#38 母の味
こんにちは。年度末です。
2023年も四分の一が過ぎました。早い。
何もしていない。
あ、noteを始めたんだった。
帰郷の話。
実家の母、コロナ禍もありの三年半ぶりの帰省でしたので張り切って食事を作ってくれました。
とはいっても派手な料理はできない人。こちらもリクエストしたのが「魚」ということで、焼き魚、煮魚と毎晩用意してくれました。
その一つで、母の十八番に「鰯のつみれ汁」があります。(母曰く、鰯団子)生の鰯を買ってきて手開きをし、包丁でたたき、味噌や片栗粉で味をつけて沸騰したお湯に落としていきます。ネギ、豆腐を加えて味噌で味付けをして出来上がり。
「おいしい。でも山椒の葉が乗っていたらもっとおいしかったな。」
おいしいだけを素直に伝えればいいのに、季節外れで用意できない山椒の葉を所望して、母を困らせる私。
子は鰯の手開きを初めて見ました。「血がたくさん出てて怖いな。」と子。普段から魚をさばくことをしない私なので、こういう経験ができるのも実家の母がいてこそです。
子は母の作る梅干しがお気に入り。毎食梅干しをご飯の友にして、食べていました。
実家のご飯は、水が違うからなのか、母が作るからなのか、食べなれているからか、やはりおいしいです。炊飯の水の量を間違えて少し柔らかく炊けたご飯ですらおいしい。すんなり体に吸収されるような感覚があります。私が実家にいたのは18才まで。実家を離れている時間の方がすでに多くなっていますが、それでも母の食事で体が喜んでいる感じがします。
鰯団子の他に、しばらく食べてない母の味がまだあります。
アジの南蛮漬け、イカの刺身、鶏じゃが、イカと玉ねぎの煮物、にらの卵とじ、手羽中のサッパリ煮。
会わなかった三年半の時間は、生き死にを意識することが多くありました。私も母もいつ死ぬかわからない。
あと何回母の作る料理を食べることができるだろう。
胸の奥がきゅっと閉まるような気持ちになりながら、母の料理をたのしみました。
ではでは。
お読みくださりありがとうございます。
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