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生て遺す 第12節
冬樹が学校でレアモンスター扱いを受け初めてから既に1学期を終えていた。
朝、学校で冬樹を発見できれば激レアである、それぐらいの頻度で登校はマイペースを激化させていた、登校しても授業中は眠っている事の方が多い始末、勉学についていけなかった事もあり、もう何をしに学校に通って居るのか分からない程である、冬樹自身の頭の中にも寝る事と食べる事、家に帰ってゲームやテレビで何を見るかを考える事以外しなくなっていた。
教師からの評判も良く無かったのだろう、下校時に部活の顧問が大声で「部活に出ろー!!」と冬樹の後ろ姿にしつこく叫び続けていたのを当時は疎ましく思っていたのを記憶している、今思えばこの顧問の教師が1番冬樹に期待し、見捨てずにいてくれていたのかもしれない、少し後悔している。
そんな最低で自堕落な中学1年を過ごした冬樹が2年になって真っ当な人間になる・・・訳が無く、クラス替えが合っても全く改善はしなかった、ただ少なくとも中学2年の夏を迎えた辺りから少しの変化を体現して行く事になるのは今からのお話だ。
下校路で冬樹は久方振りに親友と鉢合わせした、何故かお互いが相手を1番必要としている時に出会った感覚に襲われながら今まで空いた時間を埋めるかの様に会話を弾ませた。
第13節に続く