情報から子どもを守る!~リストカット編
インターネットは子ども・若ものにとって、情報垂れ流し状態
昨年研究した、子どもを囲むインターネット環境。
フランスと日本のインターネット環境を比較して学会発表をしました(日吉, Vialatte, 日本思春期学会, 2022)。
我々の調査結果として、日本のインターネット環境が
子どもにとって弊害である可能性を指摘しました。
日本のTwitter, Youtubeの検索について
例えば「リストカット」
Twitter, Youtubeで「リストカット」と検索をすると・・・
1.リストカットしたばかりの血の流れた写真がオンパレードで出る
2.リスカットの方法を教えるYotuTube動画がある
3.リストカットの道具を教えるYouTube動画(刃物が映ります)がある
などなど
(医療従事者以外の方が検索することはお勧めしません)
これらの情報を子どもたちが見れないようにするためには
フィルタリングサービスの使用が必要です。
フィルタリングサービスはTwitter, Youtube, LINEを使えなくさせるので
上記のような情報には触れられなくなります。
しかし、部活などでLINEは(まあまあ)必須ですよね。
連絡するにはとても便利です。
(なので、フィルタリングサービスの解除率が最も多いのは
高校生。)
そしてLINEを使えるようにすると・・・
はい、フィルタリングサービスを解除するのでTwitter, Youtubeも使用できます。
そう、解除した時点で子ども達は大人と同じ情報が入手ができることに!
つまり、「リストカット」と検索すると
上記のような情報に簡単に触れられます。
日本のフィルタリングサービス利用率
フィルタリングサービスをしている子どもわかものは
中学生で50%弱、高校生で30%弱になってしまいます・・・
つまり、リストカットの画像や方法を伝える動画のような
刺激のある視覚刺激を
中学生で50%、高校生で70%が大人と同じ環境で見れてしまいます。
因みに携帯使用率は小学4年生では約4割、小学6年生で約5割、中学生3年生約7割、高校1年以降は約9割となります。
子どもたちにとってスマホは必需品になってきています。
フランスではどうか?
一方、フランスではどうでしょうか?
リストカットに対応するフランス語
「Coupe Poignet」をフランス現地で検索。
すると・・・
リストカットに関する動画、写真は全く出てきませんでした。
フランス人の研究者と話をして、
「いやいやいや、日本でこんなに出てくるのに、
フランスでは何で出てこーへんねん!」
と話しながら、違う言葉ではどうか検索しようと言って
「s’ouvrir les veines(静脈を開く)」のフランス語で検索。
そしたらなんと!
リストカットの予防短編映画が1つでてきました!
最後の場面では、
「リストカットをしている人はこちらまでご連絡を」
との情報提供も。
リストカットをした場合や方法の情報が全くありません・・・
日本とフランスのネット環境が違いすぎる・・・・
その後の調査で
フランスはEUによる有害情報についての規制があることが分かりました。
それに則っているので、リストカットは有害情報としてネット上には多くは上がってきません。
一方、日本はこのような情報から子どもを守る法規制がないのが現実です。
EUのような法規制は重要ですが、
まずはできることから、、、
フィルタリングの設定を
もう少し細かくしてほしいです。
しかし、これはどこに言えばいいのでしょうか?
楽天、SoftBank、AUの社長さんに言えばいいでしょうか?
社長さんやフィルタリングサービスのシステム作りをされている社員の方とお知り合いの方がおられたら、下記まで是非ご連絡ください。
子どもを守るための情報規制、フィルタリングサービスの規制についてのご協力を願いたいです。
こころ研究所
太成学院大学 教授
日吉和子
mursecounseling@gmail.com
参考資料
総務省「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査」2021年
https://www.soumu.go.jp/main_content/000746226.pdf