子どものインフルエンザ予防接種は何歳から?接種時期や効果、副反応について
冬はインフルエンザの流行シーズンです。子どものインフルエンザは大人とは違うリスクがあります。
インフルエンザから子どもを守る有効な手段として、ワクチンを使った予防接種があります。しかし、ワクチンについてはわからないことが多いのではないでしょうか。
ワクチンは何歳から打てるのか、接種のタイミング、効果や副反応など、子どもが予防接種を受けるときに知っておきたいことを解説していきましょう。
子どものインフルエンザは注意が必要
インフルエンザは、高齢者、基礎疾患を持つ方と並び、子どももリスクが高いのです。とくに6ヶ月以上5歳未満の子どもは、インフルエンザが原因となって別の病気をおこす合併症のハイリスク群とされています。
子どものインフルエンザで大人と違うことは、脳への悪影響です。熱性けいれん、異常行動、インフルエンザ脳症といった合併症を引き起こすおそれがあり、注意が必要です。
インフルエンザの予防接種は何歳から受けられる?
インフルエンザの予防接種は、生後6ヶ月から受けられます。
6ヶ月未満は対象になっていないのはなぜでしょうか。6ヶ月未満では、免疫が発達していないため、ワクチン接種をしても免疫を獲得できるかどうかわかりません。一方、6ヶ月以降は免疫が発達してワクチンの効果が期待できるのです。
ワクチンの量と接種回数は年齢によって違う?
インフルエンザワクチンの接種量と回数は年齢によって変わります。
・13歳以上は0.5ccを1回接種
・3歳から12歳は1回0.5ccを2回接種
・6ヶ月から2歳までは、半量の1回0.25ccを2回接種
このように年齢によって1回の量と接種回数が決められているので、気をつけてください。
1回目と2回目の接種の間隔をどのくらい空けるかについての制限はありません。以前は、1回目と2回目の接種は6日間空けるというルールでしたが、2020年10月に厚生労働省が変更しています。
インフルエンザの予防接種をする時期と効果は?
インフルエンザワクチンを接種するタイミングはいつなのでしょうか。ワクチンの効果も気になりますね。
インフルエンザの予防接種をするベストな時期
インフルエンザの流行は12月〜4月ごろ、ピークは1月末〜3月上旬です。
ワクチンは接種してから、1〜2ヶ月後にもっとも効果が高くなります。インフルエンザのピーク時期を考えると、12月中旬までに接種を終えるのがベストだといえます。
予防接種をする効果は
ワクチン接種によって、インフルエンザによる発熱やのどの痛みなどの症状が現れる「発病」が、6歳未満では60%減りました。1歳未満では20〜60%減ったという調査結果です。
予防接種の効果が持続する期間
インフルエンザワクチンの効果を発揮する抗体量を維持できる期間は、接種後5ヶ月間とされています。そのため、ワクチンの効果を発揮するためには、流行シーズンの前に毎年接種する必要があるのです。
予防接種をしていてもインフルエンザにかかることはある?
予防接種をしていてもインフルエンザにかかることはあります。
インフルエンザウイルスが体の中に入り増殖することを「感染」と呼びます。インフルエンザワクチンは感染を完全に抑える働きはありません。
その感染後、症状が現れる発病の状態となります。発病後、一部の方では肺炎などの合併症が起こり「重症化」します。インフルエンザワクチンは、この発病と重症化を抑えるのに有効なのです。
子どもの予防接種は2回するべき?
インフルエンザの予防接種は12歳以下では2回接種が必要です。
13歳以上では、さまざまなインフルエンザウイルスへの感染経験があるため、ワクチン接種で抗体が早く増えます。実際に、13歳以上ではインフルエンザワクチン1回接種で、2回接種と同じくらい抗体の量が増えるという報告があります。
しかし、12歳以下の子どもは感染経験が少ないため、ワクチンを接種しても、抗体を早く増やすことができません。実際に、12歳以下の子どもでは2回接種を行うことで、1回接種よりも多くの抗体が生み出されることが明らかになっています。
子どものインフルエンザの予防接種で副反応は起こるの?
副反応はワクチンが体に免疫を作るとき一緒に起こるため、1回量が少ない子どものワクチンでもでることがあります。ただし、頻度は多くありません。
接種箇所だけで起こる軽度なものから、まれにしか起こらないが、生活に支障がでる重度なものまでさまざまです。
軽い副反応
副軽い副反応としては、接種した箇所の赤み、はれ、痛み、また全身の反応として発熱、頭痛、寒気、だるさがよくみられます。接種箇所の副反応は、接種を受けた人の10~20%に、全身の副反応は5〜10%に起こり、通常2~3日で消失します。
そのほか、頻度が低い軽度な副反応として、発疹、じんましん、かゆみがあります。
重い副反応
アレルギー反応でも、前述のものと違い重症度が高いものとしてショック、呼吸困難もまれに起こります。
重い副反応には、ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、血小板減少性紫斑病などがあります。
この3つの病気はどれも免疫が関係して、手足、神経、目、血液に異常がでるものですが、原因がワクチンであるかは明らかになっていません。
まとめ
子どものインフルエンザはリスクが高い一方、ワクチンはインフルエンザから子どもを守る有効な手段となります。
ワクチンは6ヶ月以上から接種可能です。ワクチン接種のタイミング、効果や副反応など、正しい知識を身につけ、これから到来するインフルエンザの流行シーズンに備えていただければと思います。
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