餃子
妻には決められるときと、決められないときがある。
今日は決められない日だった。
一緒にゴジラを見て、主演は仲野太賀と有村架純が良かったんじゃないか、と
勝手にキャスティング会議をしながら30分ほど歩いて家に帰る。時刻は18時過ぎ。コートを着ても寒い。
お腹がすいた。と妻が言う。
ポップコーン食べたからあんますいてないわ。と僕が言う。
ただ、家には何もないし、今から作ったら遅くなる。
外で食べて帰ることにする。
妻 えー、何食べよう
僕 やよい軒?
妻 うーん
僕 牛丼?
妻 なーし
僕 近くのお好み焼き屋は?
妻 あそこは広島風。食べるなら大阪風がいい。
僕 王将は?
妻 えー、王将かぁ
議論は平行線。どんどん家が近付いてくる。
妻 あー、もうむり。決めて〜
僕 じゃあ王将いこ。
妻 ぬー、王将かー。まあいいか。
店に入ってメニューを見る。
妻 えー、こんな食べれるかな〜
僕 大丈夫じゃない?
妻 ラーメン、チャーハンセットにしようかな〜
僕 僕は焼きそばにするわ
料理が届く。止まらない箸。
全然食べてるやんけ。
妻 王将って最高だね。うまい早い安い!
人に決めてもらって渋々行っても
食べておいしければそれでよし、それが妻。
店を出て、妻が一言
妻 餃子もいけたな。
僕 え