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N響チェリスト藤村俊介さんのコンサートは、さまざまな世界が一つに溶け合ってました!

1年ぶりの藤村俊介さんのコンサートに行ってきました!やわらかな笑顔が印象的な藤村さんの佇まいは、ゆったりとしていて落ち着いた雰囲気。トークも親しみやすくて素敵な方です!九州でこの生音を聴けるなんて、しかも定員50名という環境にほんとに運がいいなと大感謝😆💕気品のあるごあいさつに会場はうっとりした雰囲気に…さすが一流の音楽家は、一瞬で魅了できるオーラをお持ちです。

圧巻のブラームスのチェロソナタに、楽章ごとの拍手が鳴りやまず

チェロソナタ第番ヘ長調OP.99の全楽章がスタートすると、イメージが一変します。第一楽章の美しい旋律を演奏し終えると会場から思わず拍手がわっと沸き起こる現象があり、藤村さんも途中で楽章の説明を始められたりと切り替えがすごくてびっくりしました!柔軟な対応が出来るってすごい事ですよね。お客様も大盛り上がりで、クラシックの名曲が一機に親しいものに感じられました。

一つひとつの楽章に流れるテーマを言葉ではなく、感覚として捉えることができるのは、ほんとに不思議です。チェリストの心の中にあるブラームスは、どんな言葉を投げかけているのだろうかと、ブラボーの声に包まれながら微笑む藤村さんを見つめていました。機会がありましたら、逃がしたらいけませんよ!バリ!おすすめです!

聴きたかったル・グラン・タンゴ!

ピアソラの名曲ル・グラン・タンゴは、本日のお目当てでした!ど真ん中の1メートル先には、藤村さんが演奏されるという良席でして、弓がめっちゃ近い(笑)指板に張られた弦の揺れもよく見えて、たまらんかったです。
独特のリズムと魅惑の旋律が美音とともに胸に突き刺さるル・グラン・タンゴ!情熱的でありながら、どこか憂いをおびる景色は、藤村さんのもつ大胆さが全面に押し出される曲でした。
音がチェロからではなく体全体から発せられているような感覚になります。これはなぜなのか分かりませんが、前からではなく上から降ってくるような感じなんですよね。技術力だとは思うのですが、よりドラマティックで鮮烈なピアソラでした。音楽は一瞬で消えてしまう儚いものですが、感動はいつまでも残ります。印象深い音色に感謝です。

ピアニスト藤本史子さんの研ぎ澄まされた音に感動!

チェロの美しい音の物語りを更に色彩豊かものに変えてゆくピアノ。ピアニスト国際ピアノ伴奏コンクール優勝というキャリアも輝かしいですが、これだけバラエティー豊かなプログラムをやってしまえるタフさがすごいです。細やかな配慮と音量の調節、時には寄り添うように、時にはダイナミックな部分が交互に表れるという離れ業に感動しきりでした。ル・グラン・タンゴの激しい難曲も、藤村さんとのチェロと歌うように奏でられる表現力は、たくさんの音楽家から信頼が厚いとお聞きしていましたけど…一年前より、更にパワーアップして帰ってこられました。はじけるような笑顔と気さくさが魅力の藤本さん!音楽に真摯に向き合う情熱を垣間見た演奏でした。ありがとうございます💖

カッチーニのアヴェ・マリアは至宝です!

この一曲だけでも、音源が欲しい!そう思わせる名演奏でした。コンサートのプログラムは一期一会みたいなところがあり、予定されていても急遽変更になることもあります。
この機会に恵まれるかどうかは運しだい。コンサートで聴ける方が増えるといいなと心から願いました。きっと多くの方が、心に残る傷を癒せると思います。藤村さんのチェロの音色はどこまでも包み込むように温かい感触です。居心地のよいところ、これにつきますね。

サンサーンスの白鳥などの小品のあとは、素敵な映画音楽へと続きます。ムーンリバーのにじむような、ささやくようなチェロの響きと、シェルブルーの雨傘のおしゃれな事!極上のデザートを頂いているような気分になれました。

ラストの曲は、藤井風さんの「満ちてゆく」…美しすぎて号泣

 藤村さんが一番、弾きたい曲として紹介されたのは…なんと、藤井風さんの「満ちてゆく」でした!
 閉じ込められた心が幼い時に出会った音楽と母との思い出によって解放されていくミュージックビデオを見て感動したことを覚えています。
チェロで奏でる旋律の優しさと藤村さんの中にある想いがシンクロして、心が震える演奏でした。
言葉のない世界で、言葉が織りなすエッセンスを表現する…そこには、無垢で純粋な魂の根源がしっかりと流れているように感じました。
やっぱりすごい芸術家です💙

【藤村俊介さんの情報はこちら】

プロフィール等はNHK交響楽団のサイトをご覧ください。

【藤本史子さんの情報はこちら】



リハーサルの様子





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