバイト」のようなもの、というマインドセットは必要かもしれません。
以下に東京と関西の奨学寮を、わかる範囲でまとめてみました。

東京

同盟育成会https://www.doumei-ikuseikai.or.jp
家賃:月額3万(2食付き)
居室タイプ:2人部屋
女子寮(新宿区)・男子寮(文京区)
募集期間:11月(2025年度)

磯野育英会https://www.isono-f.org/project2.html
家賃:月額2万5千円(光熱費込み)
居室タイプ:鍵付き個室ありシェアハウス
女子寮・男子寮(小平市)
募集期間:随時

本庄国際奨学財団春風荘(https://www.hisf.or.jp/dormitory/index.html
家賃:月額2万5千円(光熱費込み)
居室タイプ:シェアハウス
女子寮・男子寮(北区)
募集期間:2023年にメールで問い合わせたときは、本庄国際奨学財団の奨学生のみ入寮できるとの回答がありました。

大阪・兵庫

上野芝学生寮https://ono-syougakukai.com/uenoshiba/index.html
家賃:月額5千5百円(別途光熱費)
居室タイプ:個室(洗面・炊事は共同)
女子寮(大阪府堺市西区)

木下記念事業団https://www.k-zaidan.or.jp/boarding.html
家賃:無料
居室タイプ:個室(風呂トイレ・キッチン部屋内にあり)
女子寮・男子寮(神戸市中央区)


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