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私的BL沼歩記〜2024
※この文章はytv未成年の最終回前に書いていたものです。公開するか迷って保留にしてたのですが、最終回とその後のストーリーまで見てやはり自分でもまとめを少し書きたくなって書いたので、ytv未成年の記事の前に一応こちらも載せておきます。
長年考えてきた。
なぜ"男×男"にこうも惹きつけられてしまうのか。
いつか自分なりのBL論的なものを語りたいとは思っていた。ただ、主語を大きくしてあれこれ語るのは烏滸がましい気がするし、誰であれ読んでくれる人の気分を害するようなものはなるべく書きたくない。
だからこれは、ただの自分語りということにしておく。
他の人はどうか知らないがあくまで私の場合はこう、という話だ。読みたい人がいるかはわからない(私は他人の書くそういう文はけっこう読みたい派)。
絶対に長〜くなるし、本当に書きたいと思っていたことの中心まで辿り着くかどうかも極めて不明だ。
それでもとにかく、始めてみようと思う。
・今「BL」の単語が括る境界
ー虚構の世界に希求するものー
・ytv未成年に見るBLドラマの原点と到達点
当初はこんなテーマで大まじめに書くつもりでしたが、本論に辿り着かずただの『BLと私』になったため後からタイトルを変えました。
上記内容を一瞬でも期待してくださった方、すみません。
契機
今ではBLと大雑把に括られるこの概念に私が出会ったのは思春期の入り口で、それから早いもので四半世紀以上の年月が経過した。
漫画も周囲からの薦めで少しは目にしてきたが自分自身はどちらかと言えば軽めの文庫本で育った文字派で、と言って読書量はさして多くもなく、BL摂取に関しては基本的に本屋の立ち読みで満足する程度の『客観的にはごく軽傷の』腐女子だったと認識している。
(※部屋の壁一面BL蔵書です!みたいな強者と比較したらの話であり、脳内も軽傷だとは言っていません)
重症だった大学〜ポンコツ社会人期間については一旦置いといて、結婚出産の数年の間は自然とBL的欲求からは遠ざかっていた。
が出会う時には出会うものだ。
何の気なしにチェックした番組表で運命的にあのドラマの放送予定を見つけたのはやはり自分の中で眠っていた何らかの探知レーダーが反応したとしか思えないし、期待を込めて録画予約ボタンを押したその時に、忘れていたその分野への感応のスイッチが知らぬ間に再び押されてしまったのだろうと思う。
おっさんずラブ(2018)に熱狂した、平成最後の夏の話だ。
本当に熱い季節だった。
今でこそ本格実写BLドラマの先駆けのような言われ方もしているが、当時の感覚ではあのドラマ最終回は相当に衝撃的で、たまらずにツイッター(当時)のアカウントを作った。
そして感想を呟くのもそこそこに自分の考察はこうだとばかり、ドラマのラストシーンへ繋がる2人の空白期間を"書いた"。
まるでスピンオフドラマの脚本でも依頼されたかのごとく、極めて真剣に構想し、自分の脳内で展開していくそのドラマをまだ慣れていない初めてのスマホで必死に書き起こし、見てくれるフォロワー数など一切お構いなしに投稿した。
生まれて初めて世に放ったニ次創作だった。
ドラマの何がそんなに私を捉えたのか。
当時からおぼろげに考えていたことはあったが、そこについて語るためには適切な言葉を選ぶのに相当骨が折れるだろうという思いから結局、考えをまとめるには至らずにいた。
いつか書けたらとタイトルだけは決めていたのが『OLはBLか』だ。
※OL=おっさんずラブのことです念の為。
この内容なら卒論書けるとかツイートで豪語した日もあったな(遠い目)。
まごう方なきBLの側面が評価されているにも関わらず、これはBLじゃなく…とかBLを越えた人間愛の…だのジャンル区分は拒絶しながら作品は高く評価する人達が一定以上いた当時のあの現象。
そういった表現をする人達が忌避していたであろうBLの負の部分については、少しジャンルを離れていた立ち位置からは非常に理解できるところがありつつも、少なからぬ年月を腐属性の人間としても過ごしてきた身としては、でもあなた達が賞賛しているドラマのその側面こそ実はBLってジャンルの本来持つ素晴らしいとこでさ…ともどかしく思うしかなかったあの頃。
あれから6年の月日が流れた。
BLジャンルへの社会的な認知度は以前と比べたら相当に上がったと思う。が、それは良い意味でも、悪い意味でも、であったらしい。
"BLを越えた…"はどうやら未だに、良作への枕詞に使われそうになっては火種となり燻ることが続いているようだ。
今なら、あの時(まだ今は…)としまいこんだ言葉達のいくつかを掘り起こして日に当てることができるかもしれない。それもこの記事を書くことにした動機の一つだ。
近況
OL界隈はドラマ後もツイッターの盛り上がりが長く続いていたが、私の相互さんはやはり自分と似たようなライトな出戻り主腐だったりBLにあまり馴染みのない方も多く、大多数はそのままどちらかの俳優さん沼に移り、一部タイBL沼にドボンし、あとはいつのまにかひっそりと沼を去られた方も多かったように思う。
