「心海パラドックス」考察
神サイ2023年ライブツアー
タイトル「心海パラドックス」
「パラドックス」とは
どんな意味でしょうか
辞書で調べると「矛盾した状態」「理屈に合わないこと」「逆説」といった説明がでてきます。
もう少し踏み込んでみると
「一見、不合理であったり矛盾したりしているけれど、よく考えると一種の真理であるという事柄」のことを「パラドックス」と呼ぶようです。
では「心海パラドックス」とはなんでしょうか?
自分は、
心の奥底にある「感情の矛盾」だと考えます。
「矛盾」という言葉の由来は「どんな盾でも貫く矛」と「どんな矛でも通さない盾」が同時に存在しえないこと
からきています。
つまり、物事の辻褄が合わない状態です。
感情が矛盾しているとは、
たとえば、
「コロナ禍を経て地方で自然に溢れた暮らしをしたいけど、都会の便利な生活を手放したくない」
「1人で生活していくのはマイペースで心地良いけど、ずっと1人なのはさみしい」
などです。
1番分かりやすく話すとしたら、
「柳田周作」を例に出します
「いま不安定で誰かに助けを求めてTwitterにツイートしたかと思えば、でも、安易に共感されたり、構われたくない」
という他人から見ると「どっちやねん!」とツッコミを入れたくなる矛盾した感情。
これです。
これを見て、ほとんどの人は、
よくある「天邪鬼」だなって思うだけで考えを止めます。
しかし、「パラドックス」の定義を振り返ってみましょう。
→
「一見、不合理であったり矛盾したりしているけれど、よく考えると一種の真理であるという事柄」
そう、この矛盾は一種の真理であるのです。
「真理」とは?どういうこと?
結論から言うと、自分はこう考えました。
感情の矛盾(心海パラドックス)こそが
人間の本質であり、
人間は「めんどくさいけど、愛らしい存在」である。
そして、それはAIに対抗できる人間の武器であり、それを
4つの矛盾した感情、「喜怒哀楽」として閉じ込めたのがアルバム「心海」
そのアルバム「心海」の1番最後に、全体のあとがきとして位置している曲が「告白」
「どうせいつかいなくなるなら
僕の全てを是が非でも遠ざけて
優しくなんかしないでほしいのに
どうしたって纏わりつく温もり」
→どうせいつか死ぬから
本当だったら大事な人のそばにいたいのに
こんな自分には優しくなんかしなくていい
是が非でも遠ざけたい
→感情の矛盾(心海パラドックス)
「僕の全てを是が非でも遠ざけて」
⇆「僕の全てを受け取ってください」
「僕の全て」
は
「めんどくさいけど、人間らしい、
愛らしさ、弱さ」なんだ。
という「告白」
をアルバムの1番最後にしている。
よく柳田周作は喜怒哀楽の感情豊かで人間らしいと言われます。それは人間誰しもが持ってる心の奥底にある感情に敏感で、それを表現しているからだと思います。そんな柳田周作をつい見てしまうのは自分にも同じところがあると重ねているからではないでしょうか。自分の心に奥底にあるけど、普段は蓋をしている感情を、矛盾を柳田周作がいつも表現していて、羨ましいと思ったり、自分も1人じゃないんだと思えたりする。だから神サイを応援し続けたくなるのでは。
「僕にあって君にないもの」
慕情なんてフィクションだろ
期待してないけど、
道化師の涙君が拭う
→矛盾
共鳴しあって 遠のいて
→矛盾
寄り添って また消えてゆく
→矛盾
共鳴して轟いたようにそっとまた消えてゆく
→矛盾
求めあって傷つけ合って天邪鬼みたい
→矛盾こそ愛しい
君の全部壊したいほど想ってるよ
→想ってるのに壊したい(矛盾)
「スピリタスレイク」
もういっそ楽になりたいなんて
思うだけで足は竦むけど
→矛盾
遊泳禁止のスピリタスレイクで
へべれけのまま溺れて浮かべた手
