FMEAの使い方
FMEAとは
FMEAとはFailure Mode and Effects Analysisの略で、日本語にすると”故障モード影響解析”になります。具体的に”故障モード”とは、機械の故障や想定しない使い方などです。例えば機械が故障し急停止すると、他の機会にも影響を与えたりします。こちらが”影響解析”です。
実施時期は、設計段階から既存設備や製品のどの段階でも行われます。
具体的手法
FMEAは最終的には点数付けになります。
安全FMEAなら危険性、品質FMEAなら品質への悪影響が点数付けされて”点数が大きいほど対策を要する”ことがわかり、対策の優先順位を付けられますす。
点数は、①危険(品質)影響、②発生頻度、③検出可能性などの掛け算になります。①は爆発や火災事故の場合は一番点数が大きく、品質なら苦情クレームあるいは納品品質を満たさないことで客先に迷惑をかけるなどが一番点数が大きくなります。②はシンプルに発生頻度、③は警報が鳴って退避可能か、異変を検知可能かで点数が決まり、品質なら製造部の簡易検査で発見可能か品質管理課の分析で発見可能かなどがレベルになります。
①②③の掛け算で点数が付くので、これを対策して②や③を下げると潜在的危険性や品質異常の可能性を下げることができます。
対策例
前提として安全FMEAである製品の工程が”狭い温度範囲しか品質が担保されない”とします。
対策①:温度計の校正頻度を増やす
これは公正とは正しく測定できているか確認することで、これの頻度を上げると温度ずれに早く気が付くことができます。
対策②:温度計を定期的に交換する
所謂”予防保全”です。温度計の寿命を予測し安全係数をかけて、寿命より早い段階で壊れる前に交換を実施します。これで故障確率はグッと下がります。
対策③:温度計をダブル化する
温度計をふたつにすると、片方は異常検出なのですぐに気が付き、片方が機能しているうちに片方を交換します。これをすると”生産を維持したまま保全が可能”になります。
もちろん、③②①の順で保全コストがかかります。
予算や影響、FMEAの結果をもとに保全方針を決定したり”定期修理の計画”を立てましょう。
次回予告
今回はすごく専門的なFMEAの使い方を解説しました。
次回は、仕事における本音と建て前を考察したいと思います。