思い出グラム  niiちゃん第一章

画像1 そう…実家をスタジオ化して気づいたら、一番数多く着くずしを楽しんでくれたし、楽しませてくれました。着物は2着とも彼女の自前だったのも、僕にとってレアなひとときでした。
画像2 SNSで見かけて、なんとなく雰囲気の柔らかな人だなとDMをしてみた。初めての撮影は鶴舞公園でポートレート。いつものように題のない会話をしながら、『この人の着物姿見てみたいな。』って思ったのを結構鮮明に憶えている。
画像3 意思が伝わったのか、元々どんな人なのか推し量られていたのか知る由もないが、 『私着物部だったんです。着物着れます、持ってます。』って、後にも先にも初見のその場で誘ってもらえたのがそもそものキッカケでした。それはそれは嬉しかったです。
画像4 元々センシティブな分野だし、そもそも自分の為に名乗りを上げてくれたのは彼女が先駆者でした。
画像5 確かにそれまでも幾度か撮ってはいた。撮っていたからこそ、出逢えた奇跡だと未だに思っている。
画像6 それまではヌードはおろか、ランジェリーすら敷居が高いと思っていたから、作例もそんなに沢山あった訳では無いし、自分で言うのも恥ずかしい話だが、そもそもカメラ無しで人とコミュニケーションを取れるタイプではなかった。撮影会に参加しなければ、まともに声も上げられないタイプだ。
画像7 ちょうどその頃、父が他界してその年を終える直前のクリスマス、母の痴呆が発覚。運良くその日人間嫌いの母がなんとかデイサービスに日帰り体験の朝で、送迎の為訪れていたデイサービスの職員に異変を見つけてもらって、そのまま緊急入所。しばらく様子を見ているうちにもうひとりでは暮らせないと、判断して亡くなるまで4年。主不在の実家が残った。
画像8 ※結構お気に入りの一枚
画像9 相談し実家の生前整理をしてみたら、とても光の綺麗な空間だと気づいた時、定期的に家の空気を入れ換える為に訪問するタイミングで、スタジオ化を始めたタイミングだった。
画像10 最初の頃は使えそうな家具だけ残して、窓から射し込む柔らかな光だけで撮影。この1枚も西側の部屋に射し込む光を背中に受けた自然光。綺麗な肌の質感や表情を捉えるに十分な環境だった。
画像11 ※2階西側和室の窓辺。
画像12 時に雨戸を閉めて、差し込む光を絞り込んでアロマキャンドルの揺れる光を楽しんだりもした。アイデアが次々湧いてきたのが愉しかった。
画像13 一階真ん中の南側和室。縁側の廊下に擦りガラス障子からの光。着くずしにはもってこいの環境でした。
画像14 2階南側の和室廊下に繋がる扉前にて。
画像15 柔らかな光が柔肌を優しく照らし出してくれた。この1枚もお気に入り。
画像16 この1枚は逆に、雨戸で外光を遮断。廊下に和紙の筒で飾られた電気スタンドの明かりで撮影。
画像17 その2 。シルエットがとてもいいラインを作ってくれた。
画像18 2階西側和室の窓辺。
画像19 貴重なカットもたくさん残った。
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画像22 昨年母が他界したのをキッカケに、手放すまでの間、おそらく一番着くずしを楽しんだし、この家が持つ暖かい空気感が彼女を含め、着くずしを楽しんでくれたのかなと、振り返ってみた。実は子供の頃は大嫌いだったこの家を素敵な思い出の空間にしてくれたのは、写真を通して遊んでくれたモデルさん達であり、とりわけ彼女が一番楽しんでくれたのかもしれないなと思いました。結局4年ほどここで撮影しました。うちわずか1年足らず『おもいではうす331』として貸出もしたのでほんの一握りでも、この空間の魅力を楽しんでもらえた人もいた。
画像23 この秋、売却が成立。年内引渡予定なんです。今まで撮影させてもらったモデルさんの記憶にも、ほんの少しでも残るといいなと。取り分け今では自覚こそないが『着くずしカメラマン』的な認識に押し上げるまでにキッカケをくれたniiちゃんにこの場を借りて今回はファースト&2ndテイクを纏めてみました。ありがとうございました。

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