近づいては遠のいてゆく
→矛盾
→溺れそうだから誰かに助けてほしいと思い、
手を浮かべたけど、誰かが近づいては遠のいて
ゆく(矛盾)
パンパンに膨らんだ風船
幾重に積み重なったジェンガ
ネジの緩んだプラモデルも全部
この手で壊す勇気さえもない
→矛盾
他にも柳田周作、神サイの過去の投稿や発言を遡ると感情の矛盾(心海パラドックス)がたくさんあります。探してみてください。
善より悪寄りの狭間で揺れ動いてる(タイムファクター)
「何もない」がある (僕だけが失敗作みたいで)
もう二度と逢えぬと知りながら君と(REM)
続いて、
ジャケットを考察します。
アボカドの種の部分から鳥が飛び立とうとしている。
クラゲの頭の部分が光っている。
という情報しかないけれど、いろいろ調べたら以下の結論になりました。
アボカドの種にはペルシンという毒があり、人
間以外の動物は中毒になって死ぬ。
クラゲは深海に生息し、何億年も前からほぼ姿を変えずに現代に生き残っている生物。
不老不死のものもいるのではないかと言われている。クラゲは死にかけると若返り、進化するという説もある。
なので、ジャケットの鳥は
アボカドの種、ペルシンの毒で一回死にかけたけど、クラゲのように進化して羽ばたいた。
→「起死回生」している。
起死回生
=死にかけた後、生き返ること
絶望的な状況を立て直し、一気に反撃すること
「起死回生を願いどれほど経ったのかは」
(フラクタル)
柳田周作も鳥とクラゲと同じで、いつも曲を作って死にかけてるけど、ライブでみんなに会えば生き返って、生きる意味をみつけている。
→「起死回生」
↓アルバムのコメント
・「揺蕩う海月(クラゲ)のように」
→クラゲは何億年も前からほぼ姿を変えずに現代
に生き残っている生物
・「羽の生えた恐竜のように」
→鳥
竜盤類恐竜は獣脚類と竜脚形類に分類されるの
ですが、その獣脚類恐竜の一部が「羽毛恐竜」
であり、鳥を生み出した仲間であると言えま
す。このことは有力な仮説であると考えられて
いて、最近では「鳥は恐竜の一部」と言われる
→鳥の起源は恐竜
「そういう意味でのPOPSを模索し、突き詰めたROCKの究極体とも言えるこの「心海」という作品が揺蕩う海月のように、羽の生えた恐竜のように何処までも漂い続いてくれる事を願ってます。」
→
POPSは恐竜、鳥、
ROCKがクラゲ
に対応している。
鳥は恐竜が姿形変えて進化してきたものであるので、POPSのように時代を超えていろんな人に聞かれたい、楽曲たちが羽ばたいてほしい。
対照的に、
クラゲはROCKで
深い海底にずっといて変わらず生き続ける存在であるので「突き詰めたROCK」に対応している。
「人の心の琴線に触れる」
→人の心を動かすためには言葉という手段があ
るけど、言葉一つで人を傷つけることもできる
し救うこともできる
それを今一度聴いた人たちに自覚を持って、生きて欲しい。
だから心海のリードトラックが
「Division」
「理屈では説明のつかない「それ」に触れる瞬間を人は「琴線に触れる」なんていう風に比喩する。触れてみたい。叶うなら世界中全ての琴線に触れてみたい。伝えたい。伝わって欲しい。」
Mind Wave
=心の波
→人の心の感情の浮き沈み
Paradox of Mind Waves
=感情の矛盾
そこを辿っていけば、
クラゲの頭、
「心の琴線」にたどり着ける。
人の「心海パラドックス」を辿っていけば、必ず「心の琴線」に触れられる。
これがメインメッセージかなと予想してます。
ちなみに「心海パラドックス」はAIに対抗できる人間の武器である
という話はアルバム制作中のインスタライブでも話してます。聞いてみてください。
明日の「心海パラドックス」
ツアー初日大阪楽しみですね
ではまた