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Bライフって結局何だったのか?(1)

私は数々の人生の失敗と、数少ない恋人とのお付き合いをした経験から「Bライフ」の形をとるのが一番性に合っている…と感じています。
ただし、別に「小屋暮らし」をすることが、この世と絶世する様に生きることが合っているというわけではありません。
今回からは、シリーズとして「Bライフ」の本質・どうすれば自分に合ったやり方で探求できるのかを考察したいと考えています。

1)Bライフへの共感

「Bライフ」を実践されている方のブログ・動画を見て共感する方は、かなり似通った気質の方なのではないかと私は仮定しています。
何故ならば、「Bライフ」を謳歌している皆さん方のこれまでの経歴や発言、考え方を拝見すると、かなりの共通点が見つかるからです。
そしてそれは、自分にも大いに当てはまりました。

共通する気質について纏めてみると…

1.表面上人と関われなくはないが、実はかなりおっくう
2.責任や義務という言葉は知っているし果たすが、それがあることで身動きが取れなくなるのが本当に嫌い
3.案外と無心でなにかに没頭することは嫌いではない。
4.基本人とのつながりは「ゆるく」、そして孤独を好む
5.しかしながら心を完全に赦した人とは、かなりの部分で上手くいく

…などなど。
細部に渡ると枚挙にいとまがないので、一旦大まかなところだけ書き出しましたが、ブログやyoutubeで発信されている皆さんと自分を見比べてみて、これだけ共通点を言語化することができました。
恐らく私は、精神障がいや発達障がいのような障がいに起因するものではなく、あくまでもHSPのような、そういう「気質」の人に親和性が高いものだと考えています。
なぜならば、表面上は何とか同調して生活できる・していた人が多いという点です。
恐らく、障がいの割合が強い方は「Bライフ」どころではなく、通院や入院をしているケースが多いのではないかと思います。そうなってくると、あこがれることはあってもまずは自分の病気と向き合うことで精一杯…と言うことになってしまいます。治療・加療や、その前段階の支援サービスを受けなければいけない、場合によっては障がい者年金や生活保護を受けた方が良い場合もあるので、「Bライフ」を送るには制約が出てきてしまいます。

ですので、現在「Bライフ」に強く興味や共感を示している方は、主にそういった気質で何とか社会生活の末席にいることがかなっている人…が多いのではないかと考えます。

(※ただし、この私の最終的な結論は障がいがある方へも応用できるものだと確信しておりますので、もし自分が強い障がいで制約がありつつも「Bライフ」へ興味関心があるという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。)

2.「小屋暮らし」は難しい

私は2014年頃から小屋暮らしをしている方のブログを見てまいりました。
それは、どうやら2011年の寝太郎さんの「Bライフ10万円で家を建てて生活する」(秀和システム)の著書とブログのヒットで触発されて、真似をした人たちのムーブメントだったのだと、今は理解しています。

ただ、その大半の人たちが小屋暮らしをあきらめたか、発信するペースをかなり落としたか、辞めてしまっています。(2022年10月末現在)

別エントリーにて後述しますが、伊豆で「Bダッシュライフ」をされているぺーすけさんのまとめによると、寝太郎さんは2016年~2020年の間小屋を離れていたようです。
(参考・ぺーすけさんnoteエントリー)https://note.com/tengtang/n/ne6bfc1ae470a

また、唐揚げ隊長も(隊長はどちらかと言うと、本当にトレイルランナー、冒険家としての側面が強くなっただけかもしれませんが…)たるかりさんも、ナス農家さんも…
youtubeやニコニコで「小屋暮らし」を検索すると、コロナ禍以前ですら更新が止まっているチャンネルがそれなりの数出てきます。

彼らが発信しなくなったり、小屋暮らしを辞めた(ように見える)原因の1つ目は、何と言っても環境でしょう。
私は日本の超絶な田舎出身なので、自然のめんどくささを熟知しているつもりです。そんな私から見て、小屋暮らしをする・自然をたった一人で相手にするのは正直かなり大変だと感じてしまいます。
暑い寒い・虫や野生生物・自然災害…意外と地味に大変なのが夏の雑草と冬の枯れ葉枯れ草です。
若いうちはまだいいかもしれませんが、そこに永住となると年々大変になっていく事が容易に想像できてしまいます。特に、「山林を購入して小屋を建てる!」と言うのは上記のトリプルどころかクインテッドコンボを食らいますので、気が狂いそうになるのではないかと思います。
また、水道・電気・ガスに始まり、トイレやお風呂といった衛生環境の保全もままならないとなると、合わない人には絶対に合わないものになります。
そういったものを、自分の敷地の外に求めなければならない手間とストレス、そしてコストは半端ないものでしょう…。

さらに、もし自治会があったりムラ組織が強い地域に小屋を立ててしまうと、かなりの精神的負担になりかねません。
これらの環境からの負荷のコンボが、小屋暮らしはおろかせっかく始めたBライフさえもやめさせてしまうエネルギーになります。


そして、2つ目は「アンチ」や「おせっかい」であると言えます。

まだこちらから見に行かない限りは平和の5chならまだしも、ブログコメント欄、各種SNSやYouTubeコメント欄など、本人に届く批判が辛くなって発信を辞める…。

ナス農家さんはこれでやめたと吉田克也さんが証言していましたし、一時期の唐揚げ隊長も悩まされていました。
いくら正論であるとはいえ、法規違反(例えば、資格がいる部分まで勝手に工事するなど)でない限りは煩わしこと半端ないのだと思います。
そういった正論、ある種の成長論・ビジネス論みたいなものから離れたくて小屋暮らしをしている人にやいのやいの言っては、発信すること自体が苦行になってしまうのは想像に難くありません。
ネット等で世に発表するからこういうのが沸く→じゃあ発信すること自体辞める…このやるせないシンプルな流れは、先人たちの発表休止という状態で実現してしまっています。


そして、3つ目は「行き過ぎた孤独」ではないかと思います。

医療法人のHPがヒットしたのですが、社会的孤独の影響は「死亡リスクが喫煙やアルコール摂取と同等レベル」だと紹介しています。
社会的孤立、孤独感、一人暮らし…と言う主観・客観の孤独状態で分類してみると、どれも30パーセント前後で通常に比べて高まることが分かったそうです。
(出展:医療法人平成医会 孤独が及ぼす心理的な影響 | 医療法人社団 平成医会 (heisei-ikai.or.jp) )

2.での問題とも絡んで、いよいよ唯一の社会とのつながりであった発表の場・SNSを遮断すると、待っているのは大自然に独りぼっちと言う事実です。街にいて・アパートに暮らして時折人の気配を感じたり接したりするわけではありません…。

お金の問題も絡んできたりするのかもしれませんが、意外と皆さん短期のバイトをやってみたり、旅に出たり、街のアパート・実家に避難しています。周りに誰もいない孤独と言うものは、見知らぬ惑星に一人と言う状況と変わらないのかもしれません。

想像するだけでも恐ろしいですね…。


以上のことだけではないですが、これらの主な要因により2010年代中盤の「Bライフ=小屋暮らし」のムーブメントは過ぎ去ってしまったように思えます。
寝太郎さんが戻ってきたことと、千葉の九十九里の吉田克也さんらの近しい人たち、その他数名の新規の人たちが頑張っているのが現状です。

それでは、「Bライフ」とは幻想だったのでしょうか…?








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