私はといえば、その年の冬からとあるBL漫画原作のドラマにハマるべくしてどハマりし(※「ポルノグラファー」の続編にして過去編「インディゴの気分」で描かれる編集×作家の何とも説明し辛い関係がかなり癖どストライクでして…)こちらでも二次創作に至ったりとしばらくはそれなりに充実したツイッター生活を送っていた(?)つもりになっていた。
でもその状態があまり自分にとっていい生活サイクルでないことから段々と目を背けきれなくなってきて(まぁ言ったら軽い依存症みたいな…ね)、書きたいものは書き終えたこと、またおっさんずラブの映画が公開されて感慨深くそれを見届けたことをひとつの区切りとして、ツイッターは一度ログアウトし、少し距離を置くことにした。
その後はアニメやBL漫画→BLCD→声優沼の方面へとふらふら危ないコースを辿りかけたもののどうにか踏み止まりパート勤めを始めた矢先コロナ禍が始まってしまい、なんだかんだとしんどい世の中についてくので精一杯になってしまってた気もする。
そうして、アカウント消すまではしないけどもう自分から発信することはないだろうなと思いながら数年が経ち、思い出の詰まった青い鳥のツイッターが黒いXに替わった時にはいよいよアプリを消そうかとも思った。
それでもごくたまにハッシュタグ検索したい事柄もあったりで完全撤退だけは思い留まっていたところに、昨年思いがけず沈黙を破って再び語りたくなるコンテンツが出てきてしまったのだ。
それもフィクション以外で。
…と書くと空白の期間でだいぶ心境が変化したかのようだが、何のことはない。
迷った末にnoteを開設した挙げ句、結局Xにもポストするという判断に至ったのは、新たに推しとなった音楽系YouTuber2人のどこかブロマンスっぽくも見える関係性の良さを、どうしても旧知の方々にもそれとなく知らせたいと思ってしまったからに他ならない。
何も変わっていない。むしろ方向性としてはよりヤバい。一歩でも間違えばアウトな危険域スレスレにいたことは理解している(※一応断っておくと、邪な目線抜きにしてももちろんちゃんと動画が凄かったし面白かったのでハマってます。詳しくは以前のnoteを参照)。
しかしその時noteの中で彼らを大型犬とツンデレ猫と見立てて書いたのがまさか次のどハマりドラマへの壮大な前振りになろうとは、よもや誰も予想できまい(ただの偶然です)。
本人も一番驚いている。
…いやよく考えたら春田と牧だって大型犬とツンデレ猫の系統と言えなくもない、のか…あれ?
なんか途中からツイッターと沼遍歴の迷走語りになってしまったけどともかく。
それから1年後の現在、本当に何年ぶりかで熱い期待を持って観ているBL作品が、傷だらけの大型犬と美形のツンデレ猫の不器用な初恋を描いた(違う)ドラマ『未成年』である。
原作は韓国の人気BL漫画で、私は未読のままドラマを完走する予定だ。
ふぅ、やっと現在の時点まで来た。
BL映像作品の視聴数は多くないが、持ち前のレーダーがなぜか突如感度を上げて察知するのか、私基準でどハマり必至の作品は確実に放送中に見つけられているの、ありがたい。
さてここから当然、今回のnoteを書く直接のきっかけとなったドラマ「未成年」の良さについて熱く語りたいところだが、ここまで書いて既にかなり疲れてきている。
見どころだけでも端折ってお伝えすればいいのだが、ではそのためにと#ytv未成年の検索を始めると、最終回前で界隈もアツイ時なのもありあっという間に時間が溶けてしまう。
それにドラマ評は、私のような下手が書くのより、ぜひ上手い人のを読んでもらいたい。
滾る思いの限りを書き連ねた長文感想、作品を俯瞰的に見た冷静なドラマ評や考察…既に書いてくださってる方の文章、超ありがたく拝読しております。
でもドラマの質の高さから考えたら書き手人口はもっと多くてもいいはず。これから先もたくさん出てくると期待してはいるけれど。
当方長大文章熱烈歓迎。
仲間増えて。切実に。お願いします。
あとやっぱり元OL民としてどうしても一言言いたいのは、横川さん「未成年」見てくれないかなあ…レビューが読みたい(熱望)。
たぶん好きだと思うんだけど。
という訳で後はもはや宣伝以外の何物でもないのですが拙文を読んでくださってドラマがちょっと気になってきた人は、#ytv未成年で検索またはTVerダイジェストにてあらすじを押さえた後、FODでぜひ一気に9話まで見ていただけるといいと思います。
1話30分だから4時間半で見られるよ!
そして最終回、一緒に2人の行く末を見届けましょう!
ではそろそろ力尽きたので、この辺りで失礼させていただくとして。
「未成年」完結後の余韻が落ち着いた後もしまだ気力と余裕があったら、BLをドラマ形態で見る意義とかそんなことも絡めて作品への思いを語れたらいいな…
いや、そういうことは上手な人がいくらでもいるからお任せして私は読む側に回るわ。
BL全般へのどうでもいい私見については、これからも頭の隅で常に考えを巡らせているとは思うので、いつかまた言葉が形になる日が来れば、お目にかかりたいと思います。
まとまりのない話になりましたが…
ご高覧ありがとうございました!