つまるところ向き合うのは自分?

描くのは「それ」が当たり前にある世界

Xデザイン学校もあと3回。コースの終わりが見えてきたけれども、自分の学びのゴールはどこになるのだろう。何か得たような、まだ何もつかんでないような、不思議な感覚だ。
今回の講義の前に、グループワークのためにアクティビティシナリオを分担して書き直した。やりながら、すごく不思議な感覚があった。
「必要な利用体験がわかる」とでも言おうか。
私はいちおうシステムエンジニアの端くれなので、機能改善とかお客様の要望対応とか、業務システム担当だったときはやっていた。
その時は、単純に「こういう要望が複数あった」「ここが使いづらいからもう少し直そう」みたいな議論が中心になっていたのだけど、アクティビティシナリオ(=ペルソナがそこでどのようにふるまうか)を書こうと思うと、
「この人ならここでこう思うだろう」「この人ならこうするだろう」を書いているだけで、サービスが勝手に浮かび上がってくる感覚があった。
ずっと自分は間違えていたんじゃないか。考えなくてはいけないのは、素敵な機能や、こうすればこの課題が解決できる、ということではなくて、自分の考えるそれ(サービスや仕組み)が、当たり前にある世界で、ユーザがどう感じてどう振舞うか、起点はそこだったんじゃないのか。
再現性、というのが心に残っていたからかもしれない。どこでも、誰でも、その体験を描けるように伝える、ということを初めて考えてみた。
今までの仕事で「課題解決」の先に「素敵なユーザ体験」があると思っていたけど、それは、現状の課題にとらわれ過ぎていたんじゃないのな。それぐらい不思議な体感だった。
再現性、というのも起点は自分の体感に由来するのであれば、このペルソナでこういう体験をする場合に、どうなっていればよいのか。
それを考えていくと、向き合って突き詰めるのは「自分の気持ち」なのかもと思った。

手書きのラフの強さ

私はちょっとだけ美術部に所属していたことがあり、一番好きなのが鉛筆デッサンだった。だから、というわけではないのだけど、最初の手書きで要所をおさえられれば、すごく素敵なものに見えるというのはわかる。
(私は鉛筆下書きコンプレックスがあって、静物画でもなんでも、最初の下書きが一番上手にできて、絵の具を塗っていくとだんだん駄作というか、仕上がりが残念になっていく)
お客さんのところで、勢いで書いた下書きの説明図の方が、後からきれいにまとめた資料よりも説得力があると言われたこともあるし、出来上がりにどれだけ「凝る」か、というのはサービスの本質的な部分ではないのだろう。
上っ面だけきれいにしても中身がない、自体にもなりかねない。
それから、今日教わった絵の描き方がとても参考になって、お絵かき自体もパーツの組み合わせにしてしまえば、グループで検討するときにとてもやりやすいのだなとわかった。
先生のおっしゃる通りで、アイディエーションで絵を描こうとすると、だいたい年配男性が「自分は絵が描けないから」と言い出し、若い女性が、張り切って漫画みたいな仕上がりにするというのは、あるあるだけど、こうやってプロシージャ化すれば、皆で共通言語として語れる。
グループワークなどを通してみて、どれだけ「共通言語で合意形成ができる」が大事かということがわかったので、これは学びだった。

お客さんになってみるとよくわかる

本業の方で、大学生とチームを作って、社会実装コンテストのような事業に参加した。企業から大学生に課題を提示して、その課題をどう解決するか?に対して実証実験をしてもらったのだが、課題を提示して提案を受ける側に立ってみて、いろいろ見えることがあるものだな、と感じた。
そこでやっぱり思ったのは「自分事」で語れるかどうかと、誰のための何のためのサービスか、というのが明確に言えないサービスは、訴求力が弱いということだ。
最初、うちのチームの学生も「今ここができてないから、できるようにするるべき」とポンっと出してきたときに
「できてないはわかるんや、あっちこっちのしがらみやら
 そこに至るまでこっちがどんだけ苦労したと思っとんねん」という
 いろいろが沸々と湧いてきたのをぐっとこらえて
「自分たちがどう感じたか、自分たちの気づきを起点に考えよう」と修正し、無事に(?)最優秀賞をもらうことができた。

でもたぶん、自分が今このコースで学んでいなかったら、そんな風に考えたりアドバイスしたりすることもなかったと思うので、半分くらい浅野先生のおかげな気がする。ありがとうございました。

グループワークについて

メンバに気がかりなことがありつつ、最終的な成果物のまとめにかかっている。パーパス、「なぜTCが」というところを個人的には突き詰めたいが時間との闘いな気もする。
グループのメンバには、本当に感謝ばかりで(まだ終わってないけど)、
本業の会議とかで煮詰まっていると、「今あの人がここにいればいいのに」
「あの人ならもっと上手にまとめてくれるのに」と思うことがある。
残り2か月、いいものが作れるように頑張りたい。


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