「放伐と禅譲」

あの魔物のごとき女を
この座から引きずり降ろすのだ！

『賽は投げられた』

あの女は魑魅魍魎と悟られないように
白い白粉を施し
赤い口紅を差し
そして
　王族の心を惑わせる呪文を
その赤い唇から発するのだった

『私の言葉に溺れたなら簡単なものだ』

そうしてあの座を手に入れ、
すべて自分の思い通りに国を動かしたのだった

あの女を不信に思い
その正体に気づいたのは
まだ生娘の老婆であった

汚れ無き、その体と心が
それを見破れたのだった

あの女を倒せる力を
唯一持っている老婆

老婆があの女に投げつけたのは
あの女が持っていない言葉

『善き』という言葉の矢だった
悪しき魂の女の胸に刺さり

もとの姿となった女を見て
王族が我に返ることが出来た

王族は悟ったのだ
この先、この国に必要なのは
『くもりひとつないまなこ』の持ち主

あの女を倒した老婆こそが
その人であることを・・

　　　　　　　        The end

山根あきら様
参加させて頂きます。
少し違う内容化もしれませんが、
がんばりました(笑）
よろしくお願いします。

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